表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/256

120 あれこれ スキルの ご説明

 色々と説明を聞いていると、魔物や動物と一緒に冒険するといっても中々難しい感じなのがよく判りますね。街中でそういったパートナーを連れて歩いている人がいなかった理由も、そういった難易度的な問題が有るのかも知れません。

 もし取得している方がいたとしても【召喚】スキルを使用しているプレイヤーさんが多いのではないでしょうか。任意で呼び出したり戻したり出来ると云うのは中々魅力的ですものね。


 誰かとパーティを組んで冒険する位には難しそうだなぁ……等とメモ帳に書き込まれた絵図を眺めつつ考え込んでいますと、アルシェさんが【従魔】スキルの説明を続けて下さいます。


「気に入った魔物を発見した時に【従魔】スキルを発動させて、何かしらの反応が有れば可能性がある、という風に覚えて頂ければ大丈夫だと思います!」

「戦う前に試してみるという感じですね!」


 結構難しそうなスキルですね。とりあえず片っ端から狙ってみるのも良いのでしょうか。

 山岳の方で出現すると言っていた狼とかは、もしも懐いてくれたら結構良さそうな雰囲気がありますよね!


 毛皮もフサフサしてそうなイメージがありますし。

 野生の狼だと、お手入れしてあげないとボサボサで肌触りが悪いかもしれませんけど。

 洗いざらしでしょうし。確実にブラッシングが捗る。


 漫画とかアニメでも狼が相棒とか結構見かけたりしますよね! 一応候補にしておこうかな?


 脳内で狼を手懐ける作戦をシミュレートしておりますと、アルシェさんがメモ帳に絵を書き込みながら説明を続けて下さいます。


「あと【従魔】スキルで手なずけた魔物はプレイヤーからの『精気』を吸収して変質します」

「……その『精気』というのは具体的にはなんでしょう?」


 アルシェさんに出合ってから次々に出てくる聴いたことのない単語。

 スキルやアイテムに付与する魔法の事もそうですが、さらに初めて聞く言葉が。


 首を傾げた私に対してちょっと考え込んだアルシェさん、メモ帳に人型の絵を描いて……その周りになにかモワモワっとした煙っぽいものを描きます。


 ふむ? これが『精気』のイメージなのでしょうか。


「えーっと『精気』と云うのは、このように身体から発せられる物と言いますか……同じ『精気紋』を持つ人はほぼ存在しないと言われる、個人の発する生命の波動と言いますか……」

「と言う事は、私やアルシェさんからも出ている感じなのでしょうか?」


 勝手に何かが漏れ出ていると言われると何だか微妙な気分です。

 私からもモクモクと焚き火の煙のように漂っているのでしょうか。匂いとか無ければいいんですけど……


 意識してない状態なら気にならないのですが、こうやって説明を聞いてしまうと非常に不安になってくると言うか……まぁ今はどうにも出来なそう? っぽいのでとりあえず諦めましょうか。


 私から何かが漏れ出ているイメージを脳内に浮かべつつ、アルシェさんのお返事を待ちます。


「はい、私からもフワモ様からも発生しております! この個人で波の違う『精気紋』を利用して、装備品の使用者を限定したり、施設等の利用者カードを作成したりするんですよー!」

「ああ! 生産用スペースで作ってもらったカードとかそういった原理で作ってるんですね!」


 きっと指紋みたいな物なのかな? 多分そうだよね?


 それが【従魔】スキルで仲間にした魔物に吸い込まれる? あなたと一緒にいて私色に染めてあげるみたいな感じ? ええええ、ちょっと恥かしいですね……


 でもその、『精気』を吸収して変質とやらが起こると何がどうなるんでしょうか。

 わざわざ詳しく説明して下さると言う事は、何か重要な現象なのだとは思います。


 そう考えていた私の前で、メモ帳に描かれた煙モクモク人型の絵の横に、今度は犬っぽい絵を描いたアルシェさん。その犬の周りにもモクモク煙を描きます。ふむふむ?


「それで続きなのですが『精気』を吸収して変質した【従魔】は主人と同じ『精気紋』を有するようになりまして、主人が近くにいなくても誰の【従魔】なのか判別できるようになってるんです!」

「身分証明の代わりって事ですか! 中々便利に出来てるんですねぇ……」

「それに凝縮された魔素で身体を構成した魔物ですと、町や楔の守りを施された領域には進入出来ませんので、スキルを使用しないで力や餌付けのみで服従させた魔物ですと、一緒に町へ入る事が出来ないのです!」


 人の絵と犬の絵の間に、何か糸の様な物をかいて繋がっている様子を描いているアルシェさん。


 あーそうか、町の敷地って女神様の祝福か何かで保護されてて、外の魔物が入ってこないんだっけ。それにそのままだと、リーナさんから貰った簡易結界アイテムで作った領域にも、一緒に入れないって事だもんね。

 

「あと【従魔】で手懐けた魔物ならば【調教】の場合とは違い、他の魔物に倒されてしまったしても【死に戻り】が発生するようになっております!」

「と云う事は、一緒に戦っている最中にやられちゃっても良いんですね!」

「それに一緒に戦うことで魔物がちゃんと成長するんですよ! 【召喚】スキルの魔物も成長はするのですが、魔物自体の伸びしろは少なくて【召喚】スキルレベルが上がる事で、呼ぶ魔物に補正が入るようになってるんです」


 と云う事は……【召喚】スキルより【従魔】スキルで仲間にした魔物って、成長とかプレイヤーに似てるって事なのかな? 一緒に戦って一緒に成長できるって事だよね。うんうん、中々良いんじゃないかな!


「という事で、私個人として祝福の冒険者たるフワモ様にオススメするスキルは【召喚】が一番に来まして、次点で【従魔】になります!」


 そういって締めくくったアルシェさん、ペンとメモ帳を私に返して下さいます。

 んー、やっぱり私としては戦闘の利便性を重視する【召喚】よりは、何時も一緒でノンビリ出来そうな【従魔】の方が良いですね!


 サイズの小さい魔物だったら町でも一緒にいれると思うし! ワンコとかニャンコ位のサイズで可愛い子いないかなぁ? ラビ君は可愛がるには大きすぎるんだよね……抱きしめたりするなら手応えがあって良さそうなんだけど。目とか叫び声とか怖いし……ううむ。


 あっと! 大分長時間拘束してしまったアルシェさんにお礼を言わねばなりませぬ!


「アルシェさん説明どうもありがとうございました!」

「いえいえ! それでは今度またお会いした時に、魔法封入の方法をお教えしますね!」


 フワリと椅子から立ち上がったアルシェさん、ニッコリと笑顔でそう仰いますとペコリとお辞儀をして、手を振りながらお仕事に戻って行かれました。非常に詳しくてためになるお話でした。


 よーし、お次は本来の目的である読書の時間としましょうかね!

 先ほど【従魔】スキルについての本も選んでいただきましたし!

次回月曜の更新、ちょっと出来るか怪しいです。

何時も通り行ける! といった感じだったら更新します。

どうかご了承下さいませ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