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235 確認 終了 と 可愛い 遭遇

新たなるプレイヤーの接近。

微妙に単語を呟く感じで話す子です。コミュ障では無い模様。

もうコーメェがハーレム主人公で良いんじゃないかな(暴論

 弾んで移動しているコーメェのその動きを傍から見た場合、どういう感じになるのだろうか? と言う今更ながらな話題について少々考えてみたのですが。


 町の中央通りや建物の中みたいな人が多い場所では、私にくっ付いた状態で一緒に移動することが多かった筈ですので、怪奇現象を目撃! あの弾む白い物体の正体に迫る! みたいな特別番組っぽい状況にはなっていないと思うので……多分大丈夫かな?


 そもそも、ある程度の空間が確保できていない場所だと、コーメェ特有の移動方法は活用できませんし。


 でもあれだね、スキルの詳細見てると判るけど。

 コーメェって山登りとか得意そうだよね。ピトっとくっ付くし。


 実際の四足歩行の動物で、壁に吸着するようなのは流石にいないと思うけれど、山登りが得意そうな所だけを鑑みると、山羊っぽい部分? が見え隠れしてるのだろうか。


 本物の山羊に怒られるかな。まぁいいや。


 脳内でコーメェが崖に張り付いて上っている場面を想像してみましたが、何処から見ても白い毛玉がよじよじとくっ付いた状態で上がっていく光景にしか見えない。


 足でくっ付くって事は。

 つまり、見上げた状態で見た場合は……恐らく背中かお尻しか見えない筈ですし。

 多分毛玉っぽくない部位と言うなら、尻尾くらいかな。


 そもそも首っぽい場所も毛に埋もれ気味で、全身が丸っこい状態です。

 可愛いから問題ないのですが。

 よくコレで機敏な動きが出来るなぁと、今更ながら感心するばかり。


 そんな私の毛玉的考察など気にする素振りも見せず、両目を閉じてお腹を上にして横たわっているコーメェ……果てしなくだらしない。思わず撫でてしまいますけどモフモフ。


 よし、スキル確認の続きをしましょう。あまり長時間ここでコーメェと一緒に楽しくモフモフ天国に浸っていても、残された時間が刻一刻と減少していってしまっていますので。


 えーっと先程見たのがコレだから次は……【ランニング】というスキル。

 これも、見た目だけで何となく効果が予想できますね。



【ランニング】


 中距離および長距離を一定の速度で移動、及び走る事を補助するスキル。


 乗り物を利用せずに移動する際、消費するスタミナの消費軽減。

 スタミナの最大値に補正小。走って移動する際の行動速度に補正小。

 足を止めて戦闘を行なう際、戦闘中のスタミナ回復速度に補正小。

 補正値はスキルの成長と共に増加する。


 靴系装備品による、装備上昇ステータス補正の恩恵を受ける事が可能。

 装備重量が個体制限から一定量を超えていると、割合で効果が減少する。



 普通にランニングな感じの説明文ですね。

 これは、私が取得しても色々と活用できそうな雰囲気を感じるスキルです。


 いやまぁ……もし現実の私が走った場合となるならば、ランニングの日課なんて三日坊主の話では無いとは思うのですが。美容健康に非常に宜しい、なんて言われても多分断念するくらいにはグータラ。諦めの境地で。


 でもVRゲーム内での活動方法で考えるとするならば。


 実際問題、今までこのゲーム世界で活動して来て、自分の足以外で移動したのって……運良くマークさんの馬車に乗せて貰った時と、あの毛並みの固めなイノシシ君の背中に乗せて貰った時位ですし。


 基本は、自分の足で移動っていうのが普通でしょうからね。

 騎士さん達はお馬さんに乗っていましたが……私が乗馬? 想像できない。


 ちょっと後でスキル取得を考えてみようかな。コーメェとお揃いフフフ。

 えーっと次は、と……ああ出ましたよ【運搬】スキル!

