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155 迷宮 採取 楽しいな!

前進。

 温かい声援も頂けました事ですし、引き続き採取活動の方頑張って進めていきましょうか。


 取りあえず……敵から入手するもの以外で素材になりそうな物を、片っ端から拾って収納していく形で良いでしょうかね? どれが必要な物なのか皆目見当がつかないですが。そこは余り信用ならない私のインスピレーションで何とか。


 先ほど拾った【薬効ゴケ】は、基本見かけたら全部回収する形にして。

 その他のものは……アイテムボックスの容量と相談しつつという感じで!


 そういえば、今現在アイテムボックスの残り容量がどの程度あるのか、確認しておりませんでしたが……中に物が入らなくなった時点で、必要不必要を取捨選択しつつ、整理整頓すれば良いでしょうかね?


 今のところ、私の手で捻じ込まれたアイテムが収納できなくて、ポロリと地面に落下するような事態には陥っていないので、恐らく大丈夫だとは思うのです。


 よし! それでは程よく素材量が集まるまで頑張りましょう!


 気分でグリグリと体を動かし軽く準備運動をしまして、ふん! と小声で気合の掛け声。


 ついに進み出た迷宮の通路は、所々やっぱり人の手が加わっている様な印象を受けますが……殆ど自然に出来た洞窟の見た目をしている感じがします。まぁ私は本物の洞窟に行ったことは一度も無いのですが、ニュアンスと言いますか、その辺でご理解いただけると幸いです。


 あれです、映像とかで見る鍾乳洞っぽいイメージで。


 でも水滴がポタポタしている感じでは無いので、最初からこういった洞窟感溢れる感じで、鍾乳石の様なものが乱立しているマップなのでしょうね。湿度はそこそこありそうな雰囲気ですが、このVRなボディですと、そういった湿気感を感じる事が出来ていないのかも?


 足元を注意しつつ、ランタンの光を頼りに移動しておりますと、チラホラと壁に例の【薬効ゴケ】がくっ付いているのを発見する事ができます。

 この素材はもしかしなくても、迷宮以外にも存在する洞窟っぽい場所に、普通に自生しているものなんでしょうかね。これは他の場所で洞窟を発見したら探索してくださいね、という啓示か。頑張ろう。

 ……このコケって、小さく千切ったりして何処か暗い所に貼り付けておいたら……モリモリと増えたりしないかな。駄目かなぁ……うーん。


 そうだ! 忘れないうちに【薬効ゴケ】の詳細を確認しておこう。どれどれ?


 アイテムボックスに表示された【薬効ゴケ】は、薬草や鉄鉱石と同じ様に10個束で保管される素材アイテムの様です。このタイプはスペースが少なく済むので助かりますね。


=====================


 アイテム名 【薬効ゴケ】

 等級  良質(アンコモン)

 品質 ☆☆☆☆☆☆

 破損度 問題無し

 属性 ※回復『ライフ 微』 ※回復『スタミナ 微』 ※空腹回復『微』

 付加能力 ※色彩『深緑』

 効果待機時間 10カウント

 詳細 暗く適度に湿度のある場所に自生するコケ。

    服用する事で、微量の回復効果がある。

    味は殆ど無く少々青臭い風味がある。

    このアイテムは他の素材と組み合わせることで真価を発揮する。


=====================


 ふむぅ、これは【薬草】の亜種というか、似たようなタイプの素材と言う感じ?


 ライフとスタミナ両方が回復する物の様で、回復アイテムが尽きて大変! という緊急時には、このままモグモグと咀嚼すれば良いのかな? 毒キノコを口に入れるよりは忌避感を感じないので、私的にはこのまま生食で行けそうではあります。個人的には生肉よりはこちらの方が難易度低め。


 でも説明文に記載されている『他の素材と組み合わせることで真価を発揮する』の一文が非常に気になりますね。これは多分ですが【薬草】や【活力キノコ】等のポーション素材と一緒に混ぜて使う事によって、何かしら違った効果を発揮する素材と言う事でいいんですよね?


 今度ポーションを作るときに、色々と実験してみましょうか……いや、こういう新しい素材を手に入れた時は、この道のプロであるメディカさんに使用方法をご教授してもらうのが良いかも!


 私がこの素材を適当に使っても、恐らく失敗する可能性のほうが高いでしょうからね。

 混ぜ合わせる事で完成するアイテムの名称が判明すれば、多分【調薬】スキルのリストから単語検索する事で、調合する為の手順は確認できそうですからね。後は実践あるのみで!


 まぁこの【薬効ゴケ】さんから作れる【調薬】アイテムがどの様な物なのか、という部分が一番大事ではあるのですが。

 この【薬効ゴケ】自体が回復アイテムみたいですので、恐らく普通のポーションよりも強い回復アイテムが出来るんじゃないかな? というのが私の予想です。


 それかライフとスタミナのダブル回復アイテムになるとか!


