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157 初の 採掘 スタミナが!

黙々と叩く。

そして訪れる絶望(大袈裟

 硬い石床に直接座り込んで休憩するのは、ちょっとお尻ゴリゴリ風味な事に気が付きましたので、アイテムボックスから私謹製クッションを取り出して、床とお尻の間に挟む事にしました。

 流石に尻尾をクッション代わりにする訳にもいきませんので。


 ステータスメニューを確認した所、スタミナが危険なボーダーラインを突破している量なので、暫くこのY字路で休むつもりですからね。


 それにしても、このまま右通路の先にあるゴーレム君部屋は丁重にご遠慮するとして……次はこのY字路の逆側、左方面に進むしかなさそうですね。今が戻り時なのかもしれませんが、もうちょっと、もうちょっとだけ頑張りたい。

 スタミナの黄色いバーがユルユルと延びて回復していく様を眺めつつ、アイテムボックスを開いて中身を確認……【薬効ゴケ】は20個とチョット確保できているようです。


 あーこうやって確認してると目に付きますが、例のチュートリアルフィールドで入手した素材もこのままでは『何時になったら薬になれるんだい!?』と文句を言ってきそうな状態になっていますね。


 この【薬効ゴケ】使用法をメディカさんにお伺いする時に、一緒にこのあたりの貴重品っぽい素材の加工方法もご教授願いましょうか。図書館で書物相手に止め処なく視線を彷徨わせるよりは、やっぱりメディカさんの豊富な知識に頼った方が、私の書物内容検索能力に望みをかけるより確実ですよね。


 作成難易度が高くて、全部失敗してしまうような物でない事を祈ります。


 まぁ、このまま尻込みして死蔵しているよりはマシでしょう! 頑張るんだぞ未来の私。

 先回りでセルフ応援だけはしておくので、メディカさんにちゃんと使い方を聞くんだぞ。


 ついでなのでアイテムボックスからメモ帳を取り出して、メディカさんにポーションの知識を色々とお伺いする! と書き込んでおきます。


 その後、ノンビリと股間の所から前へ出ている尻尾で自給自足モフりをしつつ、ついでに取り出したふわふわブラシで毛並みを整えておりますと、スタミナとマナのゲージがほぼ最大値まで回復しました。


 よーし、先に進む準備は整いました。尻尾の方もほぼ完璧。


 立ち上がってクッションをアイテムボックスに仕舞いこんだ私は、今度は左の通路を進むべくランタンに岩虫君の魔石を追加補給した後に、棒を握り締めてゆっくりと歩みを進めます。


 先ほどY字路に到着した時に、左通路方面にも軽くランタンの光を向けて確認してみましたが、見える範囲で魔物がいるような雰囲気はありませんでした。


 適当に牽制の意味合いも籠めて【風の刃】を一発、光の届かない通路の奥へと飛ばしてみます……耳を澄まして数秒。


 んー特になにも物音はしないかな?


 飛ばした【風の刃】も何かに命中することなく、恐らく射程距離を超過して消えてしまった模様です。

 命中音がしませんでしたので。


 視界の端に見えた【薬効ゴケ】をペリペリしつつ奥に目を凝らすと、このあたりにも魔素迷宮出入口付近で見かけた、色の違う鉱石っぽい岩石が転がっているのに気が付きました。


 点在している感じなので流石にアレはゴーレム君の体の一部では……無いよね?


 コケを剥がし終わった私は、一応警戒しつつ岩石に近づいてボコリと一発棒で殴ってみます。

 うん、反応なしですね!

 ポンと棒が岩石にヒットした部分から飛び出した数字は、20と言う中々のダメージ量。


 先ほどの迷宮壁に比べると、大分強度が低めに設定されているのでしょうか。

 ちょっと岩石破壊が出来るのかどうか頑張ってみようかな?


 意外とこのサイズの物なら行けるのかも?


 一度考え始めると気になって仕方が無かったので。

 一応は周囲を見回して動く影がない事を確認しつつ、ランタンを腰から外して足元に設置しますと。


 スタミナを無駄に消費しないよう、余り力まないように気をつけつつ……棒を振りかぶってボコボコと岩石に対して攻撃を開始します。


 カァンカァン! と叩くたびに何やら凄い良い金属音が響き渡っております。

 ダメージは増えも減りもせず20で固定のようですね。


 きっとこれも適切な器材を使えば、もっとダメージが大きくなり安定して掘削出来る様になるんでしょう。


 数十回目に打撃を加えた時点で、ビシリと岩石にヒビが入りました。

 おお! これは意外と適切な器材じゃ無さそうな棒武器でも、鉱石の採掘作業できるんじゃない!? 地面を掘り進めたりするのは流石に棒じゃ厳しそうだけど!


