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249話

広がる誤解の輪。

まぁ当然、お金持ちですよね。

 コーメェの柔らかさと暖かさを感じる事で心にある程度の平穏を取り戻した私。100%自然成分由来の即効性沈静クッション。流石コーメェバリヤー。


 軽く頭を振って意識を通常時に戻し、コーメェ入りの鞄を元の位置に提げなおします。

 その後、軽く深呼吸してから横目で周囲を確認してみましたが。


 会話している私たちに突き刺さってくる、他プレイヤーさんからの視線量は変わない模様。


 はははは困った……現実の私に備わっている内臓にすら、ストレスダメージが伝播しそうな位の緊張感が走ります。そういうゲームじゃないと、思うんですけどね! このVRMMOなゲームって!


 何ていう感じの、私の心の中で巻き起こる激しい精神葛藤には気が付かない様子で、さも楽しそうに笑顔を浮かべつつ会話を続けているお三方。


 普段通り大分オーバーリアクションで、ピョンピョン跳ねたり腕をグルグル回したりして、アレイアさんの言葉を聞いているアルシェさん。以前国営図書館で会話した時そのままですね。元気。


 というか……その、聞こえてくる内容に関してあのー、何と言ったら良いのか。


 アレイアさんやアルフレドさん達から発せられる、例の高性能お爺ちゃんカイムさんについての会話内容に関してはですね。

 この私の腰に提げられている、ぱっと見た感じ普通の金属棒にしか見えない、カイムさん好意で完全無料贈呈された武器に関して会話した際に、ある程度は伝えてあるので、会話に出てくる理由は判るんですよ。


 つまり、もともと私の口からある程度端折ったとはいえ伝えた内容ですので。


 正直な所、そちらの方は恐らく何やら話題にデカイ尾ひれでも付属した可能性がある? と思い至る訳です。


 でもですよ、恐らくアルシェさんが激しく誤解して脳内で捉えている可能性の高い話題について……つまり、この世界ではご高名なカイムさんと私が、相互でアレっぽい雰囲気で捉えられていると言う事実。


 いやそのですね? 実際の所、私の中で形作られている、私とカイムさんとの関係性を簡単に表現しますとですね?


 ラティアちゃんの保護者がわりで、公園で出会ったら適当に日常会話したりする仲良しなお爺ちゃん、という感じの物なわけです。一言一句間違っていません。


 でも、こうやってアレイアさん達の会話を聞いてみますとですね。


 もっと凄そう! というか師匠と弟子! みたいな!?

 英雄と後継者な雰囲気で!

 そんな感じのニュアンス含有量が、多量な感じといいますか。


 色々と脳内補完の精度が、縮尺がおかしいといいますか。


 つまり私が言いたいのは、今もお三方の会話の端々に現れている『私が凄い!』みたいな表現の部分は大半、いやほぼ全部誤解だという事で。勘弁してください。


 そういう気持ちを籠めて、お三方に色々と簡単に身振りを交えつつ言葉を投げかけた訳なのです。


 でもなんだか、私が謙遜しているだけ! という受け止められ方をされている感じしかしません。コレは私のコミュニケーション能力が不足しすぎている弊害なのか。


 すいませーん、このゲームにはコミュニケーションに関するスキルは無いのでしょうか。無いのかな。


 いやその、本当にホントウなんですいや本当!

 いや嘘!? いや違うななんと言ったら良いのか! あー参ったなー!?

 なんて風に。


 そりゃもう、VR脂汗を流し始める勢いで……微妙ーに覚えのない誇張が各所に散りばめられた感じの、物凄い恥かしい表現が多数使われている自分に対する熱い噂話を……唸り声を上げつつ、フードの端っこを引っ張り下ろすポーズで硬直しながら拝聴する事になった訳で。新手の拷問か。


 そうしている最中にふと、一体その噂話の出所は何処なのですかね!? という当然の疑問が湧き上がってきます。


 何やら……カイムさんの昔話で盛り上がりを見せていたお三方に対して、それと無ーくですが、何処でその色々と内容が膨らんだ状態の噂話を聞いたのか、という事をお伺いしてみる事に。


 すると、笑顔のアレイアさんから即座に返答が。


「街道警備に就いている同僚から聞きまして」

「えーと……街道警備……?」


 ふむふむ、街道警備ね。街道警備……街道?

