027 風の魔法 と カスタマイズ
魔法使いフワモ
※ この作品の大ジャンルを『SF』 ジャンルを『VRゲーム』に設定いたしました。
ラビの毛皮を加工するのは少々後回しにしまして、他の方の魔法を拝見するために門前の平原へと戻る事に致しました。
戦闘を行なうつもりは無いので、他の方のお邪魔にならないよう気を付けながら、散歩風味で観察する事にしましょう。
戻っている途中で、火の玉をラビに対して発射している方を見つけました。
ラビに着弾した時にボン! と言う音がして小さい爆発が起こっていますね。
うわぁ、やっぱり危険度高そうな魔法だなぁ。
足元に落としたりしたら自分も被害を受けそうで、やっぱり使用を躊躇ってしまいます……
顔をめぐらせると、他の方が水の魔法らしきものを使っているのを発見!
水を細い槍みたいな形状にして相手に飛ばしていますね。手に持って投げる感じではなく、指先に浮いている物をヒョイっと弾いて飛ばしている感じです。
ドン! という音と共に命中、ブワっと水しぶきが上がって攻撃を受けたラビは体制を崩していました。水と言えども中々の威力。これは侮れませんね。
それでも火より危険に見えないのは元が水だからでしょうか。
北門の方へある程度進んだ辺りで、コブシ程度の石を空中から発生させて飛ばしている方がいらっしゃいました。
石と言う事は、あれが土魔法かな? 流石に最初から大岩を発生させる様な魔法は無いですよね。
こちらも火の魔法に負けず劣らず、もう見た目からして凄く痛そうな攻撃方法です。インパクトも凄い。
敵に当たった石は命中後に地面に転がっていましたが、暫くすると七色の光になって消えているみたいです。大量にゴロゴロ出しまくって地面に敷き詰めたりは出来ないみたいですね。
その辺りもカスタマイズ変更できたりするのかな?
でも発生した石がずっと残ったりすると、いつかこの世界は石まみれになって埋まってしまう可能性があるのか。
B級パニック映画みたいになってきた。
そんなくだらない事を考えていたら、土魔法を使っていた方の横に立っていた杖を持った人、おそらく同じパーティの方なのでしょう、その方が攻撃を受けた事によって反撃してきていたラビに向かって、右手に持っている杖をすっと縦に振って魔法を飛ばしていました。
ほんのり薄い緑色の三日月の形状をした魔法が、相手へ向かって飛んでいきます。
そして命中後にブワっと広がる風の流れ。こちらにもそよ風程度の空気の動きが発生します。
あれが風の魔法かな? 想像で風の魔法は他の魔法のように球状の風を飛ばすのかなぁ、と思っていましたが、薄い刃の様な形状ですね。一応視認出来るようになのか、ほんのり色が付いています。
風のイメージカラーはライトグリーン辺りなのでしょうか。非常にさわやかな感じが。
こう、ゆっくりと辺りを見ながら観察してみると、魔法オンリーで戦っている方もいれば、武器と併用して魔法を使っている人もいらっしゃる様です。
やっぱり幾つか手段を持つ事によって選択肢も増えますし、普段武器を使って戦っているとしても、何かしら一つくらいは魔法を使えた方が便利なのでしょう。
ゆっくりと歩きながら北門まで帰還した私は、先ほど見た魔法の中から一つ取得するものを選ぶ事にします。
ぱっと頭に浮かんだ候補は二つで、見た目的に危なくなさそうな属性の水か風、どちらかの魔法にしようと思っていたのですが、最終的には風にする事に決めました。
ぱっと見た感じなのですが、相手に命中するのが一番早かった攻撃魔法が風だったからです。
飛んでいく速度を重視した感じですね。
相手に向かって飛んでいく速度が早いのであれば、私でも狙った対象に命中させるのが楽なのではないか、という単純な理由です。見た目も綺麗でしたし。
他の三種類の習得に関しては、ひとまずポイントと相談でしょうか。
これからも色々な生産スキルを取得していく予定で進めていますので、ポイント残量が厳しそうではあります。習得Pを増やす方法も今は判りませんし。
それでは早速【魔法 風】を取得いたします。
消費習得Pは今まで取ってきたスキルと同じ2ポイントで済みました。
よかったよかった。
スキル説明内容も他の魔法と大差なく、操る対象が風なだけでした。
えーっと、アクティブスキルの詳細はどう見るのかなー?
生産スキルと同じようにすれば何か起こるかな? と思ったので口に出して【魔法 風】のワードを宣言してみたのですが。
あれぇ? 何も起こりません。
ならば、スキルのリストの方をいじってみましょう、という事でメニューを再度開いてスキルリストの【魔法 風】の部分を触ってみます。
こちらが正解だったようです。何種類かのアクティブスキルの名前が表示されました!
えーっと【風の刃】【風の壁】【つむじ風】の三種類ですね。スキルのlvが上がると数が増えるのでしたっけ。今から楽しみにしておきましょう!
取り合えずアクティブスキルの説明をざっと確認しましょう!
【風の刃】
風魔法の基本攻撃スキル。
三日月状の風の刃を形成して対象に飛ばし攻撃する。攻撃属性は切断属性。
カスタマイズ【○】
【風の壁】
風魔法の基本防御スキル。
指定したライン上に強烈な気流を発生させ、壁の様に設置する。
射撃攻撃全般に対しての防御に使用可能。射撃魔法の威力を少量減衰させる。
設定されている抵抗強度以上の攻撃を受けると消去される。物理攻撃でも破壊可能。
カスタマイズ【○】
【つむじ風】
風魔法の基本範囲攻撃スキル。
一定範囲に攻撃判定を持つ、つむじ風を発生させる。
離れた座標を指定して発動。
カスタマイズ【○】
ふむふむ。相手が一人なら【風の刃】で、相手が沢山なら【つむじ風】を使えば良いのかな。
いや、でもウサギさんみたいに攻撃を当てたら反撃してくるような相手に対して、最初からいきなり【つむじ風】を使ったら、その分反撃も一杯来るんじゃないかな!?
