表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
176/256

174 色々 確認 鳥も 確認

山登り再開。

そして奴らが来る。

 私の背後で、他のプレイヤーさんが激しくやる気を出しているのを感じ取りつつ、私は一人でのんびりと山登りを再開します。


 そもそも魔素迷宮という観光スポットが発見されてしまったのですから、普通に山登りをしている人が居ない、という今現在の状況は当然の結果という感じなのでしょうか。


 山肌で出会うゴーレム君も迷宮内に普通に居ましたしね。


 最後に宝箱のオマケまでついてくる、まさに至れり尽くせり感満載のナイスプレイス迷宮な訳ですし。

 壁には私好みな調薬素材も沢山ありますからね。


 私も当初の予定が無ければ、例の新素材である【薬効ゴケ】の為にまだ通っても良いかな! 位の気持ちがあるくらいです。まぁあれです、魔素迷宮は逃げませんので機会があればまた行けば良いかな?


 いや、でも沢山敵が倒されると消えちゃうんでしたっけ?


 ううむ、あの賑わいだと一日二日でパパーっと、魔素迷宮閉店のお知らせが届いてしまう状況になる流れも有りそうなのでは。


 ……ちょっと後ろ髪が引かれてきました。

 いや、結局また一人で潜る予定になりそうですし……そうすると先ほどボスを倒さずに迷宮脱出するのでさえ、普通に時間が掛かっていたのを加味しても、迷宮内に進入して入り口付近を探索したら即戻らざるを得ない、そんな感じになりますよね。


 何回も迷宮を作り直して出入りすれば良いのかな?

 そもそも何回も迷宮を作ることが出来るのかどうか。


 ティムリンさんが先ほどの4人パーティで2回目に挑戦するー! って言ってましたし、可能なのかな?


 ううむー! やっぱりまだまだ迷宮に関しての知識が足りませんね。

 こういう基本的っぽい考察は既に何方かが調べてくれているかな?


 ちょっと公式の掲示板見てみよう!


 山肌に細く続いている、手すり代わりっぽい錆びた鎖が杭で打たれて連なっている、物凄い危なそうな山道の始まり部分に到着した私は、一旦横に転がっていた小さい岩に腰を下ろして、掲示板を確認するべくメニューを開きます。


 こういう基本知識っぽい事は……掲示板を開いて内容部分を検索に書ければすぐ出てきそうですよね。


 えーっと確かこの辺に……あったあった、閲覧履歴!

 ここから、前覗いた魔素迷宮の書き込み部分に即飛べる筈!


 ポチリと履歴のボタンを押しますと、ちゃんと私が今まで見た掲示板の履歴が表示されましたので、一番上に表示されている魔素迷宮の書き込みを表示させます。


 あれ、既に書き込みが一杯で次のスレッドが出来ているみたいですね。


 まぁ私は書き込みに来た訳ではありませんので問題ないでしょう。

 思いついた【迷宮 連続】というキーワードで検索を掛けてみます。


 今回の検索は公式掲示板全体ではなく、この書き込み内だけですのであっというまに検索が終わりました。


 えーっと……幾つか引っ掛かっていますね。

 これじゃーなくて、これは?


 あっ! 私と同じ疑問をぶつけている書き込みが、検索結果に引っ掛かってますね!


 やっぱり同じ疑問を持つ人がいたみたいです。


 そのまま、その書き込みから下のほうへと読み進めていきますと、その書き込みに付いているレスがありましたが……簡潔に一言『過去ログ確認してこい』と書かれておりました。


 あー既に検討済みの議題だったようですね。

 えーっと最初の方に、前のスレッドへのジャンプアドレスを貼り付けてくれている人が居た筈……ありましたありました!


 ……えーっと、とりあえず先ほどと同じ【迷宮 連続】の二つのキーワードで検索を掛けてみます。


 今回は先ほどよりも多めに検索結果が出ましたね。

 この『【暗い鉱石の】迷宮攻略スレ その3【迷路迷宮】』では、ボス部屋の宝箱から○○みたいな装備品を入手したーといった感じの、お宝ご報告書き込みが多いような感じです。


 出る装備品その他は多種多様で武器や防具、弓や魔法の杖等も出るとの事。


 【調薬】や【革細工】に関わりのあるアイテムは無いのか!

 と気になって、『その3』スレッドをジックリと読みこんでしまいましたが。


 大抵が武器防具で、そこそこの確率で装飾品や素材が出るとの事でした。


 ううむ、やっぱり戦闘方面に偏った入手アイテムになるんですかね。

 そもそもボスを倒さないと宝箱を入手出来ないので、生産一本で生きている人だと厳しいですよね。


 おっと、違う違う! つい横道に逸れてしまいました!

