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214 受注丸投げ 可愛く フワモコ!

女の子のアイテムですもの。

メェは陳列台でお昼寝中。

 お店の中へと踏み込んだ私は、ゲイルさんから店内に並ぶ色々な製作物についての説明を受けたのですが……大小様々な品物が所狭しと並べられていて、ある程度説明されても多すぎてよく判りませんでした。


 この辺は私の基礎知識不足という物でしょうか。


柔らかかったり肌触りが良かったりする物体ならば、もう少し理解出来そうな雰囲気があるんですけれども。あくまでも雰囲気と気持ちとニュアンスで。


 お話を聞いて、取り合えず理解できた事柄を掻い摘んで説明しますと。


 作成依頼する予定である、お外で活動する際に使用する道具一式は、材料費その他についての部分は私が持参した物で賄える部分は賄うとして。


 足りない材料や技術費用等を、先ほどの魔素迷宮産の箱や残った素材を下取りする、という方法で補填する形でどうでしょう、と言う感じのご提案だという事。


 あの見た目ゴージャスですが中身のない宝箱がお幾ら万円程になるのか、サッパリ判りませんが。


 ……ああいう商品を買い取ってくれる伝手に全く心当たりのない私としては、あり難いご提案だと思います。


 箱の買取について詳しくゲイルさんから説明を聞いていますと、大分余裕を持って予算を編成しても良さそうだという事が判りました。


 なにやら王都? の方に住んでいる方へ販売する予定だとか。


「知り合いの伝手を使って、珍品関連が大好きな好事家に買い取ってもらう手筈ですから、費用の方は取り合えず気にしないで、必要な物をどんどん注文してくださいな!」

「ふむぅ……とはいったものの、自分だと良く判らないんですよねぇ……うーん」


 『こいつなんて便利ですよ!』とゲイルさんから差し出された、金属で出来ている杭の様な物が数本セットで厚手の皮の様な入れ物に包まれた商品を眺めつつ。


 ……正直これをどうやって何に使うのか? という疑問しか出てこない訳で。

 何だろうね、思い切り投げて魔物に突き刺す攻撃に使う、とかかな。


 いやいや、キャンプ用品をお願いしたんだから違うか。

 それにしても見た目からして物凄く頑丈そうだ。


 手渡された杭を右手で一本もって眺めたり振ったりしてみながら、そういえば……と思いついた疑問をゲイルさんに投げかけてみる事にします。

 

「あの、もしも個人であそこの宝箱みたいな商品を売ってお金にしたい! って考えると、どういう手段が有るんでしょうか?」

「あの手の品は普通の店舗じゃ買い取ってくれんじゃろうから……卸売りの業者関連や、その手の伝手を持った個人に持ち込むか……あとは少々安くなっても構わんのでしたら、ギルドの買取カウンターへ持っていくのが安心安全ですな」

「ギルドですか? そういえばラビの肉も買い取ってくれるとか聞いた様な……」


 ゲイルさんから提案された、例の宝箱を売るなら何処がお勧めかの売買先説明が切っ掛けで、アイテムボックスの中で寂しく使用されるときを待っているラビの肉達を思い出しました。


 衛兵さん達へのお裾分けでも消費できなかったし、リーナさんの所へ顔を出すついでにギルドで買い取って貰おうかな。


 後は、串焼きお兄さんに焼いてもらうという手段もあるかも。

 なんでしたら、イ=ヤッハーさん達へお世話になったお礼と称して進呈するとか。


 ソコの人、不用品を押し付ける悪逆非道な17歳とか言わない!

 ちゃんと食べれるものですよ! 私が持て余してるだけです!


 アイテムボックスの大半が草花とか肉や石という、何処の蛮族娘ですかね君は、と訝しげな目で見られそうな今現在の状況に少々危機感を覚えつつ。


 イベント開催時までに絶対にボックス内部を綺麗にしよう! と改めて決意するのでした。


 調薬素材はこの際思い切って使ってしまえば良いし、自分で活用できない物はギルドでお金にしてしまおう。流石にただの石ころは買取してもらえないでしょうから、この辺は地面に埋めるなり石塚を形成するなりしてどうにかしたい。


 他に残しておきたい物は手を付けないで保留です。

 保留戦術は私のお得意ですので、この辺りは安心です。


 物が捨てられない主婦みたいな発想ですが、痛まない腐らないお掃除いらずの安全保管場所であるアイテムボックスがあれば、ソレも可能なのだ。ふぅははぁ!


