251話
実際、彼女らは扉の前で待機(聞き耳)していました。
金に糸目を付けない、超ゴリ押し攻略には役立ちそうです。
私の言葉を受けて一度頷いたアルシェさん、テーブルの端に置いてあった多分……小型のベル? っぽい物の取っ手を右手で摘んで手首のスナップを利かせた動きで数回振ります。
チリチリン、と耳に心地よい澄んだ音色が部屋に鳴り響きました。
ベルの音が消えて数秒程で、先程このお部屋にお茶を運んできてくれたメイドさんが、先程と同じ感じでススーっと扉から出現します。
……本当にずっと部屋の外で待機していたのでは、と思わせる速度で。早い。
扉を閉めてトレイを小脇に抱えたメイドさん、室内に詰め込まれている荷物を軽快に回避しつつテーブルの脇に来て一礼。
大分手馴れた様子で、中身の空っぽなカップや目方の減ったお菓子のボウルを、音も無くトレイに載せ片付けて静かに一礼、ススーっと現れたときと同じ様に滑る感じの移動でもって、お部屋から退出して行きました。
その際、なんというか、一応突然お邪魔してしまった身でしたのでお片づけのお手伝いでも、と少しながら思っていたのですが。
逆に素人の私が手伝うと手間になるのでは? と思ってしまう程にササっと片づけが完了してしまいました。
上げかけた両手を止め、そのままコーメェの毛にめり込ませる形で戻した私は、颯爽と去っていったメイドさんの背中を眺めるのみでした。片付け出来ない系女子です。しょんぼり。
いやぁあれですね……私と違って何事にも手際が良い感じで。
そこから何となく連想する形で、ちょくちょく家に来てくれている馴染みの家政婦さんも、色々と手際が良いんだよねーうんうん、なんて余り現在の状況と関係のない事について、鞄に嵌ったままのコーメェ腹部を撫でつつ、両目を閉じて思い出しておりますと。
アルシェさんが立ち上がって、ゴトゴトと近くの台に積み上げられていた小箱を手に取り、テーブルの上の物を移動してスペースを空けて並べ始めた事により、意識を現実へと引き戻されます。
いやVR空間での意識だから仮想? いや現実?
まぁどっちでも良いのだ。
つまり魔法封入アイテム作成のお勉強会が始まる! と言う事です、はい。
今から開始されるであろうアイテム作成に向けて、ほぼ確実に色々と細かい手元での作業を敢行せねばならないであろう事が予想されますので……今現在、椅子に座った私の太ももの上で、鞄に背中をめり込ませてノンビリ眠っているコーメェを、安全で安眠できそうな何処か別の場所に移送せねばなりません。
鞄に収納されたままのコーメェを持ち上げ、アルシェさんに何処か良さそうな場所が無いかお聞きして見る事にしました。
「良かったら、コーメェを何処かのんびり出来る場所に寝かせてあげたいんですが、この子を寝かし付けても良さそうなスペースは無いでしょうか?」
「良く寝てますねぇ……あっコーメェちゃんの居場所ですね! えーと、それならば……私のベッドの上にでもモフリ……と放牧しておいて頂ければ大丈夫だと思います!」
私がテーブルの上に差し出した蓋が開きっぱなしの鞄の中で、夢の中で何か食べているのかモムモムと口元を動かしながら、気持ち良さそうに鼻を鳴らしながら眠っているコーメェの顔を、ニコニコ笑顔で眺めていたアルシェさん。
私の問いに答える形でベッドの方を指差して、そう提案して下さいました。
ありがたーく、そのご提案に乗らせていただく事に致します。
コーメェ鞄を抱えて椅子から立ち上がり、枕元に沢山の本が置いてあるのが確認出来るベッドの上へ、そっとコーメェ鞄を置こうと思いましたが……鞄に入ったままだと色々と見た目が愉快な事になってしまうので、毛皮に手をめり込ませる感じで両手で挟んで、スポっと鞄からコーメェを引っこ抜いてから寝かせる事にします。
いやぁ、ふわもこファームの頃から良く寝る生き物だとは思っていたけれど。寝る子は育ったりするのだろうか、物理的なサイズとして。謎ですね。
ドゥムドゥム! とコーメェの背中を平手で押して柔らかさを確認しつつ、そういえば確か……コーメェが色々と消耗すると、不足分は私の方から差っ引かれる計算に! と言う事を何となく流れで、しかも今更ながらこんな場所で思い出しました。
うむ、ならば健やかに眠れコーメェすやすやとな!
