表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
145/256

143 鳥と遭遇 囲まれた!?

激しく見られる。

 なるべく、崖の縁に寄らない様に山側に近いほうを歩く事にします。

 崖側は視界を遮る物がなくなったので、非常ーに眺めは良いのですけれど。わざわざ危険な場所を歩かなくても良いですよね。


 それにしても、この道はどういったルートを通っているのか少々気になり始めました。

 このままだと螺旋を描くように山の周囲を回りつつ、天辺へ登頂する形になりそうですけれど。


 流石にそのルートだと距離がありすぎる気がします。移動中に遠景を眺めた感じでは、そこまで高い山のようには思えなかったのですけれど。


 移動しつつ周囲を見回すと、ちらほらと植物の様なものが生えているのを確認できるのですが、見覚えのある薬草が目に付く程度で、まだ新しい素材と出会えておりません。


 やっぱりゴーレム君が闊歩しているし、付近に大小の岩がゴロゴロしている場所でもありますので、基本的に鉱石関連の素材が多い場所なのでしょうか。


 鉱石っぽいスキルを取得していないので、どの石がどれくらいの価値のある素材なのかといった事が全く判らないのですよね。かといって習得Pで金属加工系スキルを取っても、ゲイルさんの様に金槌でアレコレするのは、私にはチョット敷居が高すぎるのではなかろうかと思ってしまうのです。


 主に腕力的な理由もあるのですが、雰囲気といいますか何といいますか。

 私には絶望的に似合わない予感がヒシヒシと伝わってくるのです。


 もうチョット小物っぽいというか、例えばこの腰につけている暖房具サイズの物や、アクセサリとかならば行けるのでは、と思うんですけれど。


 先ほどの銀鉱石を使ってシルバーなアクセサリを作る! とか良さそうですよね。

 ちょっと山から町へ戻ったら色々と考えてみようかな。


 出掛ける前に【従魔】スキルを取りましたが、習得Pにはまだある程度の余裕はありますし、対応したスキルの種類と名称、あとどんな事ができるのかを調べて色々検討しましょう。


 そんな感じに今後のスキル習得予定を色々と考えつつ、のんびりと周囲を見回しながら道端に点在している素材を適当に採取していきます。これ以上アイテムボックスに詰め込むと微妙にマズイ気がするのですが、発見してしまったなら仕方ありません。


 しかし余り寄り道採取しまくっていると、残り時間が危ない事になりそうなので、程ほどの量で切り上げるよう心がけて進みます。


 少し進むとまた道の形が妙な事に……斜面と言うよりは段々畑みたいな地形? に変化してきた感じがします。

 と言いますか……こんな山の上の方にある場所なのにも関わらず、ちゃんと何かしら人の手が入っているような感じがするんですよね。


 今進んでいる山道も、きっとこの世界の誰かさんの手によって、ある程度整備されて作られた物なのかも知れません。国とかの事業で道の整備とかやってるんでしょうかね。


 まぁココに到達するためには、ポコポコと湯水が湧き出るかのようにゴーレム君と遭遇する場所を通らないといけない訳ですし、少々作りが荒いのは仕方のない事なのでしょう。


 先ほどの左側が絶壁になっている山道部分、崖側に何か低くても良いので、例えば簡単な手すりとか木製の防止柵というか……そういった人が滑落事故を起こさないで済むような、何か一工夫を施して欲しいなーと少々思いましたけど。


 魔物が通りがかるたびに壊される可能性があるでしょうしね……

 誰かがゴーレム君と戦いつつ、崖に近づいたら一発で壊れちゃいますよね。


 となると、この今現在歩いている山道の荒っぽさ加減は、実は道を作っている人たちにとって、一番ベストな選択なのかもしれません。傾斜がきつく崩れ落ちそうな所には、ちゃーんと手頃な大きさの岩を積み上げて作られた、日本のお城等で見かける様な石垣っぽい壁が組み上げられていますし、実は技術的観念から見たならば、中々侮れない場所なのではないでしょうか。無駄に薀蓄風味。


 そんな事を考えつつも、しっかりと一定の速度で山道を進む私を褒めて下さい。


 と言いますか……何時の間にやら標高が上がってきた様で、私の視線の高さと同じ高度で鳥型の魔物が飛び回る様になったんですけど。どういう事なの。


 俯き加減で視線を合わせないように移動しているので、向こうからのアプローチは今の所ありませんが、ちょっと不安ですね。相手がラビ君ならば近くでピョンピョン移動していても、もう動じる事は無くなったんですけど。慣れって凄いというかある意味怖いですよね。うんうん。


 私が腕を組みつつ、誰にとも無く頷きながらそんな事を考えて歩いておりますと。


 ピーヒョロロ的な鳴き声を響かせつつ、視線の先に続いている段々畑の棚と棚を繋げている階段状の山道の中央に、見た目は綺麗ですが可愛らしいとは言い難い、ビックサイズの鳥がススーっと滑らかな動きで着陸してきました。


 えーっと……多分ですが、翼を広げたサイズで計算するとあの鳥、私より大きいんじゃない?


