150 現実世界 で お食事を
寝れる。
日曜日の朝から昼までゲーム三昧。
色々とラティアちゃんへのお土産が出来た事に対して、こんな周囲が暗い場所にも関わらず、非常に満足感を得る事ができました。待っていてねラティアちゃん! 面白アイテムを沢山持って帰るからね!
そういえばフィーアさんに覗き見のご報告をした後、公園の方はどうなったのかちょっと気になりますね。カイムさん曰くはGMさんに報告したなら安心、って言ってたけれど。
まぁ前回覗いている人に気が付いたのもカイムさんだったし、何かあったら何とかしてくれるかな?
それにしても、報酬アイテム添付メールを送ってくれたGMさんとフィーアさん以外に、どれ位の数GMさんがお仕事をしているんでしょうかね。こっそりプレイヤーの中に混じる形で、あちこち見回り警備していたりする可能性も有るんじゃないでしょうか。
唐突に現れたりする以外は見分けが全然つかないですし。
メニューから開きっぱなしになっているメール欄に表示されている、システムメールの内容をもう一度軽く眺めつつ、そんな事を考えておりましたが。
このメールどうしよう? 消しちゃっても良いのでしょうか。
メールのメニューに『受信メールを保存』という項目があるし、折角の初メール(GMさんからですが)だから記念に取っておこう。うむ、保存完了!
あと一応お返事も出してみようかな? 出せるのか謎ですけれど。
えーっと、メール返信を選択してと……ふむ?
一応返信記入欄が表示されましたので、GMさんに対しても返信は可能なのかな?
よーし、簡単にお礼の言葉とお仕事頑張って下さい的なメールを……あとフィーアさんに宜しく伝えてもらおう。今もアチコチ移動しつつお仕事してるかもしれないし。
……よし、返信メール完成! アンド送信ボタンとりゃ!
……無事エラー等が出る事もなくメールが送信された模様です。
良かった良かった。始めて使う機能でしたので少々緊張しましたが大丈夫でしたね。
これで次回メール機能を使う時も安心です。何時になるのかは謎ですが。
さてさて、これで魔素迷宮に関する事項は処理完了したかな?
今後の予定はどうしたものでしょうね。
まだ日が落ちてからあまり時間が経っていませんし、流石にテントを用意して睡眠の実験をするのも早すぎる気がします。今寝たら目が覚めるのが明け方になる予感を強く感じますよ。
あーそうだ、折角こうやって魔物の出てこない場所にいる事ですし、公式の掲示板でゲーム内睡眠について少々検索して調べて見ましょう!
地面に放置してあった、お好み焼きの紙皿と箸をアイテムボックスに放り込みまして、コミュニティ欄から掲示板にアクセスします。
きっとゲーム内睡眠については、他の皆さんも何かしらアプローチをしているに違いありません。テントなんてあからさまに夜この中で休んで下さい! っていう感じのアイテムですし。
えーっと、検索キーワードは……『ゲーム内 睡眠』で良いかな?
検索終了まで暫く時間が掛かる様でしたので待っておりますと、大体20秒程経過した辺りで大量の検索結果が眼前のメニュー板に表示されました。
どわー!? 何々!? 私ってば、また絞込みのキーワード選択を誤りましたか!?
適当に表示されている内容を確認してみましたが、どうやら敵からの攻撃を受けて睡眠の状態異常とやらになったー、というお話が記載されている所も全部抽出されてしまっている様です。なるほど。
もうちょっと検索ワードを変更してみましょう……
んーっと『ゲーム内 寝る 方法』ならどうかな?
アイテムボックスから水筒を取り出して、お水をチビチビと飲みつつ暫く検索終了まで待ちます。ゲーム内だとちょっと検索に時間が掛かっている気がしますね。
ログアウトした状態での掲示板操作は、それほど待ち時間は長くなかった記憶があります。
っていうかそうか、ゲーム内は2倍加速の世界だから、当然の如く待ち時間も2倍になるのか。掲示板って公式サイトにある物だから、確実にゲーム外へアクセスして検索している筈だもんね。
これは仕様の問題でしょう。
キーワードの区切りを3個に変更した影響なのか、先ほどよりも少々長い待ち時間が経過した後、検索結果が私の眼前に表示されました。それでも数ページに渡る検索先が記載されておりましたが。
先ほどの量よりは全然マシです。
しかも一番上に表示されている内容が私の知りたい事、まさにその事についての項目でした。
非常に判りやすい名称で『ゲームにログイン状態で寝る方法』という物でしたので一目瞭然。
さっそくリンクを突いて内容を表示させてみますと、実際にログイン状態で睡眠をとってみた! という、睡眠は可能であると言う確定情報を得る事ができました。
何やらHMDのスリープモード? とやらに移行するらしく、最小限の接続処理のみを継続しつつ、脳を休める効果があるとか? 他のVRゲームでも存在したシステムらしいです。なるほどなるほど。
何となく記憶に残っているのですが【ふわもこファーム】には、ゲーム内で睡眠をとる機能が無かったんですよ。というか【ふわもこファーム】プレイ中にリラックスしすぎて眠ってしまったりすると、勝手にHMDが機能を終了させる感じだったはずです。
ええまぁ、何度かVR本を読みつつ眠ってしまった経験が私にもありますので。
その後、目が覚めるとHMDを装着したままベッドの上ですよ。
何というかそういう状態で眠ったりすると、睡眠経験的に損をした気分になりますよね。
もっとしっかりとした状態で眠ろうという感じで。
まぁ全面的に眠いくせにVRゲームしてた私が悪いんですが。そこは見なかった事で。
私のVR睡眠記録に関してはとりあえず置いておくとしまして、記載内容の続きを読む事にします。一応は何かしらの接触反応で目を覚ますとの事でしたが、幾つか目覚まし機能を活用をすることも可能だとか。
一つはシステムから選択できる【目覚まし機能】で起床時間を設定する事。
もう一つはアイテムとして存在する【アラーム時計】を使って起きる事だとか。
そんな時計もあるんですね。
機能が追加されているという事は、お値段もそれなりなのでしょうか。
っていうかシステムで【目覚まし機能】があるなら、アイテムの目覚ましは購入する必要が無いのでは、と思っていたんですが。
ちょっと考えてみて、もしかしなくても【アラーム時計】の方は、例のメニュー機能が一切使えない超危険区域である【魔の域】で使ってくれという設定の物なのでしょうか。
本気ですか。あんな所で寝るのか。
いや、逆に強引ログアウトなんて危なくて出来ないのかも知れませんけれど。
ログイン直後に襲われたら、装備品の効果が発動していなくて一発アウト!