それにですね……さっきクッキーを齧っていて思い出したのですが、正直そろそろ確保していた食料がヤバイのだ。ヤバイ。お芋くらいしかない。
この講習が終了したら、食料ゲットの時間を確保して食べ物も大量購入せねば……と、今から起こる事柄に全く関係のない事を決意し、私の猛攻にも反応を示さないコーメェの背中を数回撫でてから、テーブルへと戻ります。
「お待たせしました、ベッドお借りしました!」
「いえいえ、いたって普通のベッドですので!」
椅子に腰を落ち着けて頭を下げた私に対して、ぐっとガッツポーズで頷き笑顔で返答してくださったアルシェさん。
『さてさてソレでは早速』と手の平を擦り合わせながら小声で呟いたアルシェさんが……先程からテーブルの中央に置いてあった、魔法陣っぽい物が描かれた薄い板を手の平でポンポンと叩いて、一体どんな用途で使用する物なのか説明して下さいました。
「これは『封入補助板』という物で、基本的にですが、この上で魔法を封入するアイテムに対して細工を施します!」
「ほほぅ……この板がないと、魔法封入のアイテムは作成できない感じなのでしょうか?」
「あー、一応無くても出来るんですが、損失が大きいと言うか何というか……素材や製作者がアイテム作成時に放出、または持続照射させているマナの減衰を軽減する効果がある、といって判りますでしょうか?」
「えーっと何となーくは、判ります」
本当になんとなーくだけど。
つまり魔法封入のアイテムを作る場合、この板を使用して作業を進めた方が絶対に効率が良い! ナイスな物が出来るよ! って事で良いんだよね多分。
それにポーションも恐らくだけど、私がポーション作成時に使っている様な正規の器材を使用しなくても、強引に作業工程だけをなぞる形で普通のお鍋とかコップとか、そういった日用品を使用しても作れるんだろうし。
磨り潰したり煮込んだり、なんて部分はお料理でも行いそうな工程だからね。
でも、完成したお薬の性能は凄く悪そう。密造品とか粗悪品って感じで。
そんな事を考えつつ、多分そういう事だよねー? と一人で勝手に納得して無言で数度頷いていますと、先程近くの台から移動していた小さい箱を、アルシェさんが両手で掴んで手元に引き寄せ、留め金を摘まんで捻り蓋を開きます。
中には、非常に見覚えのある石が沢山詰め込まれていました。
多分魔石だと思いますが……私の予想が正解であるとするならば、この石はヤツの魔石ですね。
「それでは、この鍛錬用に用意したラビの魔石を使って、実際に魔法封入アイテムを作成してみましょう!」
「了解しました!」
やっぱりラビの魔石だった!
それなりの回数、手に入れた事のあるアイテムでしたので、察しの悪い私でも判りましたよー!
『まず私がお手本をお見せしますね!』と腕まくりをする感じで、グイグイと袖を引っ張り上げ始めたアルシェさん。その白くて細い腕が顕になります。
ムキムキ筋肉とかは全然見受けられない感じですので、魔法封入に筋力の行使が必要といった雰囲気では無さそうで安心です。ゲイルさんの鍛冶仕事みたいな感じで筋力もいるよ! という可能性も否定できませんでしたので。
現実でもVR世界でも、殊更マッチョな筋力については全くもって自信が無い私ですので、魔法の封入とやらが技能的に恐らくポーションと同等の代物で本当に良かった、と表情を変えず心の中だけでほっと安堵の息を吐きます。安堵アンド安堵ですよ。何言ってるんだろう私。
自分の思考に対して疑問を持ち、無言で微妙に首を捻って考え込んでいた私。
そんな非生産的な私とは違うアルシェさん、手馴れた様子で箱からラビの魔石を適当に一つ摘まみ、魔法陣板の中央にポイっと置きまして。
随分ワイルドな設置の仕方で。
まぁ……属性石みたいに爆発したりはしないだろうし、大丈夫なのかな。
その後、魔石の収納された小さいの箱のとなりに一緒に置いてあった、魔石入りの箱とは違う長方形の箱の蓋を、右手の人差し指を跳ね上げる感じでパタンと開きます。
中には……棒状の物体が何本も納められていました。
よく見ると片側の先っぽが鋭く尖っていて、細長い杭というか釘? の様な見た目をしています。
こんな物騒な品物を何に使うんだろう。
魔石にブスリ! するとか?
