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234 スキル も 凄いよ わが相棒!

ファンシー毛玉の謎の一端がココに。

まぁ普通の生き物です。普通の。

 休憩所の周囲をポーションを背中の毛で大量に背負いつつ、訓練のように足を踏みしめてグルグルと歩き回っている、丸っこいコーメェの頼りになる小さいその勇姿を、地面に据え付けられている椅子に座って眺めつつメニューを開きます。


 えーっと確か……このコーメェのお名前が書いてある所を弄ると、内容の確認ができるんだよね。


 前にコーメェに対して命名の儀式を敢行した際に、この場所を鋭くタッチした記憶があります。何となく。そこはかとなく。


 先日行った名付けの記憶を頼りに、私のステータス画面に移りこんでいるコーメェの名前の部分に指を伸ばします。聴きなれた音と共に出現するメニュー板。うむ、やっぱり正解だったようです。


 えーっと、折角ですし確認できそうな物は一通り見ておきましょうかね。

 今現在の状態でも十分に活躍してくれている、我が相棒のコーメェですが。

 その身体に刻まれた能力その他を把握しておけば、もっと有効かつ効率的な毛玉運用が可能になるのではと。


 まぁそこに存在してくれる、それだけで私としては大分助かっているんですが。

 戦闘のみではなく、癒し効果と話し相手な意味合いで。


 よし、先日『称号』の項目を確認済みですし、今回は手始めに『従魔基礎能力』とやらの内容を事細かにチェックしてみましょうか。多分文字のニュアンス的には私のメニュー画面に表示されている能力値っぽいものが確認できるのではないかな、と思っております。それではポチっとね!


 指を伸ばして項目を選択すると、追加でもう一枚メニュー板が。


 ふむ、やっぱりコーメェの能力値を確認する物のようですが……私の能力と同じ様に棒ゲージが沢山並んでいる状態で、ぱっと見た感じでは良く判りませんね?


 私の予想としては普段の動きが素早い感じがしますので、そういった部分の能力値が高いのではと思うのですが。肉体的な性能と言う感じの。

 ざっとチェックしてみた感じ、魔力の値が一番低い位で他の能力は中々高水準を保っています。


 でも数値で表わされていなくて、ゲージのみの情報になっていますので、実は魔力が私と同じくらい高くて、その他の能力が軒並み私よりも高い、何て言う可能性も微弱ながら存在するのです。

 取り合えず全体的に高水準である! という事は判明致しました。

 可能性を秘めた生き物。それ即ちコーメェである。


 恐らく、コーメェが魔法を使う……使えるのかな? まぁ使うとしたら、ちょっと苦手であるという事は把握できましたね。


 そんな風に、私がコーメェの能力を自分なりの予想を間に挟みつつ確認していますと。


 歩行訓練を中断してフンス! と呼吸を整えた様子のコーメェが、背中にポーションを背負ったままミョン! とテーブルの上へと跳んで着地し、モフリとその身体をテーブルの上で横たえ、両目を瞑ってマッタリ休憩し始めました。コーメェお疲れ様。


 休憩中ですし、その背中にあるポーションは一旦装着を解除しておこうかね。


 何時も通り、白くてフワフワなお饅頭みたいな状態になっているコーメェの背中から、マナポーションの瓶を引っこ抜いて、落ちないよう傍らに並べて置いておきます。

 そうだ、ついでにブラッシングもしておこうかね!


 一旦コーメェチェックを中断し、アイテムボックスから先程使ったブラシを取り出して、お昼の日差しに照らされてフカフカしているコーメェの毛を整えます。

 おお、今日もしっかりと毛玉が出現しましたね。天然素材確保!


 コロコロと私の手でテーブルの上を転がされつつ、全身をブラッシングされている状態のまん丸コーメェ……目を閉じてゆったりとした状態で、されるがままになっています。傍から見ると絶対お人形に見えるよねコレ。


 何時も通りのサイズで出現したコーメェ毛玉を、綺麗にテーブルの上へと並べます。

 相変わらず、見た目はプチコーメェといった雰囲気の物体です。


 あと丁度お昼頃なので、ついでに例の大学芋を取り出してコーメェと一緒に美味しく頂く事にしました。もぐもぐ。食事は大事です。


 だらしなく横になったまま、私の差し出すお芋を胃袋へと納めたコーメェを眺めつつ、先程入手した毛玉を忘れない様にアイテムボックスへ投入保管しまして。

 お腹も一杯になり、満足げに日向ぼっこ中なコーメェの背中の柔らかさを左手で楽しみつつ、先程の続きを再開することにします。


 さてお次は……むむ!? 『所持スキル』の項目は前回もしっかり見た記憶がありますが、詳細表示を下の方へ少しスクロールさせてみますと『装備一覧』という意外な一文が。


 ええ? もしかしなくても、コーメェって装備品を装着したり出来るんだ!?

