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139 何やら 見える 丸い的

 山岳地帯の端っことも言えるのではないかなー? とも思われる山の麓に広がる森へ進入すると……道というには少々険しい感じの、生き物に踏み固められただけの土剥き出しな道が山の方へと続いておりました。あと、道の周囲に見覚えのある素材が沢山自生しているのも確認できました。

 うむ、やはり私が立てた大方の予想は的中していたようですね。素材天国。


 片っ端から採取していってしまうと、今回の目的地である山岳へ到着する前に、アイテムボックスがパンパンになってしまう可能性があります。

 しかし、しかしです。折角こうやって数歩進むたびに、道端に素材が見え隠れするような場所を通っている訳ですし! 採取速度を競う相手もいない訳なので!


 目に付いた物は全部回収してしまいましょう!

 いざとなったら少々勿体無いですけれど、この場で破棄してしまうか使ってしまう形で何とかする方向で。使うとしても直接そのまま口に入れることになりそうかな?


 【薬草】とか【魔力の花】をそのままで摂取するとか、初めての体験になりそうですけど!

 確か【薬草】は苦くて【魔力の花】は味がしないとかだっけ。


 出来れば直接摂取は遠慮したいなー、等と考えつつ……緩やかな上り坂になっている山道を、周囲の探索&素材の採取をしつつ進みます。


 ついでに馬車に乗っている間、あまりにも移動が楽でノンビリ&マークさんと会話していた為に、すっかり脳内から消え去っていた付与魔法の練習を再開します。


 持続時間を考慮しつつ、服と武器に魔法を付与しながら移動ですね。

 ついでに邪魔な枝等は風の魔法で斬り飛ばしていきましょうか!


 おっと、木の根っことかが地面からモリっと張り出している場所が!

 足元確認しつつ進んでいかないと転びそうです。気をつけなければ。


 それにしても……この森でキャンプでもしつつ、素材集め&ポーション作成していたら、あっという間にポーション富豪になれそうな勢いの素材取れ高ですよ!

 実際は往復にかかる時間を考えると、あまり現実的では無いのかもしれませんけれど……大量のポーションを一気に輸送できる手段が有れば何とか?


 でも町の近くでも、結構な量の素材が採取できてしまいますからね。やっぱり厳しいかな。


 それにしても……先ほどから採取を続けていて思ったのですが、この森にはキノコ類が全然見受けられないような気がします。森に入ってから今まで歩きつつ行っている採取の成果は【薬草】と【魔力の花】ばかりで、例のキノコ2種が全く発見できておりません。


 このあたりは分布の違いなのでしょうか。森ならどこにでもある訳じゃないんですね。


 その後、あっ薬草だーおっここには花がー等と独り言を呟きつつ採取を進め、途中2回ほど根っこに躓きそうになって心臓にドッキリダメージを受けた以外……魔物にも出会う事も無くこのまま森を抜けてしまいそうな雰囲気です。あれーなんだか物凄い安全安心な移動となりましたね。

 何故か判りませんが、町の近くでよく見かけるような光が地面に集まって、そこから新たなる敵が出現する! と言った様な現象も起こりませんでしたし。

 このあたりは町の近くと比べると、敵の分布が少ないのでしょうか?


 森の中は視界が悪いですし、実は気がつかなかっただけで何処かで魔物とすれ違っていた、という可能性は一応ありますけれど。戦闘行為が起こらなければ同じですね。


 周囲に対しての警戒は程ほどに、採取に対しての意識は鋭く! あと途中何度か休憩を挟みつつ……無事森を抜ける事に成功いたしました。いやー……なんだろう拍子抜けですね?


 一旦近くにあった岩に腰を下ろすと、メニューを開いて周囲のマップを再確認する事にします。


 ふむふむ……マップによるとこの先に少し進むと、本格的に斜面を登っていく形の道が続いている様です。

直通でまっすぐ山頂に向かう道ではなく、クネクネと蛇行して登っていく感じです。


 傾斜がキツイですし、まっすぐ山頂へ向かうのは流石に足腰が危険でしょうしね。

 ショートカットするならばグイグイと登っていくのもアリなのかもしれません。私はご遠慮しますけど。


 右手をおでこのあたりに翳して、目を細めつつ遠くのほうを眺めてみますが……んーデコボコしていて余り良く視認出来ませんね……取りあえず周囲の状態を確認するに留めます。


 森を抜けた時点で、樹木もぽつぽつ疎らに生えている感じかな? といった程度になりましたし……木よりも大小様々な岩や、そよ風に揺れている背の低い草むらが多いような気がします。

 完全にエリアが切り替わった雰囲気ですね。気を引き締めていきましょう。


 気合を入れれなおす為に、うーん! と思い切り背伸びをして深呼吸。よしっ行くぞー!