いや違うよね。
そんな豪快な方法を用いるなら、筋力が必要になりそうだし。
さらに魔法陣が描かれたこの板に、穴が沢山開いていないとおかしいからね。
色々と考え込みながら、じーっとアルシェさんの手元を見詰めていますと。
アルシェさんが、今度は座っている場所の後ろ置いてあった台の上から、何かジョイントが幾つも付いている棒の先に、丸いガラス板が固定されている器材を持ち出します。
さらに締め付け様のネジパーツっぽい部分を弄って、動かないようにテーブル横に挟みこんで固定させる徹底さ。
外見をぱっと見た印象だと、アーム角度を調整できる感じの、良く見るデスク用ライトみたいな見た目なんだけど。あのガラス部分を稼働させるって事だよね、あの形状。
用途が謎な器具の登場に対して、唸りつつ首を傾げている私の様子に気が付いたアルシェさん、笑顔でそのガラス部分を私の正面に持って来てくださいました。
『覗いてみて下さい!』とニコニコ笑顔で仰りますので。
それでは失礼して……と、そのガラス部分を覗いてみます。
……ガラス板の奥にあるアルシェさんの顔が物凄く大きく見えました。
うわぁ透き通るような綺麗な瞳ですね。
イヤイヤ違うそこじゃなくて、つまりなるほど!
これって拡大鏡? なのかな!?
他にも、この拡大鏡越しに魔法陣板を見ると、全体がほんのり光っている風に見えます。
何か不思議パワーが視覚化出来る! みたいな。
それっぽーい、ファンタジー風味な便利機能も搭載されているのかもしれません。
絶対高価な物だぞーコレ! 気を付けて触れねば!
緊張で震える手でその拡大鏡のレンズ部分を触らないよう、アーム部分を稼働させてアルシェさんにお礼を告げます。
笑顔で頷いたアルシェさんが、そのままの流れでレンズ部分の位置を調整し、手元の箱から物騒な細い金属棒を一本取り出してクルリと手元で一回転、魔石を拡大表示させつつ、金属棒の尖った部分で魔石表面を削り始めます。
「こう……やってー……回路を彫り込む事で封入の準備をします!」
「うわぁ……凄い細かい!」
「棒のこの部分にマナを流すと、彫り込む溝の深さ調節も出来ますよー、力は常に一定にかける感じでー、こう、マナ増減で彫り込みを調整する器材なんです! こんな感じで!」
三角形っぽい形状の図形をラビの魔石に彫り込み終わったアルシェさんが、自分の右手に保持している棒を私の前に差し出し、そう説明してくださいました。
今現在、アルシェさんの手にある金属棒はホンノリと光を纏っています。
ふむふむ、クッションを作ったときと同じ様な雰囲気でマナ流れろー! と念じる感じで行動すれば行ける、という事、で良いのかな?
試しにドウゾ! と勧められたので、恐る恐るですが私も鋭い金属棒を一本貸して頂きます。
あっ……なんだろう、金属なのに軽くて普通のペンを持っているって感じがする。
学校で勉強している際にペンを持って動かす時と同じ様に、右手の指で金属棒を保持して空中をキャンバスの様に思い描きつつ動かしてみます。
おお……これは凄い、初めて持つものなのに何だか凄く手に馴染む!?