 ポーション瓶を挿したりするだけじゃなくて!?


 驚いた私は無意識で『装備一覧』の部分へ指を伸ばし。


 まぁ当然の如く、そこには『装備なし』という文字が書かれていたわけで。

 うん、だよね、何も無いよね。


 何か装備品っぽい様な物ってあったかな……やっぱり各種用途に合致した従魔専用の装備品とか、特殊っぽい雰囲気ですし、業者さんに頼んだり自分で作成しないと駄目な物、だったりするのだろうか。


 そんな風に装備品の事を考えつつ……私の左手に背中をモミモミされて、至極ゆったりムードのコーメェを眺めます。

 この柔らか毛ボディに装備出来る物……全く想像出来ない。


 首輪……ぽいのは装備出来そうかな?

 後は腕輪……足輪? なら大丈夫かも。


 私が絶賛装備中の指輪をあげても良いかも、と思いましたが……指輪だとコーメェの四本の足に填め込むには、少々サイズが小さい感じですね。


 やっぱり自作するか、作成依頼をする必要が。

 お金ないのに大変だ! 写真機も欲しいと言うのに! 


 でも装備品の装着が可能と知ってしまったら、装備させたくありませんか!?

 装備させたいですよね!? その筈です多分!


 プモプモと息を吐きつつ、気持ち良さそうに両目を瞑って仰向けに横たわっているコーメェの、毛に埋もれ気味である首の部分や、短い手足をじーっと見詰めつつ両手で撫で擦り確認します。


 うんうん、多分この辺ならば予想通りいける、いけるはず。


 こういった、コーメェ位のサイズな生き物に装備させる品物を販売している場所とか、あるのかな。ギルドとかならば色々と揃ってる筈ですし、何かしら販売してるかもしれない。


 困った時はまずギルドへ行く、コレですね。

 私も少しは冒険者プレイヤーっぽくなったのでしょうか。そう思いたい。


 まぁ装備品の事は、これ以上はココで思い悩んでいても仕方がありませんので、そこで一旦保留いたしまして。


 さーてさて、それではコーメェの『所持スキル』を確認してみましょう!

 少しだけ緊張しつつ、スキルの部分へ指を伸ばしてポチリ。


 ポン! と良い音がして新規のメニュー板が出現します。


 ソコに並ぶのは数々のスキル。

 うわぁー! 予想通りに私が所持しているスキル数よりも断然多いですよ!?

 これは、確認のし甲斐があると言うものです!


 まず一つ目は【メェの体毛】という……何と表現したら良いのか少々困ってしまう、非常に判りやすい名称スキルです。これは今現在、普通に左手で撫でてるコーメェの毛についてのスキルだよね。


 スキル詳細を見るために【メェの体毛】の部分に触れます。

 すると……唐突に何か気が付いたような感じで、コーメェがフイっと顔を上げて私の方に視線を向けました。むむ? 何だろう。


 その直後、私の眼前に音と主に一枚の表示メニュー板が、っていうかまた突然出現するパターンですか!


 心臓が幾つあっても足りなくなりそうなので、出来れば勘弁してくださいとあれほど!

 まぁ自分で勝手に進言してるつもりになってるだけですけど!


 驚かされて硬直した身体の力を、ため息を吐く感じで抜いた私は、目の前に現れたメニュー板に記載された文章を確認します。


 そこには一言『閲覧が許諾されました』と書かれておりまして。


 ……あっ! これもしかしてコーメェが嫌がったら、スキル詳細その他色々って、プレイヤーからは確認出来ない感じですか?

 一応オッケーなのか再度本人……本メェに確認してみた所、快諾の頷きを頂けました。

 それでは改めまして、確認開始!


 もう一度【メェの体毛】をポチっとね!