 スコップとか用意した方がいいよね多分。


 そして岩石にヒビが入った時点で、スタミナが2割を切りましたので休憩を挟む事にしました。ふぅーコレは結構な重労働ですね。

 もしかしなくても、スキルで採掘時のスタミナ消費を軽減したり、岩石に与えるダメージが増える、という様な物があるのかもしれません。多分【採掘】とかそういう感じのが。


 私はそんなスキル持ってませんので、素人が頑張ってやっている感じになっているんでしょうか。そりゃスタミナゴリゴリ減りますよね。良いんです、試してるだけですので。


 それにこの作業は私には向いてない気がしますし。

 叩いていくだけで素材が手に入るのは、結構どころか凄い嬉しいのですが。


 絶対に狐人が従事する作業じゃないですよねコレ。

 もっと筋肉がバキバキな逞しい肉体をお持ちの人がやるものでは。


 ドワーフとかが作業している光景を想像すると、物凄く違和感無く脳内にその様が浮かび上がってきます。似合いすぎて怖いくらいですね。流石ドワーフ、私に出来ない事をやってのけます。頼りになりますね。


 ペタペタとヒビの入った鉱石岩を撫でつつ、そんな無駄に汗の香りが漂いそうな筋肉事情を思い浮かべておりますと、メニューに表示されているスタミナゲージが8割方まで回復しておりました。


 よーし、ない筋肉の事は諦めて、気合とハートの強さで続きを進めていきましょう!


 その後、恐らく時間にして10分位の作業時間でしょうか……ついに一つの鉱石岩を完全破壊する事に成功! いやぁー途中で休憩を2度挟みましたよ。

 この貧弱ボデーのスタミナでは仕方がない事ですね。


 多分現実の私ならば休憩どころか、腕が動かなくなっている可能性が大。

 産まれたての動物よりも酷いことになります絶対。助けて筋肉。


 完全に破壊された岩石は、例の七色の光になってスーッと消えていきました。


 この岩石も敵と同じでまた何処かにポン! と復活したりするんでしょうか。

 さすがに無いかな……謎ですね。


 岩石が消失した直後に、地面に大量の鉱石が転がり出てきましたので、鼻歌交じりで回収する事に……あれ、おかしいな!? これ意外と嵌ってしまいそうな楽しさがあるぞ!?


 ……鉱石破壊を継続できる筋肉があったら、ヤバかったかもしれません!


 地道に移動しつつ拾っていくポーション素材とはまた違った、頑張って苦労した後にドバっと素材が出現するこのカタルシス! これもこれで良い……自分で使えない素材なのに集めちゃいそうで怖い。


 いかんいかん!

 このままでは通路で岩石破壊に勤しむだけで、貴重な日曜日午後が終わっちゃうよ!

 迷宮の罠はこんな所に存在した!


 少し進んだ所の壁にめり込んでいる、先ほど破壊したのと同じ色合いの岩石は見なかった事にするとして、今回収した鉱石が何だったのか確認する為に、素早くアイテムボックスを開きます。


 半分以上は見覚えのある赤いというか錆び色の鉱石だったので、鉄鉱石じゃないかなと思います。残りの物は何だか青っぽい色彩のものでしたが。鉱石に詳しくないので全く判りませんね。


 たっぷりと素材の入ったアイテムボックスの表示をスライドさせ、鉱石のあたりまでもって行きますと……あーこれかな? 【銅鉱石】という物が増えておりました。ふむぅ銅……銅ですか。


 銅ってどうやって使うものなんでしょうか。あっ駄洒落じゃないですよ!?


 イメージとしては……何だか鉄より柔らかいっていう感じなのですが。

 なにか特殊な使い道が有るのかな?

 まさか銅線を使った電線とか? 流石にこの世界で電柱を見た記憶がないから違うかな。


 これは金属関係ですし、ゲイルさん辺りにお伺いしたら一発かな?

 冒険から町に戻ったら聞いてみよう。そしてこれもメモ帳案件です。書き込みますよー!


 メモ帳を仕舞うついでに水筒を再び取り出しお水を一杯頂きます。いやーこうやってノンビリ採取ばかりしていると、緊急時用のスタミナポーションにお世話になる事態が全然無いですね。


 使わないで済むならそれに越した事は無いのですが、念のために取っておいたポーションがそのまま残っている状態に少々悲しみを。

 もっと激しく冒険しようぜぇ! っていう事なのでしょうか。

 パーティプレイならば足並みを揃える為に、回復時にポーションを使う事も吝かでは無いのでしょう。


 一人プレイの利点、そう考える事にしましょう。うん。


 さあ、岩石破壊にハマってしまう前に先に進みましょう。

 鉱夫として生計を立てて行くつもりは毛頭無いのです。


 そして先に進むこと1分少々……私の正面に絶望が。


 どうみてもあれは小部屋です。ええ、多分先ほどと同じ形状の部屋ですね。

 そしてご丁寧に岩が沢山転がっております……こっちもじゃないかぁー!?

※ 追記 ※ ちょろっと修正をしましたー

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