という状況も起こり得ますからね。恐ろしい事です。
まぁ私的には、ゲームの中でも睡眠可能であるという事実がわかれば問題無しです。
無理して眠る事は無さそうではありますが、止むに止まれぬ事情でログアウト出来ない状況になった場合は、ゲーム内で休まないといけませんからね! その場合は大変な状況だと思いますけど、キャンプみたいでちょっとしたワクワク感もあります。
ゲーム内睡眠に関してはいろいろと判明しましたし、ココは私の体を使って睡眠実験するのは無しにして、ログアウトして現実の方でも何か食べた方が良いかな?
この場所でログアウトが可能なのかも、ちゃんと確認しておかないといけませんし。
今はゲーム内で大体午後6時半から7時くらいかな? と思うんですがどうだろう。
今回はログインした時に足場が不安定にならない様、周囲の状態を確認してからメニューを開いてログアウトを選択します。するとログアウトメニューの横に小さい表示板が追加で現れました。ふむふむ?
『ログアウト完了まで あと55秒』
ああ、コレが前にアレイアさんから説明を受けた、例の『一分の待ち時間』って奴ですね!
これが表示されると言う事は、この場所は魔物が出現しないだけで、ログアウトに適した場所ではありませんよーということでしょうか。でもお外でログアウトするよりは安全そうです。
取りあえず、このカウントが終了するまで動かないで待っていれば良いのかな? そう意識してしまうと無駄に緊張しますね。
指の一本でもアウトなのかと思ってしまうくらいには。
でもその場で動かないで、アイテムとかメールを確認するくらいなら大丈夫なんだっけ?
ええぃ面倒だから、とにかくビシっと直立でその時を待ちましょう!
等と無駄に色々考えている最中に、問題なくログアウトに必要な待ち時間が経過してしまっておりました。えーっとコレ何ていいましたっけ……下手の考え休むに似たり、でしたっけ。ぬぐぐ。
その後、何時もの調子で流れるように消えていく周囲の景色を眺めつつ、ログアウト完了して覚醒した私は、HMDを取り外して枕もとの時計を確認します。うん、私の予想通りお昼過ぎですね。
掛け布団を素早い動きで引っぺがしまして。簡単にお食事タイムといきましょう。
ペタペタとフローリングの床を踏みしめつつ、今日は何を食べようかなー? なんて考えつつキッチンに移動している最中、ピンポーン! とインターホンの音が室内に鳴り響きます。
あれー? お客様ですね。
いやー、物凄いベストなタイミングでの来客ですね。
もうちょっと私がログアウトするのが遅かったら、無意識に居留守を行使する事になってしまう所でした。危ない危ない!
っていうか、多分大家さんじゃないかな? 今日は日曜日だしね!
何時も日曜日に、私の様子を見に顔を出してくれるんですよ!
待たせると悪いので急いで玄関へと移動しまして、外を写しているカメラ映像画面を確認します。そこにいらっしゃったのは、手にタッパーを持った小柄なお婆ちゃん。うん、やっぱり大家さんですね!
インターホンを使うのも面倒なので、直接ドア越しに『少々お待ち下さーい』と声を掛けつつ鍵を外してドアを開きます。大家さんと私って同じくらいの身長なんですよ。親近感!
「大家さん、どうもこんにちわー!」
「お時間大丈夫かしら花乃枝ちゃん 煮物を沢山作ったからお裾分けに来たのよー」
大家さんが両手で持ったタッパーを、私に差し出してくださいます。
透明なタッパーの中には、ザックリと大きめに切られて煮込まれたお野菜っぽい物ががたっぷりと!
今回のも物凄い美味しそう! お昼ご飯前だから視覚だけで胃袋に響きますね!
両手でありがたーくタッパーを受け取ります。お昼はコレで決定です!
「わぁ! 本当にいつもありがとうございます!」
「いいのよー 何か困った事があったら何時でも相談して頂戴ねー」
大家さんの煮物! 本当に美味しいんですよーこれ!
単に私が、家庭の味という物に飢えているだけなのかも知れませんけれど。
そんな事は気にしないのです。美味しいは正義です!
玄関でちょっと待っていただいて、前回のお裾分け時に受け取ったタッパーをお返しします。ええ、勿論綺麗に洗ってありますよ? 自分のものは適当ですがこういったものは、一応ちゃんとしてます! 多分。
その後、学校の事やお父さんの事などをアレコレと会話した後、戻っていく大家さんをドアの前でお見送りします。
さて、それではさっそくこの煮物でパワーを補給しましょう!
※ 追記 ※ 発見した誤字等をチョロっと修正しました。