 色々と【調薬】スキルの今後について楽しく考えつつも、移動しつつ壁にくっ付いている【薬効ゴケ】を引っぺがす作業に余念は御座いません。数はそこまで見かけませんが、少し移動すれば次のものが壁に張り付いている、という位には自生しているアイテムです。


 このペースで採取できるアイテムですと、100個は行かなくても50個位は到達しそうな勢いです。今現在非常に金欠ですので、素材たっぷりなのは助かります。


 一応ですが、目に付いた鉱石アイテムも、ある程度アイテムボックスに放り込んでおりますが……こっちは自分用というよりは売却用でしょうか。

 迷宮の入り口周辺で、鉱石買取しますーという声を聞いた記憶がありますので、ここから脱出した際にアイテム買取プレイヤーさんの所へ持って行って、全部売却しても良いかも知れません。


 そんな事を考えつつ、脳内で買取プレイヤーさんとのやり取りをシミュレートしていた私の正面に、ついに現れました分かれ道!


 いきなり3方向へ分かれているという高難易度ですよ。

 先ほどの華やかパーティさん達はどちらに向かわれたのか。


 と言うか……恐らく魔物と戦闘しつつ進んでいる筈なのに、採取しかしていない私よりも断然進むのが早いというこの凄さです!

 取りあえず特に気にしないで適当に道を進めばいいかな?

 既にご挨拶済みの方々ですので、バッタリ遭遇しても、普通に笑顔で応援を交わすことが出来ますし。


 それでは進行方向を決める方法は……あれですね、古典と言うか神頼みと言うか。


 腰に納めっ放しになっている棒武器を引き抜いて、地面にまっすぐ立つ様に右手で支えて設置しまして……手を離す! カラン、と音を立てて棒が倒れたのは、私から見て右手の方向……うん、進行方向は右で決定すね。


 おっとそうだ、一応進む前にマップを再度確認しておきましょう。


 アイテムボックスを一旦閉じてメニューを操作し、マップ画面を正面に表示させます。


 えーっと……スタート地点が南で。

 そこから一本道を北上してきて……ここで3方向に分かれ道と。


 つまり魔素迷宮での冒険本番は、この分かれ道から始まるみたいですね。

 とはいっても、存在する迷宮が全部こういった形状だ、という事では無さそうですけれど。


 なにせこの魔素迷宮、名前に『迷路』とか付いていた位ですから。


 そのお陰で、内部構造も迷路なんだろうなーと私にも容易に想像が付きます。

 本当にマップを手描きする羽目にならなくて済んで、ホッと胸を撫で下ろす心境です。


 最悪の場合は、方眼紙と定規を用意しないといけない所でしたよね。


 さあ、ココからは先行している人が居ない可能性のあるエリアです!

 いっそう気を引き締めて進みませんと、町に戻される危険性を孕んでおりますよ。


 ココからは不精しないで、アイテム収集もゆっくりと穏便に進めつつ『アイテム収納』コマンドを用いて一個づつ保管する事にしましょう。


 そうしないと、武器を構えながら迷宮内部を進むのが、色々と困難になってしまいますからね。


 しっかりと周囲を警戒しつつ、また一つ発見した【薬効ゴケ】を壁からペリペリしている際に、非常に見覚えのある大きい石が、床を移動して此方に近づいて来ているのを発見しました。


 むむ、あれは岩虫くんですな!

 ココでは擬態はせずに、ああやって魔物の方から近づいてきてくれるんでしょうか。

 それともココが通路だからなのかな?


 相手はあの大量に相手をして慣れている岩虫くん、一匹だけの様でしたので、焦らず騒がす油断せず! できっちりと対応しますよ!


 通路の途中に【風の壁】を何時も通り設置、武器に強化魔法をかけますと、ゆっくりと岩虫君に近寄ります。この辺まで近寄れば多分……例のスプレーが来る筈!


 私の予想通り、私と岩虫君の相対距離が2メートルを切った辺りで、例の痛いスプレーを噴射してくる岩虫君。しっかりと【風の壁】で相殺して一気に近寄り、あとはボコボコと叩くだけです!


 テクニックなんて必要ないのです! THE ごり押し! これに尽きます!


 相変わらず硬い手応えですが、反動で手が痺れたりもしませんので、情け容赦ない攻撃を披露します。

 攻撃回数が大体10回を超えた辺りで、ビョンと飛び掛って体当たりを仕掛けてくる岩虫くん。


 ふっふっふ、それも何度か見たことのある攻撃なのだよ!

 しかも体当たり攻撃はラビ君ので避けなれているのだ……相手が悪かったようだね!


 体を半歩程度横にずらして、体当たりと言うか岩虫君のその身体全部を使った投石(?)攻撃を回避します。あと何やら、こうやって回避している最中にも例の『◎』マークが相手に表示されるんですよね。


 先ほど大量の岩虫くんと戦闘していて気が付いたんですよ。


 それから何度か、すれ違い様に棒でゴツンと叩いてみようと思ったのですが……これが中々難しいのです。ボールをバットで打ち返す感じになるので、私には少々難易度が高いんです。


 学校の部活で野球とかしてる男の子だったら出来そうかも? カキーンと!

 そして今回も安打を狙った私の棒は空振り……命中させられず三振アウトです。


 良いんです、このあと岩虫君が着地するタイミングでエイヤー! と棒を床と岩虫君の隙間に突っ込んでひっくり返すと、簡単にコロっと裏向きになるので!


 地面から離れた直後で、足がまだしっかりと地面を噛んでいないらしく、接地力がヨワヨワになっているみたいなんですよ。だから私の力でもクルリと反転。


 あとは先ほどと同じ様に、裏側をあまり見ないようにして棒で叩けば終了!

 今回も指先ほどの魔石を落としてくれました。これはランタンに入れておこう。

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