025 戦闘模索 ラビ撲殺
ウサギは犠牲になったのだ……
※ 活動報告へ追記を行ないましたので宜しければチラリと見てやってくださいまし。
ガルドスさんの声援を励みにしつつ、北門をくぐり抜けます。
相変わらず、北門前の平原では沢山の人が動き回っていました。
一体今日一日だけで、どれだけの魔物ウサギさんが天に召されたのでしょうか。
まぁ……後から後から補充されているみたいなので、しんみりしている余裕もないのでしょうけれど。
ひとまず回りのプレイヤーさん達が、どのようにあのウサギと戦っているのかを観察して参考にしようと思います。
先人の知恵は偉大なのです。たとえ相手がウサギだとしても。
北門を出てすぐ横の壁を背もたれ代わりにして座りつつ、周りを見回して他の方がどのように動いて戦っているか、コッソリと横目で確認いたします。
ただ座り込んで周りをジロジロ見ているというのもナニですから、カモフラージュ兼小腹を満たすためにポコ豆の袋を再び取り出して摘みます。
うむぅ……このペースで食べていると、すぐに買い足さないと無くなっちゃうかなポコ豆。
一箇所に留まって数人で一緒にプレイしているっぽい方々は、いかにも硬そう! と言った見た目の方が数匹のウサギに対して攻撃して、他のパーティメンバーの所まで引っ張って行き、一箇所に集めた後に全員で一気に攻め立てる! と言った方法を取っているようです。
うん、一人でプレイしている私には無理ですね。
私と同じように、一人でプレイしている方々の戦闘方法も様々です。
遠くから弓で攻撃した後に、反撃で近寄ってきたウサギをナイフのような刃物で倒している方や、なんと近くに出現したウサギを、ズドンと一発の攻撃で七色の光に変えてしまっている方も居ました。
うん、まさに字の如く一撃必殺という奴でしょうか。
出てきたウサギに対して即座に攻撃せずに、何やら中腰で大きい剣を構えて力を溜めているような感じでしたので、恐らく必殺技的なアクティブスキルを使用したのでしょう。
さすが私の身長程もある巨大な武器だけあって、もの凄いパワーですね!
うん……あんな大きいの私じゃ持てません。
他にも両手に刃物を持って凄い勢いで連続攻撃をしている方や、なぜか延々と体の前で構えた金属の板のような物で、ウサギの体当たりをガンガンと撥ね返し続けている方も居ます。
うん? 何かの特訓でしょうか?
あまりにも色々な方法で戦闘を行なっていらっしゃるので、参考にするつもりが逆に混乱してきました。
とてもじゃないですが、一朝一夕では真似出来そうにない感じです。ううむ、どうしたものか。
もう深く考えないで、棒でポコポコ叩いていった方が良さそうな気がしてきました!
うん、思考を放棄したわけでは在りませんよ?
こういうタイプのVRゲームは完全な初心者の私が、元々無い知恵を捻り出して考えたって、そりゃ良い方法が早々に思いつく訳がないのです!
『最初に言っていた「参考にする云々」てな事はどうした』という突っ込みは無しです!
よーし! 戦闘方法も一応決めましたし、ちょっと移動しましょうか!
門の前辺りは人口密度が高くて、出現したウサギの取りあいになってしまう様なので、先ほど採取に向かった時と同じように、町の外壁に沿って移動しつつ森の端のほうへ行く事にしました。
門からも離れていますし、あちらなら余り混み合っていないはず!
ちょこちょこと地面に生えている草を反射的に毟ってアイテムボックスへ仕舞いつつ、先ほど白いウサギと戦った場所辺りまで戻って参りました。うんうん、やっぱりこの辺りは人が少ないですね。
ただぼーっと待っていても時間が勿体無いので、森の端の方に生えている素材を漁りつつウサギの魔物が近くに出てくるのを待つことにします。
大体周辺に残っていた薬草やキノコを採取し終わった頃、私の右前方辺りに敵の出現を知らせる例のふんわりとした光が。
これは灰色ウサギか、前回戦った白いウサギの白ラビ、どちらかが出現する予兆ですね。
数秒後に光が収まって、その場所にポコっと灰色のウサギが出現いたしました。
さあ灰色ウサギ君、申し訳ないが私の糧になって貰おう!
アイテムボックスから武器の棒を取り出して構えます。物音に反応したのか灰色ウサギがクルリとこちらへ振り向いたので、すかさず先制攻撃!
此方へ顔を向けた灰色ウサギの頭頂部に、ゴッツンと棒を振り下ろします。
うっ恨まないでおくれよー。
棒が命中した部分にパッと青い光のエフェクトが発生して、スポンと数字が飛び出します。
ダメージは12ですね!
先制攻撃を受けた灰色ウサギは、フラフラと眩暈を起こした様にその場で前後に揺れています。
これは前回戦った白ラビと同じ反応ですね。頭に衝撃を受けると眩暈を起こすのでしょうか。
どちらにしろチャンスですので、白ラビの時と同じ戦法で畳み掛ける事にしました。
そりゃ反撃されたら避けられるか自信がないですから!