 コーメェがリアルタイムで絶賛鍛え中の物運びスキルですね。



【運搬】


 己の肉体、または補助器具を用いて物品その他を持ち上げ運ぶ為のスキル。

 筋力、持久力に影響を受ける。


 スキルレベルに対応した重量分の加重を、他の行動その他へ影響を及ぼさない物として活動する事ができる。

 スキルレベルに応じて、筋力と持久力に補正微。


 装備重量の個体制限最大値に補正中。スタミナの最大値に補正小。

 生き物を運搬する際、対象に抵抗された場合の合否判定に補正中。


 プレイヤーを運搬する際、運搬されているプレイヤーから【騎乗】スキルの影響を受ける事が可能。



 へぇー何だか色々な効果があるんだねぇ【運搬】スキル。


 でも見た感じだと、イメージ通りの効果な気がします。

 基本的に、物を運ぶ際に便利になるっていうスキルだよね。

 沢山持っても、普段通りに活動できるって感じかな。


 これは……アイテムボックスを使用できない場合は便利かもしれないけれど、基本的にプレイヤーだと必要ないんじゃないかなぁと思うのですが。


 素人ゲームプレイヤーの、浅はかな考えなのでしょうか。


 例の危険区域である『魔の域』とやらに冒険へ繰り出す際には、必要になりそうと言うか必須なものになりそうな雰囲気ではありますけれど。


 私の脳内には、微塵もそんな場所へ行く気持ちは存在しておりませんし。

 頑張るのと無茶をするのとでは、意味合いが全く違いますので。


 まぁこのスキルの有用性その他は、実際にこのスキルを所持しているプレイヤーさんに、直接お伺いする位しか疑問の解消方法がないので……この場で悩んでも仕方が無いですかね。

 コーメェの所持しているこの【運搬】スキルも、私が気紛れで背中にポーション瓶をブスリ! しなければ覚えなかったスキルだと思いますし。


 能力に少し補正が入るみたいですし、不必要になる感じはしませんが。


 何となく、私が山の様な荷物を背負ったり手に持って行動している場面を想像すると、物凄いシュールさが炸裂しすぎて、想像の世界での出来事であるにも拘らず、思わず目を逸らしてしまう位には似合わない。アンバランスさが津波のように私を攻め立てる。


 良いんです、私は加護のパワーで楽して生産をするのだ。


 アイテムボックスが使えない様な荷物が現れた際には、それをコーメェが運んでくれる様になるかも知れないし! このままコーメェが【運搬】スキルの訓練を頑張ってくれたらだけど!


 そんな私の気持ちに反応したのか、休憩中だったコーメェが目を開いて即座にミョン! と背中を使って器用に弾み、空中でクルリと足を下に向けて華麗に地面へとその四本の足で着地します。


 おお! これがアレでしょ!

 【軽業】スキルでしょ! 格好良いぞ!


 まさに曲芸師の様な動きに、両手でパチパチ拍手を返しますと、得意げなコーメェが背中にポーション瓶を挿して欲しいと伝えてきましたので、先程テーブルの上に避けて置いてあったマナポーション群を、先程の新種コーメェモードと同じ状態になる感じでプスプスリと突き立てます。


 あっという間にポーション瓶剣山コーメェの再誕です。訓練ガンバ!


 ふんす! と鼻息も荒く気合を入れたコーメェが、先程と同じ感じで休憩所の周りをグルグル周回し始めました。そのうち私も運搬出来ちゃう位の、パワフル毛玉になってくれるかも。期待しておこう!


 短い四本の足でポコポコと地面を踏みしめて、力強く移動を続けているコーメェの可愛い尻尾を眺めつつ、次のスキル確認へと移ります。

 いやぁー本当に多いねぇーコーメェの所持スキル。


 えーっと次次……あれっ【採取】スキル、ですと?

 そんなのあったんだ!?


 私持ってないけれど!?

 生産をする身としては、未所持で活動を続けていても大丈夫なのかな!?

 ま、まぁ内容を確認しよう!



