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220 フワ毛 と 尾羽 と 呼び出し音

やっとそこに気が付くフワモさん。

だが、色々と確認する前にあんな事になるなんて(誇張表現

 私の脳内予定が安定しないのは何時もの事なので……じっくりアイテムボックス内部を眺めれば大丈夫だろうという楽観的考えで進める事にします。


 つまりは落ち着いて、慌てず騒がず平静な心持ちで静かな水面をイメージするのだ私よ。


 軽く深呼吸をした私は、今現在アイテムボックスから取り出してテーブルの上に並べられ、私の右手にも握られている、コーメェの身体から産出された円くてふわふわの毛玉を鑑定してもらう事にします。


 弾力や肌触りは中々のものですし、定期的にコーメェの毛が入手出来るなら、色々と材料事情が解消されて最高でしょう。主にクッション関係。沢山集めればコーメェ布団も作れるはず。


 まぁ基本的には【革細工】スキルで使用する事になるでしょうから、革を集めるために何時も通り多数のラビ君達が犠牲になる事は確定なのですけれども。


 他に私でも簡単に入手出来そうな革素材を知らないんですよね。


 多分ですが、どうにかして動物系等の魔物をノックアウトすれば入手できるとは思うのです。あの背中に乗せてもらった事のある、硬い手触りをもつイノシシ君の毛皮とか。あんなの倒せないですけどね。吹き飛ばされるのがオチです。


 それに深く考えず現実のイメージで革製品の材料は? といって思い出されるのが……何故かワニ皮という。


 何でこの単語が脳内に出てきたのだろうか。ワニワニ。


 テレビのCMででも聞いたのかな多分。

 自分でワニ皮製品を持つ気はないですしね。確実に似合わない。


 正直な所、現実の日常生活で革素材の品を使った記憶が無いですから。


 VRMMO世界であればこそ、ある程度お気軽に使用出来る感覚な訳で。

 作るのも自力で、材料も自力調達ですからね。


 と言った感じの、革事情についてのアレコレを脳内で捏ね繰り回しつつ、私の正面で興味深げにコーメェの毛玉を両手に持って眺め始めたリーナさんの方を確認します。


 あの反応からすると、流石に一番ボール君級の超レア物ではないという感じなのでしょう。


 むしろ余りにもレアな素材だと使うのを躊躇ってしまいますので安心したと言うか。

 身の丈に見合った素材は最高ですね。

 もし作成スキルを失敗して素材を駄目にしても、ダメージが低いですから。


 そんなあまり鑑定結果に関係ない事を思いつつ、リーナさんの挙動を静かに観察する事にします。


 ……流石に一番ボール君の時の如く、味を見たりはしないと思いますけれど。

 流石にアレを口に入れたら大変な事になってしまいそうですし。毛まみれ。


 流石に食べ物としては使用できないよね……何ていう当然の事を思いつつ、自分の右手に持っていた毛玉もリーナさんの前へ差し出しておきました。


 両手に持った毛玉を、揉んだり頬に当てて肌触りを確認したりした後、満を持して【鑑定】スキルを毛玉に使用するリーナさん。


 10秒程コーメェの毛玉を凝視しておりましたが。

 ……一度頷くと、毛玉達を私に返却して下さいました。


「ふむ……あれね、メリアの毛と似たような感じの効果ね」

「ちゃんと素材として使える感じでしょうか?」

「全然問題ないわ! むしろメリアの物より性能は良いみたいだし! それにしても、このサイズのコーメェちゃんからこの量の毛玉が取れる、っていう事実の方が凄いわ」

「あー、毛をブラッシングしたら何故かモッサリと出ました」


 お芋を食べて満足状態なコーメェの背中を撫でつつ、毛玉を入手した際の状況をリーナさんへ簡単に説明します。


 そもそも、毛玉を入手する為にブラシを使用した訳では無く。

 お手入れの為にブラシを使用したら出た! という完全に予想外の出来事だった訳です。


 『へぇー面白いわねぇー』と呟いたリーナさんが、コーメェの背中に手を添えて……揉んだり押してみたり毛を摘んで引いたりしていましたが。

 足を折り畳んでマッタリしていたコーメェが、そのままの体勢でボールの様にテーブルの上をコロコロと転がり始めます。


 足の吸着力が発揮されていないと、毛で出来たボールそのままですからね。


 余りにも滑らかで違和感無く、まるで転がる為にその形状になったのでは!? と思わずにいられない程スムーズな動きでテーブル中央を転がり始めたコーメェの状態を見て、楽しげに笑顔を浮かべたリーナさんが、その両手を使ってコーメェを転がしているを眺めます。