 ……あっ!? もしかしてあの、あの時のアレがアレでソレになったとか!?


「もっもしかして、私が馬車に乗っていてーとか、そういう感じの内容だったりしませんかアレイアさん!?」

「ええその通りです! 騎士たちの中でも堅物として有名な、あのアレンドラ第二騎士長殿が跪いて頭を垂れた! と聞き及んでおりますよ!」


 ああああああ! あれだ!

 あの時に発生した事件が、まさかこんな場所にまで伝播していたとは! フワモ一生の不覚!


 いやでも、だって、こんなの回避不能ですよね!?

 あなたも、そう思いませんか!?


 思わず両手でガシっと頭を抱えてヌフゥ! と唸り声を上げてしまいました。

 いかん、コーメェを摂取して落ち着こうモフモフ、モフモフ、モフ。


 ふー……柔らかい。落ち着け、落ち着くんだ私。ステイ、ステイ。


 流れ出ていない筈の汗を拭うように、思わず腕を額に擦りつけ、また深呼吸。


 その後、ある程度落ち着きを取り戻した私は、アレイアさんが聞き及んだと言う噂話の内容について、掻い摘む程度ですがお聞きする事にしました。


 説明を聞く前に、笑顔で楽しそうにアルフレドさんと会話をしていたアルシェさんに、まだ移動しなくても時間は大丈夫でしょうか? とお伺いをたてておきます。この後予定がありますからね。


 すると『この後は自宅に戻ってユックリするだけなので全く問題なしです!』という返答を頂く事が出来ました。ならばまだ会話を続けても安心でしょうか。


 よーし! と意を決して気合を入れなおし。

 対ショック体勢を取る感じで、ぎゅっとコーメェ鞄を抱え、アレイアさんから噂話の全容を色々お聞きしたのですが。ですが。


 まぁーなんでしょうかね!? 色々と尾ひれと尾ひれが連結して、奇妙な物体になっているんじゃなかろうか、と心配になってくるような内容で。蛇腹魚みたいな。キモイ。


 どうしてそういう事になったのだろうか。情報が錯綜しすぎでは。


 そうこうして、アレイアさんやアルフレドさんから入手した、私が街道で起こした事件についての噂話内容を掻い摘んで説明しますとですね。


 何故か、私とカイムさんがほぼ同格の存在である、みたいな雰囲気で。あり得ん。


 他にも、今まで様々な騎士や王族、その他有力者から懇願されても『面倒だ』と一蹴して頑なに弟子を取らなかったカイムさんが、初めてとった弟子である! とか。えー……そんな逸話が?


 いやいやだってですよ!? 正直な所、弟子っていうより成り行き任せ100%な雑っぽい雰囲気で、しかも公園でラティアちゃんと一緒にキャッキャウフフ! しながら棒を振っている感じの修行とは一体……と呟いてしまいそうな日常ですよ? ねぇそこの所どうなの?


 他にも、私が正当な鬼神の後継者であり、カイムさんが開発して独自に使用していた特殊戦闘技術の伝道者である! とか、そういった内容を激しく誇張された表現で言われていたり。


 うん、正直そんなのお断りですからね!?

 そのですよ、今の私は日々ポーションを作って収入を得て地味に暮らしている、名も無い一般冒険者Aですからね!?