 私が調べているのは魔素迷宮の生成についてで、入手アイテムではなかった!

 でも参考になったから良いや!


 再度検索で引っ掛かった場所を一つ一つ確認して行きますと、ありました!

 先ほど『その4』のスレッドで出ていた質問と同じような内容の書き込み!


 期待してそこから下へと進めていきますと、しっかりと返答レスが書き込まれておりました。


 書かれていた内容は『しっかりとキャラ毎に、再度迷宮を生成するための待ち時間があって、ソロで出入りして連続作成は無理』という物でした。しかも待ち時間はゲーム内で半日だとか。


 つまり、先ほど一度魔素迷宮を私名義で作成してしまいましたので、もう一度一人で迷宮を作る場合は……つまりメンテナンスが開始される直前? 辺りになれば2回目作れるよー! っていう事ですね。


 うわぁー! こんな所でもパーティプレイの利点が私に襲い掛かってくる!

 あれですよね、6人パーティなら立て続けに6回挑戦できるって事ですよね?


 やっぱり一人プレイで行く所ではなかったのか!


 新たなる事実にハートを攻撃され微妙にダメージを受けた私は、ポチリとメニュー画面を人差し指で押して掲示板メニューを閉じます。

 うん、一応知りたい事は確認することが出来ましたので、満足する事にしましょう。

 結果、私の知識と一人プレイの難しさについての見識が増えた感じですね。


 でも、この魔素迷宮の仕様はアレでしょうかね、私が考えていたみたいな。


 ……例えば迷宮を設定して中に入って。

 近くにある素材を取れるだけ取り。

 弱いミニゴーレム君だけを倒してから素早く外に!

 そしてまた即座にもう一回迷宮へゴー!


 という簡単安全に素材を増殖! っていう悪巧みを阻止する為の物でしょうか。


 くっ! 私ごときの浅はかな考えは既に見切られていたと言う事ですね!

 宝箱を無理して持って帰ってきて良かったですよ!


 次の機会がきっとあるさー!

 なんて気持ちで諦めていたら二度と拾って帰れなかった可能性が高いです!


 ふふふ、私は運営さんに勝ったのです! いやチョット言いすぎかな!?


 まぁアレです、魔素迷宮については夜中に始まるメンテナンス後に色々アレコレする事にして、山登りを再開する事にしましょう。もうすっかり朝日が昇りきってしまっています。

 あーこうやって明るくなってくると、私の呼気が白いのが良く判りますねー。

 ……あれ、白いって事は寒いって事ですよね。


 ……そういえば暖房具に燃料補給ってしましたっけ。

 というか迷宮内その他でずーっと付けっぱなしな気がするんですが!?


 しまった、迷宮内は真っ暗だったので照明にばかり気が行ってましたよ!


 街中で暖房具を起動すると、暖かーい感じを強く実感することが出来たのですが、この山って寒い場所だからなのか相殺されてしまっているようで凄い普通な肌触り? というか温かみ? なんですよ!


 あまりにも空気過ぎてすっかり忘れてました!


 急いで腰に付いているベルトから携帯用暖房具を取り外して、残り燃料を確認してみます。


 あーやっぱり、既に赤ゲージを軽く突破して黒いゲージ部分へと突入、つまり枯渇しそうになってます!


 くっ! 今まで密やかに私を支えてくれていたと言うのに、気が付くのが遅れて申し訳無いぞー! 暖房具君! いま山盛りご飯をあげるからね!


 アイテムボックス内に唸るほど突っ込まれている、大量に倒したミニゴーレム君の魔石を3個ほど取り出して、暖房具の燃料投入口に放り込みます。


 待つこと10秒程……燃料ゲージがグググーっと上昇して7割ほどまで回復しました。


 いやー危ない危ない! 気が付かないうちに暖房具の機能が停止して、寒さでアレコレなっちゃう所でしたよ! 寒さが限界突破するとどういう状態になるのかちょっと気にはなりますが、無理して試す気は毛頭御座いませんので! 例の検証大好きなプレイヤーさんにお任せしますよ! 


 一応頬っぺたを暖房具にペトリとくっ付け、しっかりと温かみを発している事を確認してから、何時も装着していた位置へと暖房具を戻します。


 こう、ランタンの明かりみたいに常に発している感じが視覚で判る物なら、燃料補充も忘れないで済むんですけどね。しかも先ほどまで真っ暗な魔素迷宮にいましたので、ランタンの存在感たるや凄まじく。


 なので、私が暖房具の燃料補給を完全に忘れていたのは、半分以上不可抗力だと思います。

 あっそうだ、武器の耐久度も確認しないと!