アクティブスキルの【強打】を宣言、もう一度頭頂部へ叩き込むと、くるりと一回転した後にバッタリとうつ伏せの状態で灰色ウサギが倒れてしまったので、申し訳ないと思いつつ背中にもう一回攻撃を振り下ろします。
『グルゴワァァァ!』という完全にモンスターな鳴き声を上げて、灰色ウサギは七色の光になって消滅いたしました。
……えええ!? 物凄い鳴き声怖いんですが!?
断末魔の叫びにビビリつつ、完全に消滅した灰色ウサギのいた所を確認いたします。
前回倒した白ラビと同じように、灰色ウサギが消滅した場所の地面に小さい石が落ちています。
アイテムボックスへ収納して名前を確認すると【ラビの魔石】となっておりました。
良かった、この灰色な魔物ウサギが【ラビ】ですね!
他に新規で手に入れたアイテムが無いか確認しますと。
ありました! 【ラビの毛皮】と【ラビの肉】の二種類、両方一つづつです!
あと二匹のウサギさんを昇天させれば【革細工】のクエストも終了ですね。お肉の方はお料理に使うんだろうか。ウサギのお肉って美味しいのかな? 折角ですし食べてみたいですね。
まぁこのお肉の加工をお願いする相手が居ないのですが。売却したり出来るのだろうか。
などと考えていると近くにまた灰色ウサギの【ラビ】が出現いたしました。
よーし、先ほどと同じ戦法で問題ないでしょう。君も大人しく七色の光となって私の毛皮となるのだ!
あっ ちょっと悪役っぽいぞ私。
一匹目を倒した状況と全く変わらない流れで、二匹目のラビも光となって消え去ります。南無ー。
それにしても戦闘苦手な私でも、こんなにポンポン倒せてしまうこのウサギの魔物は本当に弱い相手なのでしょうね。
戦闘になれている方達は、ドンドン強い相手の居る場所へ行っているんでしょうか。
そういう場所じゃないと採取できない様な、そういったアイテムがあるのでしょうね。
何時の日か、そういう場所にもお出掛けしたり出来るようになるのでしょうか。
うーん、一人だと厳しいのかなぁ
安全に遠くから攻撃できるような魔法のスキルとか、一個くらいは取得した方が良いのかな? 折角種族の特性で魔法が得意な狐人なんだから、ちょっとくらい魔法使えた方が楽しそうだものね!
マナポイントの持ち腐れになっちゃうより良いよね!
二個目の【ラビの魔石】を拾った後、三匹目が出てくるまでの待ち時間を利用して、なにか私にもいい感じに使用できるような魔法が無いか、スキル欄を開いて探してみることにしました!
確か【ガイド】さんが言っていたのは……魔法一つとっても、その後の使い方で色々活用できるっ! てお話だったよね。
折角だし、取得するなら生産方面でも使っていける魔法が良いかなぁ
絞込みのスキル検索切り替えで【戦闘】のタブから、更に【魔法】タブへ切り替えました。
【ガイド】さんに説明していただいた【魔法 火】や【魔法 水】などの魔法が表示されていますね。
とりあえずはー……魔法スキルの説明を見ていこうかな。
【魔法 火】
その名の通り、火に関する魔法全般を習得するために必要なスキル。
スキルを育てることにより、上位の魔法スキルへの上位置換が可能。
火魔法の基本アクティブスキルをそのまま使用する他にも、基本アクティブスキルをベースに威力の調整や範囲の拡大、射程の増加や射線の変更等、プレイヤーのプレイスタイルに則って細かくスキルカスタマイズする事が可能。
カスタマイズスキルは、基本アクティブスキルを上書きして作成しなければならないため注意。
カスタムの設定リセットはいつでも可能。その場合は元となった基本アクティブスキルは復帰します。
ふむふむ? 自分の使いやすい形に魔法の効果を変更できるって事かな?
星型の火を飛ばして相手を攻撃したり出来るってことだよね。
流れ星みたいでちょっと楽しそう。星型でも火だから熱いだろうけど。
【魔法 水】の説明文も見てみましたが、大体【魔法 火】の内容と変わりませんでした。水に関する魔法、っていうだけで根幹のシステムは同じって事ですね。
水の攻撃魔法の威力とかを0にして、水道の蛇口みたいに指先とかから水を出せれば、ポーション作る時に困らないんじゃないかな!? おお我ながらいい考え!?
……でも攻撃にも使うって考えると、どうやって相手に被害を与えるの? ってなって困るかぁ……
水道代わりにするだけで2ポイント使っちゃうのは勿体無いよね。
火の魔法は……取り扱いが難しそうだしパス! 絶対何かで失敗しそう! 確信がある!
日曜日投稿は時間がブレブレになってしまい、すみませんです。
週末前後は執筆時間が取りづらいもので……
これからも一日~数日間隔の不定期で参ります、どうかご容赦の程を。
いやはや、毎日しっかりと投稿されてる方は本当に凄いと実感。