 何だか楽しそうで何よりです。

 転がっているコーメェも己の肉体を使った遊戯に対して、まんざらではない様子。

 なんだろうね、君はいつもサービス精神旺盛だね。


 それにしても……いつもながら強靭な鋼の如くの三半規管をお持ちだねコーメェは。


 ……何ていう感じに、余り今現在の状況に関係のない事を思いながら……忘却して紛失しないようアイテムボックス内部にリーナさんから返却された毛玉を戻した際……『メッメッ!』と声を上げつつ楽しそうにコロコロ&ローリング状態なコーメェを見詰めつつ……ふと、一つ思いついた事が。


 【革細工】スキルとかで小さい手足っぽい物を頑張って作って、先程のコーメェ毛玉へ装着したら……まさにプチコーメェ人形完成となるのでは! という……週末に始まるハチャメチャ大冒険には、純度100%関係無さそうな柔らかファンシー構想を考え始めたタイミングで。


 アイテムボックス表示に【風雷鳥【■■の■■】の尾羽】という表記を発見。

 その文字群に、すーっと視線が吸い付きます。


 んあー! 思い出した!

 そうそうこれこれ! コレですよ!


 アイテム名称を視線にいれた時点で、尾羽についての色々な記憶が脳内スペース内部に、まるでシャボン玉が弾ける様な感覚で大量に蘇ってくる感覚に襲われます。


 何かしら記憶の取っ掛かりに差し掛かれば一気に思い出しますね、うん。


 ギルドの建物に突入するちょっと前までは、確かに尾羽も一緒に鑑定してもらおう! という意気込みを持っていた筈なのに……存在をすっかり脳内から吹き飛ばしてしまっていましたよ!


 多分と言うか、私の願望半分ですが……きっとコーメェの鑑定結果に対する強い驚きが要因となり、予期せぬ局所的超強力脳内タイフーンが吹き荒れたのが原因だと思います。


 たまに海外で発生する竜巻が如くの巨大な感じで。危険すぎる。


 そりゃーもう、脳内予定先生も思わず自宅に帰宅して戸締りを強化してしまうくらいに。

 あっ先生お疲れ様です、無事思い出しましたのでご安心を。


 良くやったフワモ君! という感じの表情を浮かべて、力強くグッとガッツポーズをして頷いている脳内予定先生を幻視した私。何時もこうでありたい。

 

 よーし今度こそ忘却しないように気をつけねば! と意志を強く持ち、素早く尾羽をアイテムボックスから取り出してテーブルの上へ静かに差し出し、そのまま右手でスーッと滑らすようにリーナさんの方へ押し出します。


 私が無言で取り出し提示した尾羽に反応したのか、コーメェを転がす事に夢中になっていたリーナさんが唐突に硬直し、バッと超反応で視線を向けました。


「む!? 貴重なアイテムの気配がする……おっ! それは鳥型魔物の素材かな?」

「えっとコレ、是非リーナさんに鑑定をお願いしよう! と思ってたのに、コーメェに関するアレコレの影響ですっかり忘却しておりまして……良かったらそのー」

「うんうん了解! それでは早速! おっとコーメェちゃんお返しするわね」


 先ほどの余韻でユルユルと転がっていたコーメェを、両手でフワリと挟んで私に差し出したリーナさん、自分の前に置いてある尾羽を手に取ると、気合を入れて【鑑定】を宣言……いつも通り、真剣な表情と強い視線で静かにアイテムを見詰め始めました。