 思わずその場に崩れ落ちそうになりながらも、頑張って誤解を解くべく、色々と身振りを交えつつこういった感じでそういう事実は無いんです! 誇張表現が過ぎるんです! と覚束ない言葉を駆使してアレイアさんやアルフレドさん、アルシェさんにも説明をしましたが。無事に伝わってくれたのだろうか。


 激しい運動で息を切らす勢いでもって一気に説明を終え、皆さんの反応を窺います。


「な、なるほど……事情は把握しましたが……ですがその、カイムハイス様から武具を直接賜った、というのは事実で問題ないですよね? フワモ様」


 アレイアさんが、以前お見せした際に非常に反応の良かった、私の腰に提げられているカイムさんから頂いた棒武器に視線を向けながら、確認する様にゆっくりと一言。


「えっとはい……ソレは問題なく本当です!」

「それでしたら、カイムハイス様から直接戦い方について教えを賜っている、と言う部分は……どうでしょうか?」

「あー……事実、ですね、はい」


 あれ、なんだか雲行きが怪しい気がしてきた。


「カイムハイス様を愛称でお呼びする仲、だという点は」

「えと……事実、だとオモイマス」


 アレイアさんから投げかけられる確認の言葉を一つ受けて答えるたびに、自分でもアレオカシイナ? と思い始めた私。そんな私とアレイアさんの会話を、腕組みをして静かに聞いていたアルフレドさんが一言。


「あっは! それって実質、噂どおりなんじゃないですかね! フワモ様!」


 私の言葉が、尻すぼみっぽい感じで小さくなっていったタイミングで、爽やかなイケメン笑顔を浮かべながら私の横に歩み寄ってきて、ポンポンと優しく私の右肩を叩き、さらに親指をビシっと立ててバチン! とウィンクまでしてそう断言して下さいました。ええ。無駄に爽やかに。


 ……ああああああ! どうしてこうなったぁ!!


 思わず、鞄に納まっているコーメェのお腹部分に顔をめり込ませ、悶絶モフゥモフゥ。

 コーメェが『だいじょうぶ?』と私を心配してくれる言葉をかけてくれました。うん、ありがとうね大丈夫だよ私頑張るよ。


 雪の様に降り積もった疲労感に苛まれながら、コーメェを摂取しつつ考え出された結論は。いわゆる応急処置。


 そう、これ以上誤解が広まらないように、大人しくしようね私、と言う判り易い事実。


 あと、アレイアさんとアルフレドさんのお二人にだけでも、これ以上は誤情報が紛れ込んでいる噂話を流出しないで貰う様に、お願いする事でした。


 私のお願い事に対して、快く了承の返事をしてくれたお二人。んーイケメンズです。


 ひとまずは、噂話に対しての考察はこの辺りで留めておくとしましょう。

 というか、これ以上この事について議論を繰り広げると、今現在も興味深げに私達の方を眺めている周囲のプレイヤーさん達に、私という胡散臭い存在が認知されてしまう可能性が高まりすぎてヤバイ。


 そうヤバイのです。

 ヤバイ以外の表現語彙が喪失するくらい。

 ヤバイ。ヤバイの。


 という事で! この話題については! 終了! 

 私の精神力がある程度の強度を保っているうちに、何故にアルシェさんとお二人がこんな場所で会話していたのか、という普通にお聞きしたい話題でもって、少々強引にですが会話内容の転換を図ります。


 そう、普段は神殿前でお仕事をしている筈ですからね、このお二人は。

 私の問いに対して、笑顔のアレイアさんから返答が。


「普段からエウゲンストール様はお仕事が終わった後、中央通りを利用して帰宅なさるのですが、毎回神殿前をお通りになるんですよ」

「そうそう、それで今日もお疲れ様ーの挨拶を交わした訳なんだけどさ! まっすぐに帰宅しないで広場で人と待ち合わせ、なんて話を聞いたからじゃあ一応! って感じで護衛っぽく付き添ってたっていう事!」


 アレイアさんの言葉に続いて、アルフレドさんがクイっと顔を傾けながら笑顔を浮かべ、軽く周囲を見回す感じで仰いました。街中なのに護衛に就いたりするんですね?


