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015 スキル吟味 と 神殿護衛騎士

 では、ドキドキの生産系統スキル吟味を始めるとしましょうね。


 次々と光と共に現れるプレイヤーさんの邪魔にならない様に、噴水の前からチュートリアルに転送される時に座っていた街路樹の枠石へと移動します。

 良く見ると街路樹の横にある真っ白い建物は、神殿か何かのようですね。でかい。


 枠石に腰を落ち着けるとメニューを開いてスキル欄を表示させます。

 そういえばスキルを取得するために【習得P】が必要なのは聞いたけど何処から選ぶんだろう。


 そう思いつつスキル欄のいろいろな場所をツンツンと突いてみると【習得P 20】と表示されている場所へ指を向けた際に【スキル一覧】という別パネルが現れました。お、これですね!


 最上段に文字を打ち込む場所があり、キーワード検索? が出来るようになっているみたいです。

 あとは大雑把な区分けとして【生産】や【戦闘】などタブ分けも出来るようです。


 もちろん【生産】タブに指をストンと打ち込みます。


 キーワード検索は取り合えず置いておいて、上からのんびり手動で確認しつつ進めていく事にしました。うわー、これは色々と大量にありそうですね!

 パネル横にある矢印マークをグリグリと指で突きますと、グワーっと下のほうへスクロールしていくスキル群。やっぱりポーションとか作るのが良さそうかなぁ


 とりあえず、お料理スキルはとらない方向で行くつもりですが。ゲームの中だから冒険して見ても良い様な、そんな気もしますけれど。お料理の事は後々決めていきましょうか……


 えーっと、お薬を作るスキルはどれだー? これかな?

 【調薬】というスキルの名前を人差し指でツンと突いて見ます。予想通りです。

 お薬っぽい説明文が出てきました!



 【調薬】

 様々な薬品を作成するためのスキル。

 主にライフ、スタミナ、マナポーションなどの回復薬や、各種状態異常の回復薬などを作成できる。

 スキルを行使するには【調薬キット】が必要。



 ふむふむ……ふむぅ!? 【調薬キット】ってなに!? 

 【調薬キット】と書かれている場所を指先でツン。


 

 【調薬キット】


 【調薬】スキルを行使するために必要な備品群。

 高価なものになるとスキルの成功率を底上げしたり、特殊効果を発揮するものもある。



 ……ってそりゃそうだよね、材料を素手で捏ね繰り回したらお薬できましたー! ってなる訳無いよね。盲点だった。【調薬キット】をどうにかしないといけないですね。


 チョットだけ素材かなにかを売却してお金を作らないといけないかなぁ


 取り合えず【調薬】スキルは取るつもりだったので【習得P】2ポイントを消費して取得します。

 すると、ピロリン♪ という音と共に目の前に文字の書かれたパネルが出現します。


====================================

 練習クエスト【調薬】


 クリア条件 ※ 薬草十個の入手 ※


 まずはライフポーションの材料である【薬草】を入手しよう!

 【薬草】は【始まりの町】の北側、または東側の平原や森に自生している物があり、採取できます。

 または薬品店や雑貨店で生産材料として購入する事も可能です。


 報酬 【初心者用調薬キット】 一個

====================================


 これが【ガイド】さんが説明してくれた練習クエストかな?


 っていうか報酬で【調薬キット】もらえる! やった、助かった! 練習クエスト万歳!


 ところで、今現在いる所からどちら方面が北側なのだろうか。

 いまだに地図の存在を確認できていないのです。これは困った。


 付近のプレイヤーさんに聞いてみようかな、とも思ったのですが通り過ぎていく方々は颯爽と移動していってしまいます。外へ向かって魔物との戦闘に明け暮れるのでしょうか。

 プレイヤーさんが立てた露天商ぽい物も噴水周りに沢山あるのですが、何も買わないで情報だけ頂くのも忍びない。


 どうしようか……と辺りを見回していると、神殿の入り口横に二人づつ同じ格好をして、同じ武器を携帯した人がまさに警備員、という風で周りに視線を向けつつ立っているのに気がつきました。


 なかなか迫力がある感じの人達です。

 白い金属鎧装備一式で凄い統一感があります。マントも真っ白。神殿の方かな?


 ちょっとお声をかけて、町の北か東に出るための出入り口がどの方向に有るか、尋ねてみることにしました。動き回っていないから話しかけやすいですしね。


「あの! お仕事中の所すみません!」


 近寄って白い装備の男性に声をかけます。見上げるくらい背が高い。


 まるっきり大人と子供が会話してますという状態なので、右手をビシっと上に突き出してここにいるアピールを行ないます。

 私の声に気が付いた男性は横に顔を向けると、わざわざ私の前に跪いて胸を手に当ててお辞儀をしてくださいました。うわー! マントがブワッサーっていってる! 白い鎧と相まって凄い絵になりますね!