 そんな感じの、現実でこなすと稼働が激しそうな動きを脳内でしつつ、杭を眺めて考えておりましたが……ゲイルさんが、動きをとめて考え込んで居る私の顔を不思議そうに覗き込んでいるのに気が付きました。


 おおっと! そうだ考え込んでいる場合ではなかった!


 今回思いついた事は取り合えず強引に脳内予定先生に一任するとして、私が持つには少々重さが堪える杭のセットをゲイルさんに返却します。


「えっと、何に使う物なのか判らなかったデス……」

「何と言うか何にでも、という感じの物なんじゃが、フワモさんにゃぁ少々重くて使いづらい感じじゃったかの……ふむ」

「片手で持つとちょっと重いなぁ? って感じでした」


 私の返答を受けたゲイルさんが、その右手に持った杭の束をみて無言で顎を擦り考え込みます。


 数秒の後、何か納得したように一度頷いたゲイルさん。

 ニヤリと笑顔を浮かべると、宝箱のほうをみて……私にある意味ビックリな提案を投げかけて下さいました。


「あの宝飾箱なら数万、交渉次第で5万を超す売値になるじゃろうし……この際、今回のご注文の品は全て完全受注品として作成してみる気は無いかね、フワモさん」

「ん……えーっと? 受注品、ですか?」

「まぁ平たく言えば『フワモさんの為のアイテム』って所じゃな」


 えーっとつまり、アレですか。


 何でしたっけ……オーダーメイド? オートクチュールとか? 詳しく知らないや。

 まぁあれだ、そういう類の作り方をしてくれる! という事で良いのでしょうか。


 えっそれって物凄い大変な作業なのでは。


 そもそも、そんな豪華性能な物品を私が使いこなせるのか? という問題が第一に頭をもたげて来るのですが、そういう所も全部あわせて私用のアイテムとして作ってくれると言う事でしょうか。


 ……うん、ちょっと気になるというかワクワクします。

 ゲイルさん製フワモ印のアイテム。


 脳内でまだ見ぬアイテム達とキャッキャウフフしている光景を夢想し……相手は無機物だと言うのにキャッキャウフフ出来るのか、という自問自答を返す私。いや今気にする所はそこじゃぁ無いんだ。


 まぁこうやって考え込んでしまっている、と言うのがある意味で正確無比に私の無意識を表現していると言っても過言ではないと思うのですけどね。つまり悩む要素があるから悩んでいるんだと。


 と言うことで、そう!

 作ってもらおう! と決めました。


「あの……出来るなら是非、お願いしたいです!」

「よしきた! 先ほどギルドからの急な追加注文が一段落付いた所じゃ! これから数日は暇になる予定じゃったし、丁度良い!」

「追加注文? ですか?」


 先ほど奥から出てきた時にやってた作業でしょうかね?


 それにしてもギルドの方で何か予期せぬ出来事でもあったのでしょうか。

 金属製品の追加注文って事は……壊れたのか売れたのか? かな。


 私に口外してるって事は秘密のお仕事、とかじゃないよね多分。


 そんな風な事を考え首を傾げる私に対して、一度頷いたゲイルさんが周囲の商品をポンポンとその手で撫でるように触りつつ、顔に疑問マークを浮かべている私に説明して下さいました。