 もしかして危ない人でも周りに居たりするのだろうか……なんて思って、私もフードの端から周囲を見回してみましたが、素人の私では良く判りませんね。

 そんな私の様子に気が付いたアレイアさんが、続けて言葉を口から紡ぎます。


「特別このあたりが危険、という訳ではないんですよフワモ様」

「あれ、そうなんですか?」

「祝福の冒険者様によって活動しているエルフ族が増えた今ですから、フワモ様にとっては余り気にならない事なのかも知れないのですが……実はエウゲンストール様のような森から出向なされているエルフの方々は全員、立場上は国賓という扱いになりますので」

「簡単にいっちゃうと、違う国からのお客様! ってことですフワモ様!」


 アレイアさんの説明に続いて、アルフレドさんが腕組みしつつ判りやすい説明をしてくださいます。

 へー……その流れで護衛についた、みたいな感じなのかな。

 色々と複雑な部分があるんだね。立場上って奴なのでしょうかね。


 アルシェさんって凄いんだなー! なんて思いながら、当の本人へと視線を向けますと。


 私の視線を受けて、焦った様に両手を正面に突き出しブンブン振る、確か何度か見た事のある特徴的な動きを見せ、早口で話し始めるアルシェさん。

 

「イヤイヤその、国賓なんて言っても私の家、エウゲンストール一族は技術屋ですし! 一応『始まりの十席』に連なる『ナルザ』の名を冠して居ますが、盟約により権力とは無縁ですからハイ!」

「な、なるほど、そうなんですか」

「そうなんです!」


 正直、良く判らない単語が多分に含まれていましたが、アルシェさんから何となく先程の私が発していたモノと同じ様な『ワタクシ無駄に誤解されたくないのデスよオーラ』が発せられている雰囲気を感じましたので、空気を読んで平穏ニュアンスで同意しておく事にしました。


 つまり普通のエルフさんです! という事で良いのですよね。

 普通のエルフって何だよ、という疑問は地面に埋めておく事にします。安らかに眠れ。


 そんなこんなで私とアルシェさん、二人で顔を見合わせて頷きあい、そして何となく笑いあいます。えへへ。


 会話に区切りがついた所で、既にアルシェさんの目標である私との待ち合わせが完了している状態な訳でして。


 護衛兼、会話相手としてアルシェさんにくっ付いていたアレイアさんアルフレドさんのお二人は、普段の任務へお戻りになるとの事。それならばお見送りですね。是非お仕事頑張ってください。


 此方を振り返りながら手を振りつつ、安寧の女神様の神殿入り口へ戻っていくお二人の後ろ姿を見送った私とアルシェさん。ソレでは早速! と半ば周囲の視線を振り切る形で移動を開始します。


 周りで会話していた不特定多数のプレイヤーさんっぽい方達が、興味深げに私とアルシェさんの移動する背中に視線を向けているのを視界の端で確認しましたが、見て見ぬ振りをする事にします。

 ワタシハ ナニモ ミテイナイノデス。


 注目される事によって発生した緊張感によって、正に棒といった感じでガチガチに硬直した関節を無理矢理動かし、アルシェさんの後ろについて歩みを進め。

 神殿横の広場から、中央の噴水から西に向かって移動します。

 心臓が痛い気がする。VR心臓に負担が、ぜぇはぁ! 


 私やアルシェさんの様子を見に、後ろにくっ付いてくる様なプレイヤーさんは、今の所居ない様子……はー、なんとも心臓に悪いです。


 それにしても……あれですね。

 改めて気が付きましたが、こっちの方には全然足を伸ばした事がないですね。


 確か……西門には馬車を停めたりする所があるんでしたっけ?

 他には、定期馬車に乗ったりする事も出来る、なんて事を聞いた記憶も。


 落ち着かない気持ちを紛らわすように周囲を見回しながら、以前に山岳地帯へと移動している最中に乗せて貰った、私の内臓に痛烈なダメージを残す原因となった、先程の会話に現れた例の噂に登場する馬車の持ち主である、マークさんから聞いた話を思い出しました。


 お元気でしょうかね、マークさん。


 きっと今頃、元気に木を切り倒してるのかなー?

