表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/256

019 採取 と 先制攻撃

 では、素材採取の旅を続けるとしましょう!


 周りで戦闘を行なっている人達を避けつつ、壁際を森がある方面へと進んでいきます。

 もちろん途中で見つけた薬草採取ポイントは見逃さずきっちりと毟り取っていくのは忘れません。


 後で沢山ポーションを作成するための材料にするのです。


 途中、青い花の咲いている植物を見つけたので、ズボっと引っこ抜いてみましたが、ボックス内でのアイテム名は【魔力の花】と表示されておりました。

 これはまた違う薬の材料になる予感がいたします。恐らく予想では、マナポーションと言う奴ですね。


 順調に採取を進めつつ歩いていますと、北の平原北部に広がっている森の端のほうへと到達いたしました。この森にキノコ等が有るのですね。しっかりと採取して帰りましょう!


 そう決意も新たにしてゆっくりと森の中へ進入しようとした所で。


 町の壁際辺りに、先ほどから見かけている魔物とは全然色の違うウサギが出てきました。

 先ほどまで大量に現れていたウサギは、全部灰色っぽい色合いをしていたのです。


 でも現れたこのウサギは真っ白でフカフカでした。

 へぇー、色合いとかも種類があるんですねぇ。


 などと思いつつ視線をはずして森に入ろうとしたのですが。

 なんとその白い魔物ウサギ、此方に走り寄ってくるではありませんか。


 ええ!? 先制攻撃!?


 危なく大跳躍からの頭突きを背中に受けてしまうところでしたが、ぎりぎりの所で地面に伏せて回避する事に成功いたしました。

 びっくりしたぁ! 色が違うから種類が違う、つまり行動パターンが違うって事ですか!


 激しく油断いたしました。不覚です。


 私に攻撃を回避された白ウサギは、木に頭をぶつけてフラフラしています。今がチャンスですね!

 地面に落としてしまっていた棒を握りなおしますと、いざ攻撃! と思いましたが。

 ちょっと殴るのは可哀想。と躊躇いが生じてしまいました。


 だって、血走った目とかギザギザ牙とかが見えない背中の方から見てる分には、白いふわふわウサギなんですよ! 殴るの躊躇しますよそりゃ!


 判りますよねこの気持ち。そりゃ物凄いでっかいウサギだけど。


 そんな葛藤を一人で繰り広げていると、調子を取り戻した白ウサギが此方に再度振り向いて飛び掛ってきました。ぎゃー! 弱肉強食か!


 思わず何も考えずに反射だけで棒を正面に振り下ろしますと、カウンター気味に白ウサギの頭にゴツッっと命中して青い光のエフェクトが発生しました。


 飛び出したダメージ数字は10です。


 このウサギ、やっぱり顔をみると怖いです。躊躇している場合ではなかった。

 覚悟を決めて戦闘開始です! さあ私の糧となって貰おう。


 カウンター気味に頭部へ強い衝撃を受けた白ウサギは、またもやグラグラとめまいを起こしたように頭を動かしつつその場で立ち尽くしております。今度はチャンスを逃さず一気に畳み掛けましょう!


 身体の動きは全く問題なく、スタミナも全然消費していないようなので、チュートリアルで教わりました棒の必殺技である【強打】を宣言、使用いたします。

 普通の打撃と【強打】による連続攻撃で大きな被害を受けた白ウサギは、グルグルッとその場で回転しますと、片足を上げた状態でバタリと地面へ倒れ伏し、パリンと七色の光になって消滅いたしました。


 勝った。ああ、普通のウサギさんだったら良かったのに。

 むなしい勝利だった。


 白ウサギが消滅した場所には小さい石が一つだけ残っていました。

 小指の爪くらいの大きさでしょうか。

 拾ってから目を凝らしてみると、ほんのりと光っているように見えます。


 何はともあれ、これで初の戦闘勝利と戦利品入手ですね。被害もなく無傷で倒せたのは僥倖です。

 なにせ回復用のポーションも購入できない状態ですからね。


 自業自得とも言います。後悔はしていませんが。


 拾った石をアイテムボックスへ収納してみますと、アイテム名判明!