 その後、フゥーと気を抜く様に息を吐いて満足げな笑みを浮かべ、尾羽をクルクルと指で摘んで回転させながら、私に視線を向けて声を掛けてきました。


「……これってフワモさんが冒険しに行くって言ってた、山岳地帯に多く生息してる……風雷鳥の羽根よね?」

「はい、そのですね、色々とありまして入手する事に」

「……もしかして、誤って崖から転落した際に風雷鳥の巣に突入したとか?」

「ええぇ!? いやいやいや! そんな危険一杯夢一杯! 心と体が完全疲弊! 不可抗力落下大冒険はしてませんよ!?」


 鑑定結果を見たからなのか良く判りませんが、何やら物騒なアイテム入手方法を敢行したのでは、と何故か予想されていた様子で。

 私が物凄い勢いで持って全力で否定すると。


 何やら物凄く驚いた様子を見せた後、首を傾げて尾羽を引っくり返したり翳して眺めたりし始めるリーナさん。


 どうしてでしょうかね、先程から様子がおかしい気がするのですが。

 ……鑑定結果が芳しくなかったのでしょうか。


 不思議がっている私の様子に気が付いたリーナさんが、尾羽を一番ボール君の乗っているクッションの脇にそっと置いてから、私に向かってこう言葉を投げかけたのです。


「でも、これって……倒して入手したものじゃないでしょ?」

「ええそりゃもう勿論! あの様子からして、絶対に確実に私が戦って勝てる相手じゃありませんでしたし、一瞬で町に戻るの確定です!」

「そうよねぇ……山岳地帯の『風雷鳥』なんて、正直一人じゃまともに戦えるような相手じゃないし……とすると、休んでる所を背後から強襲して千切ったとか!?」

「いやいやいやいや!? そんな無茶しないですよ!?」


 リーナさんが何故か、私の事を映画等で見掛ける様な、凄腕のトレジャーハンターみたいな何かに仕立て上げたそうな、物凄く物騒な事を言い始めたので全力で否定しておきます。


 というか……一体全体どうしてそういう脳内での推理状況になったのでしょうか?

 その辺りの考察について、細かい理由をお伺いしてみた所。


 私の所持していた尾羽が余りにも高品質状態だったので、なにか強引な、もしくは特殊な手段を用いて入手したのではないか? と思ったらしいです。


 リーナさんの説明によりますと、普通に戦闘を行なって相手を倒す事でも、一応尾羽は入手出来るらしいのですが(実際過去に何度か尾羽自体は見たことがあるらしいです)それだと品質が著しく低下するとの事で。


 それに付随して、尾羽に残る付加能力等も減少ないし弱体してしまい、私が差し出した尾羽ほど強い力は残されていないのが普通だとかでして。知らなかった。


 さらには『ココまで強い能力を保持したままの尾羽は初めて見たよ、そりゃもう凄いよ!』と言う感じの事もいわれまして。1ゴールドの対価として尾羽を頂いた私は、心の中で『ええええええ!?』と叫ぶほどの驚愕に包まれましたよ。外見上は硬直してただけですけどね。


 リーナさん独自の予想として、幸運度の高い狐人の特性を考慮しつつ、ならばどこかで自然に抜け落ちた尾羽を運よく拾って入手したのでは? と予想して……転落から鳥の巣強行突入説を最初に推して来たという事で。


 流石にその入手方法は如何なものかと。


 そもそも崖から巣の中に転落なんてしたら、アイテム入手の前に私のライフポイントを表示する棒ゲージが先に全損すると思いますよ!? とリーナさんに告げると、落下制御の能力を持ったペンダントを私が持ってる、という事を覚えていらっしゃった様子。なるほど納得。


 テーブルの上に返却された尾羽を摘んで持ち上げた私は、リーナさんが解明してくれた詳しい能力を確認出来る様に、しっかりとアイテムボックスへとしまい込みます。

 そんな私の様子を見ていたリーナさんが、コツコツと人差し指でテーブルを叩きつつムムムと唸りながら私に質問してきました。


「自然に抜けたものでも無く、隙を見て命がけで引っこ抜いた物でもないという事は……この尾羽どうやって手に入れたの?」

「それは、あの状況を鑑みると……多分餌付け? じゃないかなと」

「餌付け!? あの風雷鳥を!?」

「はい、多分……美味しそうに私が差し出したポコ豆食べてましたし……そのお礼で尾羽を貰った感じでしたから。リーナさんが摘んでるポコ豆と同じものですよ」


 『へぇーこれが……興味深い話ね』と呟きつつ、残っているポコ豆を口に放り込んでポリポリ咀嚼し始めたリーナさん。


 ついでと言わんばかりに、半分程度減ってしまったポコ豆の袋の中から豆を一つ摘んで【鑑定】を始めました。先程から鑑定しまくっていますが、マナの残量は大丈夫なのでしょうかねリーナさん。


 いきなりマナの残量が切れて、倒れたりしないですよね?