 突然現れた珍客ですが無駄に刺激しないよう、ヘタに視線を合わせない様にフードを指で摘んでグイっと引っ張り下ろしまして……すすすーっとすり足気味の歩行で山道の端っこのほうへと移動します。

 そーっと足音を立てないように足を進めている際に、こっそり横目でフードの端っこから、山道の中央に鎮座していらっしゃる鳥の状態を確認します。


 地面に降りている大きい鳥さんは、特に私に向かって襲い掛かってくる様子も無く……首をグリグリ左右に傾げながら私の事を観察しているようです。


 その動きは、なかなか愛嬌があって可愛いなぁと思うんですが……如何せん大き過ぎる。


 地面をガッチリと掴んでいる足の爪とかも凄い鋭角で、此方に向いているクチバシ部分もスラッっとしてブスリと突き刺さりそうな鋭さ。


 無理やり脇を通り抜けると危なそうな予感がしましたので、チョット胡散臭い感じですが『ふんふーん私ーキミの事なんてー気にしていないヨー?』という感じでそっぽを向きつつ、道端の岩に腰を下ろして一息つくことにします。大きい鳥さんが私に興味を失って、その場から飛び去ってくれるのを待ってみる感じでココは一つ。


 ヘタに武器を構えたりすると警戒されそうですので、武器には手を触れないようにして……アイテムボックスから水筒を取り出して水分を補給しつつ『ふへぇー』と息を吐いて肩を落とします。

 あれですね、微妙に緊張して精神的にはあまりノンビリ出来ませんね。


 外見的には落ち着いた感じを醸し出せていると、私的にはそこはかとなく嬉しいのですが。

 審判員が居ないので判別不能。


 水筒を隣の岩の上に置いて、アイテムボックスからポコ豆の袋を取り出し摘みます。ぽりぽり。


 あー……いまは一体何時頃なんでしょうか。

 目的はありますが目標がないので、このまま山頂まで登っても、美しい景色を楽しむだけで終わりそうな予感がします。途中で洞窟でも見つけたら突入してみようかな?


 何はともあれ時間との勝負でしょう。

 やむにやまれぬ事情で夜間行動すると言うのなら、まぁアリだとは思いますけれど、今日の夜は『睡眠』についていろいろ試す予定ですものね。無茶は禁物。


 それにしてもゴーレム君には出会う事ができましたけれど、もう一種類の岩魔物である、足の生えている岩虫っぽい魔物には出会えていませんね。あのタイプのは完全に洞窟内部にだけ出現する魔物なのでしょうか。

 もしかしたら、そのあたりに転がっている石をひっくり返したら実は居ましたよ! っていうパターンも有りそうかな?

 折角山岳地帯まで足を伸ばして来たんですから、せめて一度くらいは出会ってみたいんですけどね。


 俯いてウムムと唸りながら、まだ見ぬ魔物について考え込みつつ……適当にチビチビと水を飲みつつポコ豆を齧っておりますと……あれ、なんだか先ほど大きい鳥さんが居た辺りから聞こえてくる、足踏みの音や翼を羽ばたかせる音が……複数になっているような?


 っていうか先ほどよりも、音源が近距離に来ている様な気がするんですけど。

 えーっと気のせいじゃないよねこれ?


 少々恐怖を感じつつも、このまま聞こえない振りを決め込むのは流石に無茶でしたので、思い切って視線を音のする方向へ向けて見ますと。


 ……うん、鳥が何時の間にか10羽くらいに増えてるんですけど。何時到着したし!


 私が顔を上げたタイミングで、見計らったかの様に鳥さん達が一斉に視線を此方に向けました。

 怖い、怖いよ! なんでそんなにタイミング合ってるの!?

 あまりの光景に思わず全身硬直してしまいました。金縛り状態。


 っていうか何!? このままクチバシでツンツンされて初の『死に戻り』ですか!?

『金曜と土曜少々忙しい&昨日あたりから体調が悪い』のダブルパンチでヤバイので、次回月曜日の更新をちょっとお休みさせていただきます。

無茶できそうな場合は、強行軍で更新しちゃうかもしれません(何

どうかご了承下さいませー(平伏

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