 【白ラビの魔石】だそうです。


 という事は灰色のが【ラビ】または【灰ラビ】とかなのかな。後で倒して確認しましょうね。

 アイテムボックスの確認をしていますと、気が付かないうちに複数の取得品らしきものがリストに増えていました。


 【白ラビの毛皮】【ラビの肉】【白ラビの尻尾】の三種類ですね。それぞれ一つ入手していました。

 あー、【ラビの毛皮】と【白ラビの毛皮】は別のアイテムなのでしょうか。


 クエストが進みませんね。


 魔物から入手できるアイテムは地面に落ちる物と、自動的にアイテムボックスへ収納されるものと二種類あるのでしょう。落ちてるアイテムを拾い忘れる未来が見えてきた気がします。気をつけないと。


 では、戦闘成果も確認しましたし、採取の旅へと戻りましょう。

 改めて森の中へと進入いたします。


 おお、そこかしこに草っぽいのやらキノコやら色の違う岩っぽい突起物やその他諸々、採取できそうな物が満ち溢れています。

 わぁー、これは採取してるだけで楽しいぞー!

 もう近くで戦闘している人の視線に目もくれず、そそくさと採取を開始いたします。


 ちょーっとごめんなさーい横とおりますよー。お手数お掛けしまーす。


 次々に地面や木に生えている草やキノコなどをアイテムボックスへ放り込みつつ、戦闘をしている人のジャマにならないようにこまめに移動するようにします。

 ガルドスさんの予想通り、森の端っこに位置しているこの辺りは他のプレイヤーさんがあまり居ないみたいですね。

 採取目的の人とバッティングしなくて良かった。


 鼻歌交じりで採取をしていて気が付いたのですが、取得できる品物が存在する場所、よーく見るとなんとなく光って見えるというか、なんというか。


 ジッと目を向けてみるとターゲットに照準が合う様な、そんな感じがします。

 恐らくは何かしらの力、たぶん取得しているスキルの効果か何か作用していると見て良いでしょう。


 大体の予想ですが、意識的に採取を行なうとこういう感じになるのでしょう。

 前に説明を受けた、システムの補正という奴でしょうか。


 大体目に付いた採取ポイントでの作業を終えた私は、町へと帰還するべく木々の向こう側に見えている町の防壁方面へと歩みを進めます。あの立派な防壁は目印としても判りやすいですね。


 念のためメニューからマップを開いて方角や現在位置を確認いたします。

 メニューを開きっぱなしにしないとマップを確認できないので面倒ですね。手に持ったりするタイプのマップはないのだろうか。


 入れ替わり立ち代りでウサギと戦闘を続けているプレイヤーさん達の横をノンビリと歩きながら、マップを色々と弄ってみることにします。


 なんと、ある程度の倍率まで表示の拡大縮小が出来るようです。

 右上に+と-の表示があり、そこを触る事で調整出来るみたいですね。


 あとは、主だった施設の名称もマップ上で確認できるようになっていたみたいです。

 これは拡大して初めて見えたので、今まで全く気がつきませんでした。なんと言う事でしょう。


 ちゃんと噴水前の建物には【安寧の女神の神殿】という名前が書いてあります。

 もしや、と思いその名前の部分をつついて見ますと。


 ※ 主な施設効果 ※

 『神殿ではゴールドを支払う事により、一日に一度だけ【死に戻り】による一定時間ステータス低下ペナルティ及び、取得スキル熟練値の激減ペナルティを、即時回復する事が出来ます。他にも、一日に一度という回数制限に抵触しないペナルティ回復アイテムである【祝福の聖水】を購入する事も可能です。他に【死に戻り】の際に【依り代】(アバター)が復帰する場所を女神像前に変更する事も出来ます』


 やっぱりです。女神様の神殿がどういう場所なのか、という簡単な説明が出てきました。

 なるほど、魔物に倒されてしまって町に戻るとペナルティを受けるのですね。


 ステータス低下ペナルティはそのまま身体能力が低下するのでしょう。

 取得スキル熟練値の激減、というのはペナルティ時間中はスキルの成長が遅くなる、という事でしょうか?


 これはよっぽどの事がない限りは【死に戻り】しないほうが良さそうですね。


 リアさんの所から戻るときに【死に戻り】選択する状況にならなくて良かった!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