それはつまり、イコールで高級品だ! って事じゃないかな!?
出来の良い品物って事だもんね?
あああ、あれですよもう、このVR世界に来るようになってから、私はすっかり高級品との不意な遭遇に対して恐怖を覚える様になってしまいましたよ!
高級品怖い!
私のランクに見合った物が落ち着くんです!
金属棒をペンに見立てて手に持った状態で、思わず固まりそんな事を脳内で叫ぶ私。
せめてこの金属棒一本が、私の全財産で弁償できる程度の資産価値である事を、ただただ安寧の女神様に祈るばかりです。
私の心にも安寧を齎して下さい女神様。
お願い致します。エブリシング神頼みで。
それはもう踊りださんばかりの心情で持って、心の奥底で神に祈りつつ右手の金属棒をアルシェさんに返却いたします。
私の手元から離れてしまえば安心です。
擦り付けとは違いますよ。うん。
受け取った金属棒を何とも雑に箱の中へポイっと投入したアルシェさん、再度10秒程かけて魔石になにやら彫り込むと、拡大鏡を横にグイっと退かして魔石を指で摘みます。完成、したのかな?
「これで準備が整いましたので、この魔石の容量に見合った魔法を封入します」
「容量、ですか?」
「魔石に籠められた魔力の総量や、魔石自体の材質密度、単純に大きさ等で封入できる魔法の種類や威力、効果等が制限されるようになっています!」
摘んだ魔石を人差し指と親指の間でクルクル回転させながら、左手で指折り数えつつ魔石の容量、という物についての説明をして下さったアルシェさん。
なるほど……つまりラビ君の魔石だと、あまり凄い魔法は封入出来ないって事だな!
「質の良い魔石で作ったら凄い魔法が、という事で大丈夫でしょうか?」
「その通りです! その分お値段も張りますけれども!」
左手で輪っかを作り、パチッとウィンクするアルシェさん。
そのまま人差し指と親指で摘んでいた魔石をギュっと手の平で握り締め、なにやらゴニョゴニョと呟き始めます。
パッと一瞬握りこぶしの隙間から光が漏れ……驚いた私でしたが。
その後何も起きません。
一体何が? とアルシェさんの右手を見詰めて首を傾げる私の正面で、アルシェさんがその手を開いて握っていた魔石を見せてくださいます。
「これでこの魔石に『風の刃』の魔法が封入されました!」
「えっ!? いまので終わりなんですか?」
「注ぎ込み口として回路を彫り込んで、そこに魔法を封入すると完成、という流れですので!」
そういって私に手渡された魔石は、外見は特に変わった様子も無く。
ひっくり返したり光に透かしてみたりもしましたが、やっぱり模様が彫り込まれた魔石にしか見えません。どうやって使うんだろう? と魔石を見詰めながら考えつつ、一応の確認作業を終えた私は魔石をアルシェさんに返却いたします。
「封入の安全錠は『開放』で、使用する際の合言葉は『風よ』にしてあります」
「安全錠に、合言葉……ですか?」
「コレは実際お見せした方が早いですね、ちょっとテラスの方へ」
椅子から腰を上げ、右手方面に見えていた大きいガラス戸の方へ、私を先導する形で案内して下さったアルシェさん。
外に見えたのは、白い素材の手すりで小さく綺麗に揃えられたスペースに、これまた細かく丁寧に敷き詰められた石畳、その上に椅子と小型のテーブルが一つづつ置いてある御洒落な場所。
だいぶ日が落ちてきて、ほんのり薄暗くなってきたテラスの手すりに手を付いて、縁から顔を出して周囲を見回していたアルシェさんでしたが、ちょっと離れた場所をランタンを持って歩いている人影を発見し、おーい! と口元に手を当て声を掛けまして。
声をかけた方向へ視線を向けますと、先程門の前で見たのと同じ雰囲気で武装した、非常に見た目のゴッツイ男性が二人。恐らくですが、見回り業務等でお庭を巡回していたご様子。
そんなお二人が、アルシェさんが投げかけた声に反応して、小走りで素早くテラスの方へと近寄ってきます。
うーん、寄ってこられるだけで物凄い迫力あるなぁ……この場所に私一人だったら、二人の存在感から発生する圧だけで、一目散に逃げ出していたかもしれない。
不審者まっしぐら。ご遠慮したい所存。
「いまからちょっと実験で封入魔法解放するからー、皆に危険は無いから気にしないでーって伝えておいてー」
「「了解致しました! お嬢様!」」
そんな私の内心で跋扈する、圧に屈する可能性を考慮した不安を他所に、アルシェさんから発せられた、のーんびり気の抜けた感じのお願い事に対して、物凄い超速で同時にお返事を返してきた男性お二人。
そんなお二人のうち、帽子をかぶっていらっしゃる方が、なにやら懐から薄い金属箱の様な物体を取り出し、そこに今アルシェさんから告げられた事に関して説明の言葉をかけ始めます。
んー、なんだろうアレ、トランシーバー風味な物体なのかな?