 それにしても、ポコ豆の鑑定とは……まぁ私はアイテムボックスで詳細確認していますので、どういう効果がある食べ物なのか知っていますけれど、リーナさんはポコ豆の詳細知らないんでしたっけね。


 どんなに等級が低いアイテムでも、お料理関連のスキルを所持していないリーナさんだと、見ただけである程度判別する! という感じの事は出来ないんでしょうかね。


 この辺りも【鑑定】スキルを活用する上での難しい部分かもしれません。

 万能が故の不自由さと言うか。


 でもポコ豆って、等級的には 『上質』(ハイクオリティ)で結構レア度数の高い食べ物アイテムですよね……しかし使われている素材その他が物凄ーい普通な感じですから、リーナさんのレア物発見能力に引っ掛からなかった事は、むしろ当然なのだとは思いますけども。


 美味しくて癖になる食べ物ですけど、一袋1ゴールドの駄菓子みたいな物ですから当然でしょうかね……と一人納得しつつ、残りのポコ豆を摘みながら、何となく鑑定を終了させたと思われるリーナさんに視線を向けますと。


 何故かリーナさんが厳しい表情で、眉間に皺を寄せつつ手に持ったポコ豆を凝視しておりました。


「……このお豆のお菓子、名付きじゃない!」

「えっはい、確かそうですよ?」

「このお名前……確かあの古くからある薬師の名家、ファレナ家の方よね!?」

「えと、メディカさんと言いまして、私の作ったポーションを買い取ってくださってる薬品店のご主人といいますか……このポコ豆も、メディカさんが自分のオヤツ代わりに作った! っていう感じのお話でしたけど」


 私の返答を受けたリーナさん、右手に豆を摘んだ状態で何か斜め上を向いて両目を閉じ、何か思い出すような、考え込んでいるような……そんな微妙な感じの素振りを見せ始めます。


 あ、あれぇ!? 尾羽を鑑定してもらった時よりも、ポコ豆鑑定の方が反応が劇的なんですけれども!?


 何がどうなってるんでしょうかね!?

 これってそんなにヤバイお豆だったの?


 数々の不安に駆られる私を他所に、何かを思い出したように目を開いたリーナさん。

 摘みっぱなしだったポコ豆を口に放り込んで、反応を心待ちにしている私に向かって、今まさに考え込んでいた事を教えてくださいました。


「名付きアイテムがどういう物かって……フワモさん知ってる?」

「いえ、特に詳しくは知らないです……何か秘密が?」

「えーっとね、簡単に言っちゃうと『そりゃもう! 物凄い極まってる!』って感じ」

「ふむ? 凄いポコ豆ってことですか?」

「まぁ簡単に言うとそうなんだけど。アレね、食べ物としての序列で考えるとしたら……王宮で出されてるお料理と同等、もしくはその上、っていったら何となーく判るかしら?」

「王宮……んぇあ!?」


 王宮のお料理、という聞きなれない言葉を聞いてしばらく考えた後、そりゃもう思わず変な声を出して硬直した私。


 いやでも、ポコ豆ってメディカさんがお茶菓子にするつもりだった普通のお菓子ですよ!? ラティアちゃんとか、近隣のお子様達も多分確実にポリポリ食べてますけど!?