「ああそれがの、なにやら……数日前から急にギルド内の商品を購入する祝福の冒険者さん方が増えた! とかで品切れになったとか」

「そういえば品物を売っていたりするんでしたっけ……」 

「素材は勿論、燃料に使う魔石の類や装備品の素材になる金属類、何て物を販売しておるよ。冒険者から買い取った品を並べていたりもする筈じゃな」


 アレだけ大きい建物だと、そういった売店っぽい所でも大きく場所をとって営業してたりしそうですね。


 私がリーナさんに会いにいった時は、そういった売店風味な場所は見かけてないですね多分。鑑定カウンターがある場所とは逆方向にあるのかな。 


 前回ギルドを訪れた際、一番ボール君で悪目立ちしたり、鑑定待ちの列に一人で並んでポツーン状態の悲哀を背負ったり、荒んだボッチハートを誤魔化す為にセルフ尻尾をモフリ悲しみに明け暮れていた事を思い出して、少々ゲンナリしていた所。


 ゲイルさんが肩をグリグリを動かして運動しつつ、何かを思い出しつつ数えるような仕草をしながら続きを語って下さいます。


「えーっと他にも確か……ワシや近隣の店がギルドに卸しておる金属加工品も売り切れ続出! と言う感じ、でギルドの方から追加納品の依頼が飛び込んできたんじゃよ」

「あー、多分ですけど、私と同じ目的でのお買い物、かな? と思います」


 他のプレイヤーの皆さんもイベントに向けて色々なアイテムを購入したり、作るための材料を揃える為に手っ取り早く現金で購入! という手段を取っているんじゃないかな? と推測出来ますよね。


 日頃からお金を貯蓄して、こういう有事の際に使えるお金を確保している方々なら迷わずそうしますよね。準備万端何時でも来い! って感じで。


 私が予想を立ててゲイルさんにそう告げますと、納得半分不安半分、といった絶妙に表現し辛い表情を浮かべがゲイルさんが私へ視線を向けます。


「……ようやく合点がいったわい。それにしても、一体何が起こるというんじゃ? まさか魔物が進行してくるなんて事は……神殿からは何もお達しが来ておらんが」

「いえいえ!? そんな危険な感じの出来事では無くてですね!」


 大いなる誤解を生み出しそうになってしまったので、急いで誤解を解くために私の拙い説明技術を持ってゲイルさんにイベントについてお伝えする事になりました。


 そもそもイベントとは何ぞや? という所から説明する事になりそうだ、と不安100%だったのですが。


 イベント内容を説明している最中に、ゲイルさんの口から『なるほど! つまり昔話で伝わっておる神域での修行みたいなモノか!』と、唐突に納得のお言葉が発せられました。何ですかソレ?


 『神域』とやらが良く判らなかった私に対して、今度はゲイルさんから私への説明が開始されます。


 お話を聞く所によると、昔話の中で英雄と呼ばれたような方々が、使徒の力でその『神域』とやらへと呼ばれ短時間で力を蓄える事が出来た、とか何とか言うお話があったとか。


 なるほど、多分イベントでの光景そのままですね。


 意見をすり合わせて納得の行った私とゲイルさん、それでは早速作ってもらうアイテムについて詳しく打ち合わせしよう! となったタイミングで。


 カウンターの方から『うわぁ!!』と、アルさんが発したと思われる大きい声が聞こえてきました。

 えっ!? なっ何事ですか!?


 ゲイルさんも驚いたようで、キリっと表情を引き締めたかと思うとその逞しい全身の筋肉を躍動させ、近くにあった棒状の商品を手に掴んで素早くカウンターの方へと駆け寄ります。


 な、なんという滑らかな動き!

 歴戦の兵といった感じの風格が漂います。筋肉凄い。


「アル公! どうした! 強盗か!?」

「お、親方スミマセン! こ、コレが鉱石の中に紛れていて思わず大声を……」

「うん? ……こっこいつぁ!?」


 私とゲイルさんがアレコレ会話している最中の時間を利用して、私が大量にアイテムボックスから取り出した素材の確認作業を進めていてくれたアルさんの手に……大きくて滑らかな丸みのある素材が。