二言三言、どこかと会話するように単語を発した帽子の男性、金属箱を懐に戻すと『伝達完了いたしました!』と告げて一礼、テラスの両脇を固めるかの如く、二人左右に分かれて端の方で直立不動の姿勢をとります。見た目がやっぱり怖い。
内心ビクビクしつつ、あまり男性のほうへ視線を向けないように勤め。
アルシェさんの言葉に耳を傾けます。
「いまから、空に向かって封入魔法を開放してみますので、見ててくださいね」
「わ、判りました!」
「それでは……『開放』『風よ』」
ぎゅっと魔石を握り締めたアルシェさんが、右手を斜め上に向けて先程聞いた二つの単語を口から発します。途端に見覚えのある風の刃が空へと飛んでいって、上空で消えるのを確認できました。
思わず拍手をしてしまった私の元に、右手を握ったままのアルシェさんが近寄ってきて、その握りこぶしを開いて魔石……だったものを見せてくださいました。
先程まで形を保っていたラビの魔石は、色を失って粉々の破片になっていました。
「といった感じで、規定の言葉に反応して中に封入した魔法が発動、封入に使われたアイテムは破損、といった流れになります」
「なるほど……普通に『風の刃』を使うのとは何処が違うんでしょうか?」
「すでに完成された魔法として中に封入されているので、発動時に使用者のマナを消費しないというのがあります」
「事前に使っておいて、後で発動させるって事ですね」
魔石封入アイテムを山盛りで用意すれば、普通は不可能な連続魔法使用も可能って事だよね。
どれだけコストが掛かるのかちょっと考えたくないけれども。
きっとロマンを求めるプレイヤーさんなら、アイテムボックスぱんぱんに魔法封入アイテムを詰め込んで一気に! なんてやるかもしれないね。凄い事になりそう。
私はちょっと、お財布事情でノーサンキューだけども。ね。
「他には、封入された魔法を実際には行使できない人物でも、これならばアイテムとして利用できる点と、利用者の能力に左右されず、封入時に定められた一定の効果を得る事ができる、といった感じです!」
「ほー、そういわれると何だか物凄く便利ですね!」
「行使者のマナが潤沢であれば殊更必要なく、さらに使い捨てである、という点を除けばですけどね!」
最後にそう締めくくって、手の平に残っていた魔石の破片をぎゅっと握り締めるアルシェさん。握りこぶしの間から七色の光が、まるで隙間からこぼれる砂のように散っていき、破片は跡形も無く消えていきました。
『風の刃』なら、私でも連打出来ちゃう魔法だものね。
何とも使いどころ難しい所だね、魔法封入アイテムって。
使いどころを見極めて、っていう感じなんでしょうか。ね。
お待たせいたしました。
なるべく早めにアルシェさんパートを終わらせて、イベントへと向かいたい所存。
頑張れ、いける、いけるぞ自分!(自己暗示
次回更新予定は未定です……たぶん一週間後位かなー? とは思います。
大幅に遅れる場合は、活動報告の方に書くと思いますので。ご容赦の程を。
※ 追記 ※
ご指摘いただいた誤変換を修正致しました!