【メェの体毛】


 種族『メェ』の固有特殊スキル。

 武器と防具両方の特性を持ち、個体の能力値が向上すると共にその性能が強化される。


 打撃攻撃に対して強力な防御性能を誇り、落下耐性も兼ね備える。

 個体の意思により弾性を変化させ、地面や壁に接触し弾んで移動する事も可能。

 強い撥水能力も保持しており水に浮く。逆に沈む事が難しいので水中を泳ぐ事は苦手。


 弱点として火属性攻撃や刺突攻撃に弱く、ほぼ100%のダメージ効果を受けてしまう。

 一定攻撃力以上の切断属性攻撃を受けると、一定確率で体毛を欠損する可能性がある。

 定められた回復食材を補給する事で、体毛の採取や回復が可能。

 とても柔らかく滑らかで強靭、広い面積で接触する事で沈静や奮起の効果がある。



 ……何だか、文章としてみると物凄く有用なスキルだよね。

 あと何となくだけど、すっごく強そうな雰囲気を醸し出してる感じ。毛玉なのに。


 でも要するに、柔らかくてー頑丈でー水に浮くよ! って事で良いのかな。

 あと鎧の代わりにもなってくれてる模様です。

 天然の防具だね。なるほどなるほど。


 あと定められた食材、ってお芋かな。毛玉が入手できるのはお芋の効果なのか。

 毎回食べさせてなくても大丈夫なのかな。その辺りは難しい所ですね。


 次のスキルは……えー【FM-MIFα】と言う、とっても謎過ぎるスキル名称が表示されておりまして。ちょっとナニコレ判りません。

 更にはスキル名の後ろに【■■■■】って付いてるし……バグっている訳じゃないですよね?

 これもまだ未実装な部分なのかな。


 ま、まぁ説明を確認すれば何かしら判明する、かも?



【FM-MIFα】【■■■■】


 【FM-MIF】に属する【α】個体が持つ固有特殊Exスキル。

 【FM-MIFα】行使権限により、通常の【FM-MIF】固有個体より上位の性能。

 他の【α】個体との意思疎通も可能。【β】や【γ】に対しての一定権限も有する。

 【Ω】への到達個体としての効果もあり、即ち【Ω】エクスポート媒体として有効でもある。



 ははは、全然判らないや。

 謎の略称が散りばめられていて予想が付きません。


 何かしらに大して上位の性能があって、権限があって、みたいなそんな感じで。ゲーム内容には関係ないっぽい表現何だけれど、一体なんだろうねコレ。


 ええぃ! いいや次だ次!

 そのうち伏字部分が表示される可能性に賭けましょう!


 よーし、次のスキルはー【吸着行動】という物です。

 これは見ただけで想像がつきますね! そう、くっ付くヤツですよ。



【吸着行動】


 特殊ユニット固有の常時発動スキル。

 スタミナ消費も無く定めた対象に吸着可能で、ペナルティ無く平地と同様に行動する事が可能。

 他スキルの恩恵を受ける事が可能で、様々な使い道がある。


 緊急時、スタミナを消費する事により、強力な吸着を行使する事が可能。

 個体のスタミナが1割に満たない場合、スキル行使不能になる。


 この吸着行動は、物体や相手の抵抗数値を完全無視して発動する。



 うむうむ、コーメェが壁とか私の後頭部とかにくっ付いて、そのままの状態で眠ったりノンビリ出来るのはこのスキルのお陰なんだね。


 強力な吸着っていうのはあれかな、お魚釣りの時に相手を引っ張り上げる際に使ってたりしたのかな。どう見てもコーメェより釣り上げたお魚の方が大きかったしね。


 あと物凄く疲れてる時は貼り付けないみたい。

 これは……何か緊急事態っぽい何かで大変な時に起こりそうな事態だから覚えておこう!


 あと、この『抵抗数値を完全無視』って言うのはなんだろう。

 えーっと、何か……この事に関する説明っぽい言葉を、聞いたような聞かなかったような?


 ……そうだ、確か壁とか地面とか石ころとか相手に、何かしら影響を及ぼす感じの行動をした際、相手の強度の数字みたいなのを計算して比較判定するとか、だっけ?


 確か、一番ボール君がボールなのにカッチカチで頑丈! っていうのは覚えてる。


 まぁ良いや、普通なら滑って落ちちゃいそうな感じの物にだって、コーメェなら普段通りな感じで安全にくっ付けるよ! って事で良いんだよね。多分。


 えーっと、スキルはまだまだあるぞー?