 そう……取得した時、私もアルさんと同じ様に心の中で不意打ちを喰らったアレです。


 棒状の商品をカウンター横へ立て掛けたゲイルさん。

 両目を見開いてアルさんからソレを受け取ります。


「な、なんてこった! 魚竜の鱗じゃぁないか!」

「あーえっと……水辺を浚っていたら偶然1枚だけ拾ったんです」

「なんと……フワモさんは山岳の方へ行ったんじゃぁ無かったかい?」

「ええ、そうなんですけれど……山岳地帯を抜けて更に北部へ行った辺りで、大きい湖を見つけましてですね……」


 折角なのでそこで軽く採取しようと思い立ち、色々と拾った中にありました……という事にしておきました。


 水底を片っ端から浚う感じで、石ころから何から纏めてアイテムボックスへ叩き込んだ、という採取法方は内緒にして。


 たぶん呆れられる事が確定しますから。

 そもそもアイテムボックスがないと成立しない採取方法ですし。超大雑把採取。


 そんな私の言葉を聞いているのかいないのか。

 ノートよりちょっと大きいくらいのサイズがある魚竜の鱗を、目を細めて眺めたり厚みを測ったり、表面を手で撫でて手触りを確認したりしていたゲイルさんが、勢い良く私の方へと振り向きます。


「こいつも、今回の作成依頼で使って構わないのかい!?」

「えーっと大丈夫ですよ? そもそも使うか売るか、の二択でしたしソレ」

「加工難易度の高い魔物素材……ふっふふふ、最近量産品ばかり作っておったが、久しぶりに腕が鳴るわぃ……!」


 そう呟いて、魚竜の鱗を眺めて凄く楽しそうに笑うゲイルさん。


 私がフワフワ素材と出会った時の様な感じなのでしょうねきっと。

 心が踊るその気持ち、判りますよ!


 ひとしきり魚竜の鱗を撫で回したゲイルさん、両手で大事そうに『落とさないよう慎重に保管庫へしまっておいてくれ』と鱗をアルさんへとゆっくり差し出しました。


 鱗を受け取ったアルさんが、無言で一度頷くと近くに積み重ねてあった厚手の布の様な物で鱗を包んで、お店の奥の方へと行ってしまいます。あっちに材料保管用のお部屋があるのでしょうか。


 二人でアルさんの背中を何となく見送った後、気持ちを切り替える様にパシン! と手の平を打ち合わせたゲイルさんが、カウンター内から椅子を二つ運んできて下さいます。


 座るように勧められたので椅子へ腰を下ろしますと、大きい箱を移動させてきたゲイルさんがもう一つの椅子へと腰を下ろしました。


「それでは、細かい打ち合わせといきますかの!」

「う、打ち合わせ、ですか?」

「なぁに、難しく考えず……思いつきで良いんじゃ、なにかしら作成するアイテムに対する要望を述べてくれれば、こちらで判断して返答するんでな!」


 ゲイルさんは笑顔でそう言うと、カウンター横に置いてあった籠の中から紙の束とペンを取り出して、正面に移動した木箱の上へバサリと置きます。


 要望……要望ねぇ?


 うーん、使いやすいのが良い! とかそういう基本性能っぽい部分は、わざわざ言わなくても当然ゲイルさんが対応してくれる筈だよね。


 となると、それ以外で私が望んでいる事って感じ、だよね。


 俯き加減でそんな風に考え込む私を、じっと見詰めて待ってくれているゲイルさん。

 お店の奥からアルさんが戻って来て、静かにゲイルさんの斜め後ろへと陣取るのが視界の端に見えました。


 そうだなぁ……どういう物が必要なのか、そういった部分さえ判らない訳だから。


 ……その辺はファーストフード店にある様な、ドリンクとサイドメニューに飲み物が付いて非常にお得! 今ならグッズもついてこの価格! 的なゲイルさんお任せセットっぽい物をお願いする形にして。