 あの頑丈そうで大きいお馬さんとまた楽しく触れ合いたいなー、何て物凄い雑な想像をしながら歩くこと数分程。


 町の南東から少し奥の方へと入った所に続いていた、人通りの少ない道を通り……私と違って凄く慣れた感じで、一歩先を進んで行くアルシェさんの案内に密着して移動する事で、無事に迷わず目的地っぽい場所へと到着した訳ですが。ですが。


 道を移動している最中にも、激しく存在感をアピールしてきていたソレを目にして立ちつくす私に、笑顔で『到着しました!』と此方に振り返り、告げてきたアルシェさん。

 その言葉に対して反応する形で、半ば無意識にバサリと被っていたフードを外し、目の前に広がる光景にしっかりと視線を向けた私。


 私の前に聳えるのは……ザッツ! ファンタジー! と叫びたくなる程の超豪華なお屋敷で。庭の中央に噴水まで見えますよ。


 高く聳える塀に据え付けられた巨大な格子状の門の両脇には、完全武装した如何にもとと言った感じな厳つい顔の男性が二人、睨む様な強い視線で周囲を見回すようにしながら直立不動で立っておりまして。

 さらに門の脇の辺りに、屋敷の塀と一体化する形で詰め所の様な物まで。


 その光景に思わず硬直……まさに映画や物語の中でしか見聞きした事の無い様な、そのお屋敷の規模に驚きすぎて。

 あんぐりと口を開いた状態で、威圧感たっぷりに正面に聳える巨大な格子状の門を透かす様に、奥に鎮座している大きなお屋敷を眺める事しか出来ない私。ドウイウコトナノ。


 そんな私の様子とは裏腹に、バッと素早い動きでもってキッチリ90度の角度で、アルシェさんに向かってお辞儀をした門番っぽいお二人。


 彼らに対して、アルシェさんは『ただいまぁー』とゆるーい口調で声をかけます。


 その後、スタスタと気安い雰囲気で歩を進め、詰め所に控えているこれまた強面の男性に、軽く挨拶する感じで右手をヒョイっとあげたアルシェさん。


「やほー戻ったよー」

「お帰りなさいませお嬢様! ただいま開門いたします!」

「今日はお客様を連れてきたから、各所に連絡宜しくね」

「ははっ! 了解いたしましたお嬢様!」


 良く通る大きい声で、アルシェさんに返答した強面の男性が、詰め所の奥に引っ込むのとほぼ同時に。


 軋む様な微かな金属音を立てながら、巨大な格子門が左右に割れる感じで開き始めました。


 あー……もうあれだ。

 

 まるで映画の一シーンみたいで。

 私ってば、場違い感。


 今更ながら、先程アレイアさん達から聞き及んだ、アルシェさんが国賓である! という言葉の意味する所に理解が及び始めた私の脳みそ。スローリィ過ぎたよ。手が震えるよ。


 どうしたら良いのか自分では思い付かず、ただ正面を眺めたまま……ぼんやりと立ち竦む私の手をアルシェさんが掴んで引っ張り、ゆっくりと開いていく門の隙間から慣れた感じで塀の中へと足を踏み入れます。


 『ささ、フワモ様こっちですこっち!』と笑顔を浮かべて、完全に脱力モード半自動運転状態の私の手を握って引き、行動を促してきます。


 流れる水の如き状態で門の隙間を通り抜ける際、両脇にたっていた門番さんにペコリと頭だけを下げる感じでお辞儀して『お、お邪魔します』とご挨拶だけでも、と強引に首だけ稼働させましたが。

 スッ……と同タイミングで静かに此方へ顔を向けたお二人、ニカッ! と白い歯を見せる感じで笑顔を浮かべ『いらっしゃいませ! どうぞごゆっくり!』と大きい声でお返事してくださいました。


 ……あれっ! 外見とは裏腹に、意外とフレンドリー!?


 そんな、この場所とは余り関係のない事で驚いた私は、アルシェさんに保持されたお荷物状態で、お庭にあつらえられた石畳の道をヨロヨロと踏みしめ、屋敷の方へと移動するのでありました。

お待たせしました、更新完了です。

眠い頭で執筆しましたので、もし誤字脱字ありましたらご一報下さいませ。


※ 追記 ※

そりゃもう、色々と大量にゴリゴリ弄ったり追加したりしました。

数千字増える程度に(何


ローカル保存している、なんていう奇特なお方が居ましたら差し替えて下さると幸いです(ぇー

あれです、寝ぼけた脳ミソで執筆するものじゃないですね。

見返すと気になる所だらけだ(汗

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