【採取】


 その名の通り、素材その他を採取する際に補正及び補助をしてくれるスキル。

 スタミナの回復速度に補正微。地形効果の抵抗値に補正微。

 採取できるかを判定するスキルなので、アイテム詳細等の判別には無効。

 

 採取出来そうな物、及びポイントに意識を向けると反応を感じる様になる。

 スキルレベルが上がると判別できる物が増加する。

 極稀に現れるチェック判定を大成功させると、取得物増加、または品質が向上する可能性がある。



 ふーむ? 自分で使用する素材以外の材料を沢山集める場合には便利なスキル、って感じで良いのかな。


 多分だけど【採取】スキルを持ってなくても、薬草とかキノコとか【調薬】スキルに関するものなら今まで問題なく採取加工出来てたものね。


 あれかな、お店で売ったり知り合いに贈呈したり、露店で販売するような素材活用法をする方ならば、こういう万能っぽいスキルを取得して素材集めした方が、上限のあるスキル欄を圧迫しないで良いのかも?


 スキルをつけたり外したり出来るプレイヤーだからこその考え方、かも知れないけれどね。


 そういえばコーメェって、覚えられるスキルの最大数って決まってるのかな。そもそもこの世界の住民さんはスキルの付け外しなんて出来ないだろうし、もしかしなくても上限無しとか?

 これは今度、沢山スキルを所持していそうな、物知りカイムさん辺りに聞いてみても良いかもしれないね。


 何て事を考えつつ、何となーくコーメェの訓練作業を眺めようと視線を上げた際。


 ……ふと周囲に視線が向く形になったのですが。

 そのですね、何だか周囲に人が多くなってきている様な。


 どうみても、住民さんではなくてプレイヤーさんっぽい、凄く見覚えのある格好……一番最初に私が身に付けて服と同じ様な見た目の方々が、数人単位で固まりつつ会話しながら周囲を見回して移動していたりするのですよ。


 普段この公園って、子供達が遊んでいる位で人が全然いない場所なので、色々と最初は驚いてしまいましたが……そりゃそうだよね、新規のプレイヤーさんが先程大量に、このVRゲームの世界へと降り立っている訳ですから、知り合い同士で集まって町の中を散策したり、しますよね普通に。


 公園の植え込みに手を突っ込んで『うぉー感触がすげぇリアルだ!』『どれどれ、おおーすげぇな!』何て事を、ワイワイ楽しそうに言いあっている男性の一団に視線を向けて、そんな事を考えておりますと。


 砂場の辺りで、周囲をキョロキョロと見回している女の子に意識が向きます。

 あんな所で、何をしていらっしゃるのだろうか。

 特徴的なお耳の兎人なプレイヤーさんですね。


 丁度足元を通過していったコーメェの尻尾の動きを視界の端に捉えつつ、何か砂の中に落とし物でもしたのかなー何て感じで首を傾げておりますと。


 バチッと視線と視線がかち合ってしまいまして。

 おわぁ! 見ていてすみません! 視界に入って申し訳無い!


 素早く視線を逸らし、コーメェの行く末を眺める事に専念します。

 あー良い動きだねーフワフワしてるねー最高だよコーメェーあははは。


 なんて感じで半分意識を夢の国へと飛ばしておりましたが……気が付くと、先程の女の子が私の横に来ておりまして。な、何だろうか怒らせてしまっただろうか!


 恐る恐る視線を上げますと、その女の子も何やら困っている様な表情で。

 何か数回躊躇うような仕草をした後、私に声をかけてきました。


「道を……お聞きしたいんですけれど……お時間宜しいですか?」

「あっえっと! ハイ大丈夫デス!」


 良かった、キョロキョロしてたのは現在位置を見失っていただけだったのか!

 この辺りの道なら、ある程度詳しいのでドントコイです!


 何かやらかしてしまった訳では無いと判明したので、一気に心安らか状態です。一旦メニューを閉じて、話かけてくれた女の子に対応すべく、心の中で気合を入れなおします。よっしゃこーい!


 と言うことで、改めて目の前に立っている女の子を失礼の無い程度に観察します。

 身長は私と同じ位で、何だかこの点だけで親近感を感じます。ちびっこ系女子です。


 きっと同い年位でしょうか! うふふ!


