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024 豆を食べつつ 皮算用

ウサギさんとバトりに行くフワモさん


※ 活動報告という名の駄文を書きましたので、良ければチラッと見てやって下さいませ。

「そうだ! ポコ豆を購入したいのですけれど」


 お金も手に入った事ですし、我が大親友であるラティアちゃんお勧めの豆系スナックを忘れないうちに購入しておきましょう!

 VRゲーム内なら幾ら食べたって太りませんから、スナック菓子だって食べ放題ですよ! 


 そのお菓子を大量に買うお金があればですけどね!


「あらま、ウチで売っているって何処で聞いてきたのかしら」

「ラティアちゃんっていう女の子と、さっきまで一緒だったんです」

「ああ、ラティアちゃん。よくオヤツ代わりにウチで買っていくのよねぇ」


 ラティアちゃんの名前が出てきた事に対してニコニコ笑顔を浮かべつつ、よいしょと掛け声をあげてメディカさんがカウンターから立ち上がります。

 少し奥に引っ込んでいったと思うと、戻ってきたときに手に小さい茶色の紙袋を提げていました。


「はい、ポコ豆一袋ね。1ゴールド頂きますよ」

「わー、安いですねー」

「材料が安いし多く手に入るから、お値段はそんなに高くならないのよ」


 ポコ豆の入った紙袋を大事に受け取りますと、早速先ほど頂いた布袋からお金を取り出します。


 えーっと、どれが1ゴールドなのかな?


 布袋の中身をジャラジャラっと全部手のひらに出してみますと、少し大きめの硬貨が一枚にそれより一回り小さい硬貨が8枚あります。

 これは大きいのが100ゴールドで小さいのが10ゴールドですね。


「じゃあ、これで清算お願いします」

「はいはい、お釣り9ゴールドね」


 メディカさんは、慣れた手つきでカウンター下に10ゴールド硬貨を仕舞いこむと、硬貨を5枚私に差し出してきました。

 えーと、コレは5ゴールドと1ゴールドの硬貨かな。見た目を覚えておかないとね。


「痛みにくいお菓子だから一週間は大丈夫だけど、湿気るとサクサク感が無くなっちゃうから早めに食べてねぇ」

「はい! ありがとうございますー!」

「うん? 祝福の冒険者のアイテムボックスなら、中に入れた物の時間劣化は無いじゃろ?」


 なにやら知っていて当然、と言った風にカイムさんが私に新事実を教えて下さいました。

 ええ? アイテムボックスの中って時間止まってるのかな? 初耳なんですけど!?

 もしかしてまたメニューの何処かに説明でてるのかな!?


「そ、そうなんですか?」

「うむ。温かい食べ物等もアイテムボックスに仕舞っておけば、熱々の状態で持ち運べて、出先で温かいまま食べられるぞぃ」

「ええええ、まったく知らなかったですよ!」

「まぁ何ともお嬢さんらしいというか、知らなかった事に関しては予想通りといった感じかのう」


 行動パターンや思考パターンを、カイムさんに見切られている気がします。

 いまだにメニュー内部を詳しく見ていない私が悪いのだとは思いますが。時間が有る時に今度こそ確認ですかね……


 もしくはログアウトした後に、公式サイトにでも出向いて情報があるか確認してみましょうか。

 ゲーム説明ページとか存在してくれれば良いのだけれど。


「いつでもサクサクのポコ豆が食べられるわねぇ」

「そうみたいです」


 それでは、湿気ってしまわない様にポコ豆をアイテムボックスへ仕舞っておきましょう。


 アイテム名は【炒ったポコポコ豆の袋】となってますね。


材料の名前がポコポコ豆なのか。略してポコ豆。ポテトチップスがポテチみたいな感じですね。

 ジャラジャラと手に持ちっぱなしだったお金を、纏めて布の袋へと放り込みます。折角の初任給(?)紛失すると大変です。


「ここでの用事は済んだようじゃし、そろそろお暇するとしようかの」

「そうですね。それではメディカさん、お手数お掛けしました。今度またポーション持ってお伺いします!」

「はいはい、お嬢ちゃんも気をつけてねぇ」


 メディカさんにペコリと頭を下げてお別れの挨拶を致します。本当にありがとう御座いました。

 カウンター向こうでメディカさんも笑顔でこちらに手を振ってくださいました。


「さてと、それではお嬢さんともこの辺りでお別れかの」

「カイムさんも、本当にお世話になりました!」

「なんのなんの、これしきの事何でもないわい。気に病むというのなら、しっかりばっちり恩に着てくれて良いからの!」


 カイムさんがヒゲを擦りつつ何度か頷いています。

 あざとい呟きは華麗にスルーしておきましょう。


 お店を出た所でカイムさんとお別れをいたします。ちらっちらっと此方を見つつ歩み去っていく(突っ込みませんよ?)カイムさんの後姿をお見送りしまして、私は中央通り方面へと戻る事にしましょう。


