018 薬草 時々 雑草
[悲報] いまだポーション出来ず [いつも通り]
ガルドスさんに見送られつつ北門をくぐって町の外部へ始めての一歩です。
ううむ、見晴らしのいい景色。なかなかに感慨深いものがあります。
周りを見回しますと、物凄い大きいウサギのような魔物と、熱い戦いを繰り広げている方々が沢山いらっしゃいました。
ぱっと見たときは大きくて可愛い! と思ったのですが、このでっかいウサギって……目が物凄い血走ってて鋭いし、良く見ると口の中に生えてる歯がキザギザでどう見ても肉食です。怖いです。
この魔物がさっきのクエストで言っていた【ラビ】でしょうか?
流石は魔物と言われるだけはあって凶暴なようですね。
あ、噛みつかれてるひとが。痛そう。
などと余所見をしつつ壁際を歩いていたのですが、私の目の前にもそのウサギの魔物が現れました。
白い光がボワーっと出てるな、と思ったらポコっとその場に出て来たのです。
なるほど、こうやって倒しても増えるから、皆さん町から近くてすぐ戻ったり出来るこの場所で、激しいバトルをしてるのか。
とりあえずあのように、ギザギザの牙でガブリとやられると非常に嫌なので、棒を正面に構えて警戒してみますが……こちらを一瞥したのみで、いっこうに襲い掛かってくる気配がありません。あれ?
攻撃して来ないのであれば大丈夫かな……? とりあえず横を通り過ぎてしまいましょうか。
一応不意打ちで噛まれるとまずいので、視線だけはウサギの魔物のほうに向けつつ……壁伝いに進んで行きますと。あっけなく横を通り過ぎる事ができました。
……と思いきや、少しはなれたところから鋭い音と共に矢が飛んできて、ウサギの魔物の背中辺りにブスリと突き立ちます。うん!? 一体何処から!
周りを見回してみますと、少しはなれた所にいらっしゃる弓を持っているプレイヤーさんが、遠距離から攻撃したみたいです。
攻撃をうけたウサギの魔物は、猛然とピョンピョンしつつその弓を持った方に突撃して行きました。
なるほど、最初の攻撃を当てた人に襲い掛かってるのか。ならば無理せずに、まずは当初の目的である薬草集めを終わらせてから、ウサギの魔物にバトルをしかけてみましょう。倒せるだろうか。
そんな事を考えている最中も、回りでぽこぽことウサギの魔物が出現しています。激しい。
魔物の生態の神秘が満ち溢れる、そんな光景を横目に収めつつ進みますと、大きい岩の根元にモサッと草が沢山茂っているポイントがありました。
これか、これが薬草なのか! 周りに目的が被っていそうな雰囲気のプレイヤーがいない事を確認しつつ、いそいそと地面に茂っている草を毟り、アイテムボックスへと投入していきます。
雑草との見た目の違いが良く判りませんでしたが、毟る手を止めてアイテムボックスを確認してみたら【薬草】が八個の【雑草】が十四個でした。
これはアイテムボックスに入れたら、どんなものでも名前が分かる様になっているんでしょうかね?
そう思いつつ、アイテムボックス内のアイテムを上から下へ簡単に目を通してみたのですが。
ひとつ、名前のわからないアイテムがありました。
表示のほうは【■■の■■■■■】と激しく伏字が入っておりました。
ん? 個数が一個になってるし、これってリアさんから有り難く貰った【緑石のペンダント】じゃないかな? そう気が付いてアイテムボックスから取り出してみますと、やっぱりそうです。
緑色のつやっとした石がはめ込まれているペンダントが目の前に現れました。あ、忘れないうちに装備しておこう。【緑石のペンダント】をしっかりと首に下げます。これで良し!
これで霊験あらたかな楔の巫女様の祝福により、生産確率が増加したのですね。
残念ながらあふれ出るパワー! とか迸るオーラ! みたいな見て一発で判るようなモノは湧き出たりしていないので、あまり実感がわきません。
確かちょっぴりだけしか上がらない、って言ってましたし仕方ありませんね。
そういえば、ちゃんとリアさんにペンダントのお名前を聞いて頂いたはずですが、アイテムボックス内部では名前が表示されていなかったですね。
名称が判明する理由が一体どういう条件なのか判りません。
全てのアイテムがボックスに入れれば名前が判明するのではない、という事だけはわかりましたが。
恐らくなにか法則があるのでしょうか。
おっといけないいけない! 思考のわき道に逸れてしまいました。
しっかり採取を再開せねば! 時間は有限ですからね! レッツ草毟りING!