 そして黒髪のロングでサラサラのツヤッツヤ! 同じく黒くてフワフワした毛の生えた長いお耳が2本ピョンコ! と天を突く様にくっ付いております。ティムリンさんとはまた違う感じですね。


 と言うことで、対面の席をお勧めして座ってもらいまして、私も他の方に教えてもらったマップの使い方やこの場所が何処なのか、彼女の目的地であるギルドへの道順を簡単に教える運びとなりました。


「ここがこの辺りでー、えーっと、なのでココからこう行ってですねー」

「なるほど……北があちらだから……七時の方向ですね」

「えーと、まずはあの辺りから裏道を抜けて、中央通りに戻ると楽です!」

「助かりました……戦闘系で出回ってる情報は隅々まで確認したんですが……プレイできるのが嬉しすぎて、その他UIの確認を怠ってました」


 心なしかションボリしている女の子さん。2本の耳も少し萎れている感じに。やっぱりお耳って心情によってある程度勝手に反応するんだね。


 そのうち、私も耳を動かす訓練を再開しないとね。 尻尾もだけど。

 攻撃に使えなくてもある程度は動かしたいし。獣人ならではの拘りと言うか。


 等ということを、誰とも無く無言で頷きつつ心の中で決意しておりますと。


 メニューから開けるマップを眺めていた女の子さんが、唐突に身体をビクリと硬直させて……視線を足もとに向けまして。萎れ気味だったその耳もピーンと。


 ああアレかな、コーメェに気が付いたのかな?

 いきなり存在に気が付くとビックリするよね。

 さっき言ったみたいに、毛玉が動いてるような感じだしね。


 女の子が寄ってきた時点で訓練を中断し、テーブルの下で大人しくしていたコーメェに、素早く上へ登ってくるように指示を出します。


 私の足を伝って膝の上、胸の辺りまでヒョイっと登って姿を現したコーメェ。

 取り合えず、その背中にあるポーション瓶は怪しさ炸裂だから取り外しておきまして。


 よし、これで普段の普通なコーメェです。

 トッピング無しのプレーンコーメェですね。


 テーブルの上へと着地したコーメェが右前足をビシリ! と斜め上に伸ばした状態で、女の子さんへ『メッ!』と何時も通り一鳴きして挨拶をします。


 すると……何やら両手を正面に伸ばした状態で、プルプル痙攣し始める女の子さん。


「はうぁ……賢い……可愛い……ペットさんですか?」

「ペットというより相棒ですね! 名前はコーメェって言います! あっ! 私はフワモっていいます!」

「コーメェ……強そう……あっ自己紹介遅れまして……ツバメと言います」


 物凄い恍惚とした表情だった女の子さん……ツバメさんが、はっと意識を取り戻してビシっと顔を引き締め、座ったままペコリと頭を下げて、ゴツリとテーブルへ額をヒットさせた後『痛い……痛くない?』と呟いております。


 ほほぅ兎さんなのに燕さんなんだ?

 まぁお名前だから気にしないでも大丈夫か。


 そんな事いってたら私の名前だって、完全に直感と適当精神が生み出した雑ネームですものね。ははは。


 そんな余り意味のない事を考えておりましたが、どうやらコーメェの感触を楽しみたいご様子。

 うんうん、判りますよその心。思わず触れたくなるこの勇姿よ。


 一応コーメェにお伺いを立ててみましたが、何時も通りのドヤ顔&力強い頷きが。

 その毛に魅了される方々の何と多い事よ。プレイボーイだねキミィ!


 と言うことで、両手で挟んだコーメェをツバメさんに差し出し、触っても大丈夫ですよとお伝えしますと、両手でモフリとコーメェを挟んだツバメさんが、モフモフと頬っぺたをコーメェの背中に押し付けつつ『ふわぁ……感触が素晴ら……』等と呟き始めました。うん幸せそうで何よりです。


 その後、何かを思い出した感じで視線を上げたツバメさん……頬っぺたはコーメェにめり込ませた状態で、何かを呟きつつ右手を動かし始めます。あれは……あー魔法を使ってるのかな。

 あれだ、私ってすっかり付与魔法の練習サボってますよねアハハ。


 ツバメさんはその辺抜かりの無いご様子で、練習の為に一定間隔で再度使用しているご様子。

 私も見習っていかねば。頑張れ自分。

非常ーにお待たせしました(平伏

やらねばならない事があったり、寒さによる体力の低下に伴い、貧弱な心身が上手く動いてくれず。

脳内でネタを捏ね繰り回してはいました……もっと頑張ろう。


※ 追記 ※

ご報告いただいた誤変換を修正いたしました。

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