 とりあえずマップを表示させていない状態で、迷わずに噴水前まで戻る事に成功いたしました。

 この辺りは一々マップ確認しなくても、普通に移動できるようになりたいですね。


「そうだ、とりあえずポーションの練習クエストを完了させないと……」


 ラティアちゃんと一緒に公園で終了させた、練習クエストの終了処理パネルを再表示させるためにメニューを開きます。

 確かこの辺りに……ありました『クエスト』というメニュー項目。


 文字を突いて見ると『練習クエスト【調薬】』と書かれた部分が点滅していますね。

 もう一つ【革細工】のクエストが表示されていますが点滅はしていません。

 こちらは全然内容を進められていないですからね。


 ひとまず調薬のクエスト部分を突きます。


====================================

 練習クエスト【調薬】その2


 クリア条件 ※ ポーションを作る ※


 無事ポーションを作成する事に成功し、クリア条件を満たしました!

 【調薬】の練習クエストはこれにて終了となります。

 何度もスキルを行使する事によりスキルのレベルが上昇しますので頑張って下さい!


 ※調薬を楽しむヒント※ マニュアル調合で作った薬品のレシピは『登録』することで次回からリストに表示されるようになります!


 手順の簡略化、短縮化になりますので有効活用してください!

====================================


 マニュアル調合からの『登録』ですと?


 なにやら興味深い一文がクエストの最後に表示されておりました。

 練習クエストクリアの報酬はこのヒントなのでしょうかね。


 次回は材料を沢山集めて他のポーション類を作成したり、マニュアル調合にも挑戦してみましょう。自分の手で集めれば材料費はタダですからね!


 では【革細工】クエストも進めないといけませんし、再度北門から平原へと向かって【ラビの毛皮】を入手しに行きましょうか!

 おっと、その前に先ほど購入したポコ豆を、ちょっと頂いてみましょうね。

 初収入で購入した初食べ物です。


 ポリポリ。


 うん、やっぱり口当たりも悪くないですし美味しい。


 ポリポリ。


 お菓子をチャージして気合を充填させましたし、戦いの場へと向かうとしましょう。あのウサギさん達は私の糧となるのです!

 やる気に満ちた私は意気揚々と北門へと足を運びます。


 そうだ、ガルドスさんにポコ豆差し入れてあげようかな?

 あっ……お仕事中に食べ物って大丈夫なんだろうか。

 その場の流れで確認しよう。


「ガールドースさーん、ご機嫌いかがですかー? ポコ豆どうぞー!」

「おいおいおい、唐突に現れたと思ったら、いきなり何事だ!?」


 背後からコッソリ忍び寄ってポコ豆の袋を差し出したら、ガルドスさんがビックリして振り返ります。


 ふっふっふ。不意打ち成功ですね。武器は豆だけど。


 ガルドスさんは両手が塞がっている状態でしたので、持っている紙袋に手を突っ込んで豆を取り出し、目の前に構えます。

 ガルドスさんも察していただけたようでしたので、口の辺りにポコ豆を投げて差し上げました。


 おお!? ナイスキャッチ! 慣れてる感じがしますね。


「んむ、うめぇな! なんだい? また北の平原へお出かけかい? 頑張るねぇ」

「ガルドスさんの助言のお陰で、無事にポーション作成することが出来ました! まだ時間もありそうなので、これから【革細工】のクエストに必要な【ラビの毛皮】を集めに行ってきます!」


 日の高さを見るに、恐らく夕方前といった所でしょう。どこかに時計でも無いものでしょうか。


 そういえば、確かゲームにログインした時間は現実で十八時だった筈なのですが、こちらでは今現在何時なのでしょうね。

 ログインした時間とこちらが同じ時間の流れなのであれば、もう日が落ちて真っ暗になっていても良い筈なのですけれど。


 リアルの方とは時間の進み方が違うのでしょうか。

 これも後で確認しなければならない懸案ですね。


「いやぁ祝福の冒険者様は勤勉だなぁ 全く頭が下がるぜ。怪我しない程度に頑張ってな!」

「はい! では行ってまいります!」


 ガルドスさんのご声援も頂けました。


 私が勤勉かと言われると、ちょっと首を傾げるしかありませんけれど。迂闊な事が多すぎるのです。

 それに普段の私ならば、コレだけ動き回ったとすると絶対ヘトヘトになっている筈なのですが、今現在まだまだ身体に力が残っています。

 持久力に難があると言われている狐人でもこれだけ動けるのですから、体力自慢の方はどれほどの動きを見せるのでしょうね。


 それでは私も体力のある内に、ラビの毛皮を手に入れるべく、ウサギさん達を棒の錆びにして差し上げましょうか!

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