目の前にモッサリと茂っていた草の塊をブチブチと引き抜いては、ボックスへとねじ込んでまいります。すると、唐突にピロリン♪ という例の音が聞こえてまいりました。
そして目の前に現れる文字の書かれたパネル。
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練習クエスト【調薬】
クリア条件 ※ 薬草十個の入手 ※
クリア条件を満たしました!
アイテムボックスの容量を確認の後に、クリア報酬アイテムを受け取ってください。
報酬 【初心者用調薬キット】 一個
受け取りますか? はい いいえ
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やりました! 毟りまくっていたら薬草が十個に到達したようです。
ボックスの空き容量はたっぷり御座いますので迷わず【はい】の部分をタッチいたします。
すると開きっぱなしで表示させていたアイテムボックスのパネルに【初心者用調薬キット】のお名前が。これで一安心です。
直後にまたもやピロリン♪ という音が鳴りまして、クエストのパネル内容が切り替わりました。
次は何をするのかなー?
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練習クエスト【調薬】その2
クリア条件 ※ ポーションを作る ※
薬草を無事入手する事ができましたね。
それでは薬草からライフポーションを作ってみましょう。
このクエストは自分で【調薬】を使い作成したポーション以外では、終了させる事はできません。
ご注意ください。
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次はポーション作成の実践ですね。
あ、今回のクエストは他の人からポーション購入したり貰ったりしても、終了させる事が出来ないみたいです。しっかり自力でやりましょう、という事ですね。
ライフポーションを作ってみましょう! とは言われましても、作るにはどのような手順で進めれば良いのか全く判りません。取り合えず【初心者用調薬キット】を出してみたら何かわかるかな?
少しはなれたところに上が程よく平らになっている岩を見つけたので、その上に【初心者用調薬キット】を設置してみることにします。
いそいそとアイテムボックスの【初心者用調薬キット】を取り出しますと。
おおー! 色々な機材がまとめて出てきました。でも機材の回りの空間が固まってるような、見えないゼリーでまとめて固めました! みたいな感じがします。
端っこのビーカーのようなものを持って移動させようとすると、他の機材も一緒に動くのです。面白い。取り出し後ばらばらだと危ないし、必須機材の滑落破損防止の為かな?
おっと、ゆっくりしているとアイテム取り出しの猶予時間が終わって全部落下してしまいます。
ガラスっぽい見た目の機材が幾つか在る事からして、落とすと大変な事になるのは明白ですからね。すすーっと機材を岩の上へと設置します。
さて、ここはスキルを使用する感じでいいのでしょうか。
おもむろにしっかりと言葉として口に出して【調薬】と宣言してみますと。
判断は正解だったようです。
目の前にパネルが現れて、恐らくは現在作れるアイテムのリスト? が表示されています。
表示された項目の一番下に【マニュアル調合】というなんとも怪しげな文章がありますが。
好き勝手に材料放り込んで、色々作るときに使用するんでしょうか。
雑草もつかえるのかな? いや、タダの青汁になりそうだなぁ
ひとまず最初から大冒険はしない事にします。
メニューの一番上にある【ライフポーション】の項目を指でつついてみます。すると薬草の加工手順がパネルに表示されました。
おおーこれは非常にわかりやすい!
こういう調合で慣れていって、アレンジを加えたりする時に、マニュアル調合を使うのですかね。
そして必要手順を見ていて気が付きました。
必須材料で水が必要なようです。
そうだよね、液体薬だものね……どうしよう。
流石に町に戻って噴水の水汲んで使うとかそういう訳にもいかないよね……うーむ。
見回してみても、近くに水場は見当たらないようなので、ここはひとまず調合は諦める事にしました。
これは採取を出来るだけやってから町に戻って、ガルドスさんかアレイアさんにお伺いを立ててみましょう!
いつの間にやら100万PV到達しておりました。
皆様どうもありがとうございます。
いまだにじりじりと増えているっぽいブックマークに驚きます。
これからも一日~二日間隔の不定期になりますのでどうぞご容赦の程を。
たまーに覗いてやってくださいませ。