 先ほど開いたマップは表示させたままにして、アイテムボックスの容量を確認します。

 えーっと……大分素材でパンパンになっていますね。町の近くならば嬉しい悲鳴なのですが。


 取りあえず、まだボックス容量に余裕があるみたいですので、素材運用に関しては一時保留で行きます。この場所で無理にポーション加工してしまうと、纏まって保管できなくなってしまいますからね。

 嵩が増えてしまいます。それに必須材料である水が確保出来そうにありませんし。


 次は身に付けている物を再度確認します。うむ、無くしたり傷ついたりしている物は無いですね。

 ステータスの確認もしっかりと! スタミナとマナは少々減少している程度でライフは問題なし!


 メニューを閉じて立ち上がろうとしましたが、服の防御力増加や武器の威力上昇の魔法アイコンの下に、何やら見覚えの無いアイコンが一つ出現しているのを確認しました。ふむ? なんでしょうかね?


 見た目は……縦に伸びている棒ですね。メモリが付いている感じです。

 下の先端が丸くなっていますが……ああ、これ温度計マークかな?


 人差し指で突いて詳細を見てみると『気温低下』という表示が出ました。

 特に悪い効果が発生している様な感じはしませんね?

 寒い場所に入りましたよーというお知らせアイコンでしょうか。


 一応ポンチョの襟を正して、しっかりとフードを被ります。うむ、準備よし!


 確かこの辺りから動く岩の塊であるゴーレムとやらが出現する、という説明が本に書かれていたはずですので、腰に提げてあった棒を右手に持って移動する事にします。


 いきなりその辺にある岩が動き出す! という可能性があるっていう事だと思いますし。一応念のためですね。倒せるような相手なら良いのですが。


 それにしても……今の所フワフワっとした生き物が居そうな場所が見当たりませんね。

 こういう山岳っぽい場所だと、山羊みたいな魔物とかなら出現しそうな雰囲気ですけど。

 というか個人的には居て欲しい。あからさまな欲望。


 途中見たことの無いお花が生えていたので、条件反射で毟って採取してみましたが、普通ーのお花でした。でも折角毟りましたのでこのまま持って帰りましょうかね。色とか綺麗だし。


 歩き始めて大体5分程度過ぎた頃、山道の横に転がっていた岩が私の足音に反応したかの様に、ゴリゴリと音をたてて動き始めました。

 おお! ついに現れましたねゴーレム君! 本日初の本格的戦闘開始です!

 イノシシ撃退はノーカウントで! あと倒せそうに無かったら全力逃亡の方向で一つ!


 大小の岩が組みあがって人型を取ろうとしている様でしたので、一番サイズの大きい岩に向かって【風の刃】をぶつけた後に棒でゴンゴン叩きます! 変身中の悪役に対して容赦ない先制攻撃です。お約束は無視の方向で。

 攻撃がヒットした部分から飛び出したダメージは共に50前後でした!

 あれ!? 私ってば、何時の間にか攻撃力あがっているじゃないですか!?


 とはいっても2桁で喜んで良い物なのか。個人的には嬉しいからいいや。


 私の攻撃によって、ゴリリッと岩がえぐれるような音が発生、起き上がろうとしていた岩の塊がズズンと音をたてて地面に倒れました。ううむ、ラビ君と違って表情が読めないから、ちゃんと有効打を与えられているのか不安になります。


 ちょっと離れた所で警戒して見ていると……再度立ち上がろうとしています。ひえー頑丈ですね!?


 もう一度先ほどと同じように攻撃を当ててみよう! と決意してゆっくりと起き上がり途中のゴーレムにジリジリと摺り足で近づいた時に……何やら見覚えの無い物が視界に入りました。


 それはゴーレムの右足? っぽい部分にメニュー板と同じ感じで表示されていて。

 そしてどう見ても『◎』マークでした。んんんん!? 何あれ!?

※ 追記 ※ 気がついた誤変換を修正しましたー

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