便利だと言っても、ご利用は計画的にしないと駄目ですね。
【風の壁】は飛んでくる物に対しての防御に使える魔法のようです。
土の魔法にも壁魔法があるなら、凄い頑丈そうなイメージがします。
風の壁だとジェット噴射みたいに風が噴出するのかな? 触ったりしたら痛いのだろうか。
いや、壁って言ってるくらいだし、風の壁でも普通の硬い手触りとかするのかもしれない。
だってゲームだもんね。
では、魔法の習得もすみましたので、他のプレイヤーさんの少ない場所へ移動してから、覚えたて風魔法の試し撃ちと参りましょう。
ぐるりと周りを見渡して、他のプレイヤーが少なそうな場所を確かめます。
ぱっと見で人の密度が少なめなのは……中央部分より少し離れた、丁度森に差し掛かる付近ですね。
では、そちらへと移動しましょう!
森周辺もまだ他のプレイヤーさん達がいますが、混み合っている門前に比べれば大分少ないです。
丁度良く目の前にポンっと現れてくれたラビに対して、左の手のひらを向けて魔法使用に挑戦!
いつも通り【風の刃】の使用をしっかりと声に出して宣言すると、左手から先ほど見た淡い緑色の三日月がシュッっと飛んで行き、ラビに命中します。
『グギャ!』と言う痛そうな声を上げたラビが、此方を振り返りました。
几帳面に狙いを付けたりしなくても、ある程度勝手に相手を照準して飛んで行ってくれる様です!
流石のシステム補正。
非常にありがたいです。素人の私でも十分相手に当てる事ができます!
此方へ向かって跳ねて襲い掛かってくるラビの体当たりを、大きく動いてなんとか回避。
次の魔法を試す事にします。
それにしても、あっちこっちへと動き回りながら魔法使うのって大変だぁ! 上手い人は華麗に戦いながらかっこよく魔法で攻撃するんだろうなぁ
せめて、使いたいと思ったタイミングで、ちゃんと指定した魔法を発動出来る位にはならなければ。
まずは練習あるのみ!
攻撃を避けられて、たたらを踏んだラビの背後に回りつつ、敵から視線をはずさない様に気をつけます。
振り向かれる前に、自分の前に【風の壁】を設置しました。
振り向いてこちらへと飛び掛ろうとしたラビが、壁に気がついて一端立ち止まり、壁へ向かって強引に割って入ろうとしますが。
風の壁から吹き出す気流の勢いに弾かれているのか、通り抜ける事が出来ないようですね。
なるほど、飛んでくる攻撃以外に魔物の行動に対してもある程度効果があるんだ。
地味だけど、私みたいなプレイヤーにとっては中々有用な魔法じゃないかな? でもラビのほうは壁に接触しても痛がる素振りは見せていないし、ダメージは入ってないみたい。
などと観察していると、パンッという音がして風の壁が消えてしまいました。
恐らく強度の限界がきたのでしょう。風の壁に阻まれてジタバタしていたラビが、再びジャンプからの頭突きを繰り出してます。おっと危ない!
攻撃を避けるために大きく移動します。今は魔法の試し撃ち優先で、とにかく安全第一で進める為に大きい距離を取るように移動します。
動きの鈍い私だって、避けることに集中すれば何とか。
普段の私なら絶対出来ない動きですけれど。運動不足ですから絶対筋肉痛確定です。
では最後に残った【つむじ風】とやらを使ってみましょう!
魔法を宣言して使用すると、突然目の前に小さい竜巻のようなものがブワっと発生し、数秒後に消滅しました。び、びっくりした!
この魔法は発生させる場所を選べる、みたいな説明が書いてあったけど、どうやるんだろう?
突然発生した竜巻に対して、私と一緒に驚いて足を止めていたラビへ視線を向けると、相手の足元の地面へ意識と視線を向けつつ、もう一回【つむじ風】を使用してみます。
すると、ちゃんとラビの足元辺りからブワっと小さい竜巻が発生しました。
おお! これは視線とか意識を出したい場所へ向ける事で誘導する、って言う事であってる?
つむじ風でダメージを受けてよろめいているラビに、止めとばかりに二回目の【風の刃】を飛ばします。
魔法が命中して吹き飛ぶと、七色の光となって消えるラビ。
ありがとうラビ君、キミの御蔭で色々と試す事ができたよ。
ラビが倒れた地点を確認すると、今回は魔石が落ちていました。忘れないようしっかりと拾います。
そういえば視線で誘導ならば、物凄い遠くでも【つむじ風】発生させたり出来るのかな?
気になったので、誰も居ない方角に視線を向け、森の木の天辺付近を凝視しながら【つむじ風】を宣言してみます。
【つむじ風】が発生したのは私の目の前でした。
二度目のビックリ! もー唐突に発生するから心臓に悪いよ!?
しかし……超遠距離攻撃みたいな事が出来るかなと思ったけど、流石に駄目だったかぁー
恐らく射程みたいなものが決められているんでしょう。
こういった部分も、細かくカスタマイズで弄ったりできるのでしょうかね。難しそう。
まぁ私は、暫く魔法のカスタマイズはしない事にします。
恐らく変な設定になって、結果ろくでもない魔法にしかならない気がします。うん。