 壊れそうになったら何かお知らせが届く、みたいな親切設計だったりはしないですよね多分。

 とりあえずアイテムボックスに一旦収納して、と。


 何時もお世話になっているので少々不安もあったのですが、表示されたのは『破損度 問題無し』という何とも頼りになる一文。

 おお、アレだけ硬そうなゴーレム軍団と何度も戦闘を交えたというのに、ビクともしていないとは!

 流石なんだか達人っぽい人が作った豪華武器だけはありますね!


 本当に私の腕と見合っていない感が半端無いんですよ。

 でもこの棒がないと、こんな危険度抜群な山岳地帯の山道は、進むことさえままならない可能性が高いという悲しみ。


 むしろ何か攻撃を受けてしまったら一発アウトだと思いますし、武器だけでも凄いのを持っていたお陰で、こんな所まで来れている訳でしょう。あとカイムさんのナンタラ棒術のお陰でもあるかな?


 そうだ、スキルのレベル上がってたりしないかな? 確認してみよう!


 久しぶりのスキル確認です。

 普通のプレイヤーさんなら頻繁に確認したりしてるんでしょうか。


 でも何回も見たって、そんな超速度でニョムニョム成長するものじゃないですよね?

 でも今回の魔素迷宮で魔法や武器を沢山使いましたし、成長度合いが期待できるのでは!

 何時もの私に比べると大分頑張ったからね!


 ささっとメニューを開いてスキル欄を確認します。どれどれ!


【調薬】Lv30 【革細工】Lv22 【騎士棒術改】Lv1 

【支援魔法 付与・劣化】Lv14 【魔法 風】Lv17 【従魔】Lv3


 おおー!? 結構あがってるんじゃないですかねコレ!

 比較対象が無いから伸び率は良く判らないけど、ちゃんと色々行動した結果がスキルのレベルとして出てくれているのが判って、ちょっと嬉しいですね!


 って、アレだけ沢山ゴーレム倒したのに【騎士棒術 改】のレベルが0から1に上がっただけなのが、少々寂しい感じではあります。


 何でだろう、ミニゴーレム君は弱点ばかり叩いていたから、余り頑張ったポイントに換算されなかったのかな? 道中のゴーレム君も膝カックンして逃げてきちゃったしね。


 そう考えると妥当な成長なのかな?

 あっそうだ、レベルが1になってるって事は、多分一番最初の必殺技が使える様になってるんじゃ? 何でしたっけ、ほら、えーっと、ああそうそうアクティブスキル! って奴です!


 恐らく魔法と同じ感じでスキル部分を突いたら確認出来るんじゃないかな? と思いつきましたので、早速人差し指を【騎士棒術 改】の所に伸ばして確認してみます。


 おっ! やっぱり正解だったようです!


 まず見覚えのある【強打】というアクティブスキルが目に入りました。

 強めに殴るっていう凄い判りやすい技ですよね。


 スキルの説明も『通常攻撃時より大きいダメージを与える』っていうまさにソレって感じの文章ですし。


 でもカイムさんと特訓した後に、棒のスキルが無くなって【騎士棒術 改】がレベル0だった時は、この一番基本っぽいスキルである【強打】も使えなかったんですよ。

 ココに来る道中でゴーレム君との戦闘時に試した事があったんですが、ワードを発しても何も反応が無くてビックリしたものです。


 でも、冒険に出発した時に【騎士棒術 改】のスキルレベルが0だった訳ですので、当然と言えば当然なんですよね。


 そして、見たことの無いもう一つのアクティブスキルがあるのを確認しました。

 その名も【痛打】という、あれです、名前からして痛そうな奴です。


 スキルの説明内容は『対応した状態異常の、発動確率や効果を増強させた一撃を放つ』って書いてありました。良く判りません。

 ニュアンスで把握するならば、何か攻撃の確率がアップして増強するみたいですね。


 んー理解とは程遠い気がしますが、こういうのは試せる相手に出会ったら、一度使ってみるのが一番早いでしょう。


 色々と未確認の事項を処理する作業も滞りなく完了いたしましたので、アイテムボックスから武器を取り出しなおして腰に納め、岩から立ち上がって先に進むことにしたのですが。


 ……気が付いたら、少しはなれた所と正面に鳥が一羽づつ佇んでいるんですよね。

 というか、あからさまに此方を見ているのが判るんですよね。


 ちょ!? いまポコ豆切らしてるからコレマズイ状況じゃないでしょうかね!?

 捧げ物がないと攻撃されちゃうんじゃないですか!?

月曜日お休みさせて頂きました。

5月末まで月曜日更新が怪しい、と前にお伝えしましたが。


6月末まで、に期間が伸びました(死

色々と予定が襲い掛かってきてこの様な事態に! 俺のせいじゃ無いのに!(他からのしわ寄せ

暫く週2更新になってしまう可能性が高いので、どうぞご容赦頂けると(汗

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