 あれだなぁーやっぱりコーメェは凄いんだなぁ……何度でも言うけれど、本当に見た目はフワフワファンシーな毛玉なんですよ。癒しなんです。本当。


 次のは……何て読むんだろう。四字熟語だったとは思います。度忘れした。

 何時だか忘れましたが、見た記憶がある様な気がするのですが。

 後ろの不屈(ふくつ)の部分は読めるんですけど。なんだっけかなーうーん。


 まぁいいや、説明見てみましょう。



【不撓不屈】


 英雄系個体、特殊系個体固有の常時発動スキル。

 効果対象との戦闘中、固定数値でスタミナとマナを常時消費する。


 自分よりも強大な相手に対して攻撃補正極大。回避補正極大。

 守る対象が存在する場合、防御力補正極大。


 ライフ値が減少するにつれ、最大補正値3倍まで適応値が増加する。

 スタミナ及びマナが枯渇すると、スキル発動が停止する。



 ……これは、どう認識したら良いスキルなのか判りません。


 強い相手に対して抵抗する際に、物凄く頑張れるよ! って事で良いのかな。

 でもスタミナとマナが減っていくから、長時間は相手に出来ないとか、そんな感じだろうか。


 コーメェ一人で戦闘させたりは無いと思うし、ココに書かれている様な強大な相手に遭遇したとしても、いざとなったらコーメェを抱えて全力逃走すれば大丈夫、だよね?


 でも何だろう、これって凄くヒーローっぽい? スキルだよね。俺は負けない! みたいな感じで。きっと赤い色の戦闘服とか着てますねコレは。

 思わず、コーメェの背中をモミモミする左手の動きが激しくなります。柔らかい。


 次はなんだろう……えーっと【格闘】スキルですね。判りやすい。

 多分そのまま格闘? するスキルだと思います。ティムリンさんがお持ちのスキルですよね。手足でドッカンバッカンするアレ。


 でもまぁ一応、説明を見ておきましょうか。



【格闘】


 徒手空拳、もしくは手足等に直接付属させる武防具を使用して戦闘するためのスキル。

 筋力、器用度、敏捷度等の多種にわたるステータスに影響を受ける。

 移動、回避、攻撃速度に補正大。


 装備重量が、個体制限から一定量を超えていると行使不能になる。

 徒手空拳で一定以上の防御力を持った相手を攻撃した場合、反射ダメージを受ける。

 同時に身体行動系スキルの恩恵を受ける事が可能。

 格闘スキル適応がされない武器を所持して行使する場合、割合でスキル効果が減少する。



 うんうん、そのままのスキル効果だね。


 コーメェは武器とか持ってないけれど、例の森では虫相手にその身体一つで大活躍してたし。パンチとかキックって言うよりは体当たりが主な攻撃手段だったけど。毛に防具っぽい効果があるなら、あれも立派な格闘攻撃だよね。


 さて次は【軽業】スキルだね。何となく曲芸師っぽい?



【軽業】


 身体を上手く使用して、色々な離れ業を行使する為のスキル。

 軽業判定が行われる行動をした際に、補正大。

 難易度の高いアクションを行った場合、短時間の意識加速とシステム補正が発動し行動を補強する。

 平衡感覚も強化され、無意識に水平位置をある程度感知する事ができる。

 同時に身体行動系スキルの恩恵を受ける事が可能。



 うわーそれっぽい説明文だね!

 コーメェって普段からいつも、物凄いアクロバティックな移動方法を使用して活動してるし。弾力で移動するとかアクロバット以外の何物でもないよね。


 コーメェ的には普通な移動方法のひとつだとしてもね。

 初めて見た人からすれば、確実にひとりでに動くボールみたいに見えるだろうし。

 怪奇現象かな?

お待たせしました、十日近く間が開いてしまい申し訳無い。

次回もこのまま、コーメェの知られざる謎(?)に迫るお話になると思います。


※ 追記 ※

ご指摘のあった誤字を修正いたしました。

あと次回更新ですが、多分年明け1日になるかなー? と言う感じの予定で想定しております。

えっ年末年始はどうしてるか、ですって? 普通にやる事があって、全然ノンビリ出来ないですよ?(遠い目

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