 1分少々考えた私は、簡単に思いついた要望を伝える事にします。


「えっと、なるべく小型で軽くしてくれると助かります。あと野外での活動に必要なアイテム、という物にも詳しくないので、その辺りはゲイルさんにお任せと言う形で」

「ふむ、小型化に軽量化じゃな……通常サイズじゃとフワモさんには少々大きすぎるか、なるほど……後は作成する物はお任せと、ふむふむ」


 何か考える様に頷きつつ、木箱の上に置いてある紙の束へ向かってペンを走らせて、ガリガリと文字を書き付けるゲイルさん。あっそうだ、もう一つ……一応お願いしてみよう。


「あと、そのー……可愛く? してくれると嬉しいデス」

「かっ可愛く!? これは腕が鳴る要望じゃのぅ!」


 私の追加要望に対して驚いて両目をカッと見開いたゲイルさん。

 やっぱり金属製品を可愛くする、なんて要望は普通来ないよね……一応お願いしただけだけど実現可能なら嬉しいな。


 『草花の意匠でも盛り込んでみるか……いや小型化と共に丸みを帯びさせる感じで……』何ていう呟きと共に、紙へ簡単な図形を書き付けているゲイルさんの手腕に期待ですね!


「あっそうだ、あとフワフワのモコモコにする、とか!」

「フワ!? モ、モコ!? 難易度高いのぅ!? ううむぅ!?」


 ついでにもう一つ思いついた要望を口にすると、ガタンと椅子を鳴らして仰け反ったゲイルさんが、ギュッと眉を寄せる感じで両目を閉じ、腕を組んで考え込みます。


 唸りつつジットリと汗をかき始めたゲイルさん。


「あっその、無理なところは無理で良いですよ!? 要望は要望ですので!」

「そ、そうかの……いや、折角じゃから全力は尽くさせてもらうわぃ!」


 私の適当で良いですよ宣言を受けて、一瞬力を抜いたゲイルさんでしたが……頭を数回振った後に、何だか悲壮な決意を顔に浮かべてフゥーと息を吐き、手の平で顔に噴出した汗を拭い……後ろに控えているアルさんに視線を向け、二人同時に力強く一度頷きました。


 ええと……何故でしょうか、何だか凄いやる気になっていらっしゃる様な気がするんですけど!? 無理しない程度で良いですからね本当!?


 私の不安を他所に、小声で話し合いをしつつ紙の上へと大量に何かを書きとめ始める、ゲイルさんとアルさん。


 うーん、職人さんと言うのは何とも凄いですね。

 ……ここは黙って心の中で声援を送らせて頂きましょう。


 私が心の中でチアガールの衣装を身に纏い、現実ではあり得ない運動神経抜群な動きを持ってして、二人へ向かってあのフサフサなポンポンをフリフリする光景を思い描いておりますと。


 ふと手を止めて顔を上げたゲイルさんが、何か思い出したように私へと声を掛けてきます。


「そうそう、作成期限の方はどの程度で見積もれば良いかの?」

「あっそうか! えーっと確か……」


 イベントに間に合わせるとすると……今日は木曜日の夜だからーイベントは日曜日の夕方で。

 ゲーム内は倍速で経過するから、四日間でアイテム作成してもらう、で良いのかな。


「イベントが始まるのが五日後の朝なので、それまでに完成させていただければ」

「ふーむ……急ぎ仕事になりそうじゃの! ギリギリまで時間を使いたいから、五日後の早朝受け取りでどうですかね?」

「あ、はい大丈夫です!」

「へい! 正式にご注文承りました! よーし飯を食ったら早速作業開始じゃ! アル公はフワモさんに契約票の記載と、割符をお渡ししておいてくれ!」


 ガリガリと音を鳴らして椅子と木箱を片付けたゲイルさん、ペコリと私に一度頭を下げると奥へと移動していってしまいました。


 こ、これから早速始めるんだ?

 さっきまで何か作業していたっぽいのに大丈夫なのかな。


「へい親方! では、フワモお嬢さんこちらにご記入を!」

「あっはい、判りました!」


 お体大事にして下さいね……という念を籠めてゲイルさんの背中を見送った私は、アルさんの説明に従いカウンターで何かの書類記入を済まし、複雑な模様の描かれた金属の破片の様なアイテムを受け取ります。


 金属のアイテムは、引き換え時に提示する物なので紛失しないように、と念を押されました。


 このアイテムと正式な委任状があれば、本人以外でも依頼品の受け取りが可能だとか。

 うん、他の人に頼む予定とかありませんので、無駄知識ですね。悲しみ。

なかなか週3更新できずスミマセン。頑張ります。

ああ……一分で1000文字書ける様な、強靭な身体になりたい(無理

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