 びっくりしすぎて落ち着かない心持ちになった私は、精神安定のためにコーメェを持ち上げて何時ものようにその柔らかい背中に顔をめり込ませます。あー柔らかい落ち着く。もふもっふもふ。


 柔らかセラピー効果によって落ち着いた私は、でも凄くて美味しい食べ物だからって、なにかヤバイ事になる訳じゃないよね、と気が付きました。


 むしろ、1ゴールドでそんな豪勢な食物を入手してしまっている! という新事実によって余りにも申し訳なさ炸裂ですが。


 この世界に来た頃からずっと、物凄い量の『メディカさん印ポコ豆』を食べてるんですが……とりあえず食べ過ぎると何か驚愕の事態に陥ったりするのか、と恐る恐るリーナさんに聞いてみたのですが。


 そんな私の事など気にしない様子で、ヒョイっと新たなるポコ豆を口に放り込んだリーナさんの口から一言。


「そりゃ……多分、何かしら食べ物に関した『称号』でも取得してるのじゃないかしら? コレだけの物を食べ続けてるなら」

「ふむふむ……ふむぅ!? 『称号』ですか?」

「うん、そう『称号』」


 物凄ーく平然と『1+1は2だよね』という感じで、至極当然で普通だと言わんばかりのニュアンスでもって。私も『称号』を持っているだろう、と宣言して下さるリーナさん。


 あの、ちょっと待ってね……『称号』ってあれですか?

 コーメェとか魔物とか、そういうアレでナニな存在だけじゃなくって。


 もしかしなくても、この世界の住民さんや、祝福の冒険者である私でも取得できる物なんですか!?

 唐突に知らなかった新事実を突きつけられて、さらに心が乱れまくる私。


 あああ落ち着け私! ステイ! ステイ私!

 そうだ、称号を知らなかったとしても!

 今まで何かマズイ事柄に巻き込まれたりはしなかったはず!

 そうだまだ間に合う。大丈夫、大丈夫だ! ドンと来い!


 急に落ち着きをなくした私を、首を傾げつつ不思議そうに眺めているリーナさんが視界の端を掠めます。

 な、何とかして状況確認……つまり私にも称号が存在するのかをハッキリさせなければ。


 それにはー、えーっと? 確かコーメェの称号を確認した時は。

 ……んーっと、メニューの名前のココの辺りをを、こうやって突いた筈で。


 記憶を頼りに指を伸ばした私の耳に、ピン! という澄んだ音が飛び込んできて。

 ……『称号』という項目がメニューに出現したのを確認。しました。


 ……うわあああああ!

 で……ででででたぁー!?


 と、とりあえず鑑定してもらったアイテムの詳細は後回し!

 この新事実の内容を確認せねば、せねばなりませぬ!


 そう決意した瞬間……ピピピピ! ピピピピ! と断続的に発生するアラーム音が突然耳に飛び込んできます。うわっ! 何々!? びっくりした!


 何か事件でも起こったのかと周囲を見回しますが、特に異常は見当たらず。


 何事なのかといぶかしんだ私は、リーナさんの方に視線を向けてみますが。


 唐突に飛び跳ねて椅子から立ち上がった私に驚いた様子で『どうかしたの!?』と声を掛けてきます。

 あれ!? リーナさんにはこのアラーム音聞こえてない?


 キョロキョロと周囲を見回した際、視界の端を掠めたメニューの方に視線を向けると……そこに赤くて大きい文字で書かれた文章が浮かび上がって点滅していました。こ、これが原因か!


 メニュー板を引っ張り寄せて内容を確認、そこに『アラームを止める』ボタンを発見したので素早く押しておきます。


 落ち着いた私は椅子に腰を落とし、文章を確認。


『- 呼び出しアラーム作動 速やかにログアウトして下さい -』


 あれっ……このメッセージには見覚えがあります。

 そう、前にプレイしていた『ふわもこファーム』でも何度か見た事のある言葉。


 先程耳元で鳴り響いていたアラーム音が『ふわもこファーム』とは違う点を除いて……まったく一緒の文章ですからね。


 そう、これはつまり。

 あちらでお父さんが私を呼んでる証拠です! お帰りなさいお父さん!

 というかゲームプレイしすぎたぁ!

最近更新が途切れ気味でスミマセンです。

水曜更新は、くしゃみ鼻水と風邪の症状が微妙に出ていたので、大事を取って休みました。

一度体調を崩すと、戻すのが大変なんですよね……良い感じに誤魔化しつついかねば(何


最近は、感想返信も遅くてすみませんです。しっかり全部読ませて頂いておりますので!


最近気温が下がってきましたが、皆様も体調お気をつけ下さいませ。

それでは!


※ 追記 ※

ご報告を貰った誤字脱字を修正しました。あとちょっと文章を弄ったりもしました。

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