「なんの御用でしょう? 安寧の女神様の神殿をご利用の方ですか?」


 安寧の女神様というのがこの神殿のご本尊様なのかな。

 とてもゆったり&まったりしてそうな女神様で好感が持てる。


 利用者って聞いてくるって事は、何かしらの目的があって人が来る場所なのかな?

 それともお祈り目的って意味だろうか。


「いえ、えっとその、この町の北門か東門へ行きたいのですが、どの道を進めば辿り着けるのか良かったらお教え頂けないでしょうか?」


 取り合えず神殿の利用者というのがどう言う意味なのか謎なので、男性に声をかけた目的である北門か東門へのルートを聞きます。


「道ですか? 違っていたら申し訳ないのですが、貴女は女神様の祝福と加護を授かりし【依り代】(アバター)を持つ、祝福の冒険者とお見受けしたのですが」

「あ、はいそうです、新米冒険者のフワモと申します!」


 おお、ここでも出ました【祝福の冒険者】のワード! プレイヤーの別名であることはもう明白ですね。でも一体どなたの祝福なのだろう? この神殿の女神様かな?


 リアさんの言っていた【楔の祝福】ともまた違うような気もしますけど。


「それでしたら、加護の力で発現する『メニュー』を開いて『システム』という項目から周囲の地図を確認できるはずですよ。方角もしっかりと表示されるはずです」


 そしてあっさりと告げられる驚愕の新事実!


 メニューの中身は全部チェックしておきなさい、と自分で自分に言い聞かせておけばこんな事には!

 思わず地面にガックリとうな垂れそうになりましたが、そこは気合でググっと持ち直して。


「……あった! 無事確認できました!」


 男性に説明された通りにメニューを開き視線を彷徨わせると、何という事でしょう。


 【スキル】の下にありましたとも。【システム】という項目が。

 そしてちゃんと存在しましたとも。マップという単語が!


 他にもいろいろと項目があるようなので、薬草集めが終わったらしっかり忘れないように確認しましょう。


「良かったです! もし地図に頼らないのであれば、あの噴水の魚のオブジェの口の向いている方角が北、と覚えると良いですよ、フワモ様」


 あの『つ』の字に折れ曲がって止め処なく水をウボーっている胃酸魚(風評被害)の口が向いてる方向ですね。あっちが北なのか。覚えておこう!


「助かりました! どうもありがとう御座います!」


 ペコリと頭を下げますと男性は立ち上がって腰に佩いている剣の柄に手を添え、ビシっと決めの姿勢を取りました。


 さらっとカッコイイ。なんというかもう、身に付けた装備の質からして全然違うという感じですね。

 まだ新米冒険者である私と比べるのも何ですが。

 でも重そうだし、私には金属鎧とか装備できなそう。


「いえいえ、神殿の護衛騎士たるもの、祝福の冒険者様のお手伝いも聖なる義務の一つですので。どうぞお気になさらず、何時でもお声をお掛けください」


 男性の返事とともに、他の三人の方たちも同じ姿勢を取り頭を下げられました。

 ひぃ! そんな頭を下げられるような存在ではないのでお止めくだされ! プレッシャーが!


 でもやっぱり騎士さんだったんだ! 動きがそれっぽいから、そうじゃないかなーと思ってたんですよね。白い金属鎧と剣にバサっと翻るマント! まさに、って感じです。


「良かったらお名前を伺っても宜しいでしょうか?」


 また質問等お願いするかもしれませんので、お名前を伺っておきます。


 いろいろと知らないことに関しては定評の有る私フワモでございます。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥と言いますし! 基本的な知識は非常に大切です。


「ええ、良いですよ。私は【アレイア】と申します。ご覧の通りの神殿護衛騎士で、神殿入り口の警備をしておりますので御用の際は此処にいらっしゃって下されば」


 アレイアさん アレイアさん アレイアさん……よし、覚えたぞ! 騎士のアレイアさん!

 両手でこめかみをグリグリしつつ脳内で暗唱します。第一村人ならぬ第一騎士さんです。しっかりと覚えておかねば。


「はい、わかりました! それでは私は町の外へ行かないといけないので失礼します!」


 頑張って薬草をゲットしてこなければ私の生産への第一歩が踏み出せないのです。

 待っていておくれ薬草。取りつくされてたりしないと助かるなぁ……


「町の外には弱いとはいえ魔物がおります、どうかお気をつけて!」


 アレイアさんがガツンと胸にコブシを当て、そう言葉をかけてくれました。

 よーし、応援頂いたし、気合入れていこーう!

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