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119 召喚 調教 従魔 色々です

何時も通りの寄り道。

 【召喚】スキルについての説明を聞いていると、主に戦闘時以外には魔物を呼ばないような印象を受けますね。癒しの為に呼んだりするのはアウトなのでしょうか。

 そもそも癒される系の魔物を召喚出来る様になるのか、と言った問題点があるのですが。


 ラビ君なら、かろうじてあの怖い表情と魔物っぽい叫び声をあげる状態にならなければ、そこそこ癒し要員になるのではなかろうか、と考えております。

 というか、街中とかで魔物を呼んで良いんでしょうかね?

 【召喚】スキルを取るかどうかは、すべてのスキルの説明を聞き終わるまでは未定ですが、一応お聞きしてみましょう。


「えっと、戦闘時以外で【召喚】スキルを使うのは駄目とかそういった事はあるんでしょうか?」

「街中での召喚は、基本的にサイズ問題以外は制限等有りませんですよ! 街中で行使する【召喚】スキルの主な使い道としては、移動の手段として騎乗の為に魔物を呼ぶという場合もあります」


 なるほど、馬っぽい魔物みたいなのを【召喚】スキルで呼び出して、上に乗って移動のための足がわりに使ったり出来るんですね。余り大きい魔物は、やっぱり他のプレイヤーさんとか住民さんにご迷惑が掛かる可能性が高いので呼び出しはアウトになってるのかな?


 可能性として、例えばドラゴンとか町の中で呼んだらとんでもない事になりますものね。

 想像しただけでなんとも言えない感じです。

 町の交差点に自家用ジェットが飛んでくる様な迷惑さ加減。


 大きさについては何となく分かりましたが、呼び出せる量とかは流石に制限があるのでしょうかね?

 そう疑問に思ってお聞きしてみると、やっぱり制限が有るようで。


「【召喚】スキルのレベルが上がると同時召喚数が増えるようになっております! スキルを使い続けていれば上がりますので、あとは精進あるのみです!」

「なるほど! やっぱり呼び出すときにはマナを消費するのでしょうか?」

「はい、呼び出す魔物によって消費量が上下します! 召喚時に使用したマナ分量は、召喚した魔物の維持に使用されますので、召喚解除するまで自然回復いたしません! 多数の魔物を呼ぶときはその点に注意が必要ですね!」


 メモ帳にラビ君が描かれ、横に目減りしたゲージバーが描かれます。ふむぅ?

 

「……えーと? つまり、召喚魔物がいる間はマナが減ったままになっちゃう感じです?」

「そのとおりです! 沢山召喚した後に魔法スキルを使いすぎると、すぐにマナが枯渇して倒れてしまいますので、召喚と魔法を同時に運用する際は細心の注意を!」


 と云う事は、呼んだ魔物と一緒に武器とかで戦うようなスタイルの人に向いている感じなのでしょうか。私は遠くから魔法や飛び道具で攻撃か、武器で戦う感じか……どっちのスタイルなんでしょうか。


 今までの戦闘経験を思い出して……うん、よく考えてみると私は生産を頑張っているので、魔法と武器どちらともいえませんね。どうなんでしょうねコレ。


 私が【召喚】スキルの説明内容について悩みつつ唸っていますと、早速次のスキル説明を始めて下さったアルシェさん。

 今度は【調教】スキルについて教えてくれるようです。よろしくお願いします。


「次は【調教】スキルの説明ですが、このスキルは主に魔物ではなく普通の動物に対して使用するものになります。町の東で飼育されているメリア等がそれですね」

「あのモコモコしたハーブの様な爽やかな匂いのする、弾力が良い感じの素晴らしい生き物ですね!」

「な、なんだか色々詳しいですねフワモ様!?」


 あれは良い生き物です。あれに騎乗とか出来るなら凄い良さそう……こう両手両足でグワシ! と背中に張り付いてノンビリ移動するのです。あー妄想が捗ります。【調教】スキルもいいですね!


 私が色々な想像を脳内で展開してニヤニヤおりますと、アルシェさんが微妙に首を傾げつつ私の顔を覗き込んでいることに気がつきました。ああ、いかーん! 脳内お花畑に旅行に行ってしまっておりました。


 数回頭を振って気持ちを切り替えます。まずは全部の説明を聞いてからにしないとね。

 どうぞ、説明の続きをお願いします、という感じで一度頷きます。


 それに反応したアルシェさんが【調教】スキルの説明を再開して下さいました。


「え、えーっとですね、このスキルは余り祝福の冒険者様向けのスキルでは無いのデス」

「むむ!? 何か不都合が生じる感じでしょうか?」


 今までの流れで、ちょっと取得を考えてしまいそうな勢いだったのですが、アルシェさん曰く私の様なプレイヤーにはお勧め出来ないスキルの様です。


 やっぱり普通の生き物では、戦闘に不向きとかそういった理由でしょうか。


「一番の理由は、餌代や飼育する場所が必要になると言う事で。それに例えばフワモ様がアバターを収納し、あちらの世界へお戻りになった後、残った生き物をお世話する人間が必要になるんです」


 メモ帳に描かれるのはデフォルメされたメリア。

 横には箱に盛られた草のような絵と、ニッコリ笑顔の人が描かれます。


「そっか……【召喚】スキルと違って、呼んだり戻したりが出来ないからですね!」

「はい、なので手間が掛かりすぎる事もありまして、あちこちへ移動をすることが多い祝福の冒険者様にこのスキルの取得をお勧めするのは……」


 あれですね、もしも【調教】スキルを取得したとなると、前回ジョーンズさんとお話した時に会話に出た場所のレンタル&お世話をお願いしないと駄目! ってことですね。


 自分専用のメリアちゃんが手に入るというのは、ちょっと魅力的かなぁとも思ったのですが。

 一緒に冒険するという目的で言うとちょっと無理な気がしますね。凄い残念。


「あと【召喚】スキルで呼び出した魔物とは違い、何かしらの理由で【調教】した生き物が倒れてしまいますと……原則的に復活は不可能になります」


 そう言いながら、メモ帳にデフォルメされたメリア毛玉に矢が刺さって、目がバッテンになっている絵を描いたアルシェさん。その右に矢印を描いて……その先にはお墓が描かれます……メ、メリアー!?


「ひええ!? そっそうなんですかぁ!?」

「はい、サヨウナラと相成ります」


 これは絶対冒険なんて連れて行けません!

 もしもMyメリアが手に入っても、安全な所でマッタリノンビリ快適な暮らしをして貰わなければなりません! 馬車馬のように働くのは私だけで十分なのです。キミは元気に暮らして毛を生み出してくれれば良いのです。もこもこ。


 でも、何処かに安全な土地を手に入れて拠点の様に出来るなら【調教】スキルも楽しそう!


 いつかゲーム的なシステムで、そういった『ふわもこファーム』的なプレイが出来る場所を実装してくれると嬉しいのですが。

 勝手にどこか人の居ない荒地とか森の奥とかに、簡単な掘っ立て小屋みたいなのを建設して、そこに無許可で住んだりしても安全なら凄い楽なんでしょうけれど。もう絶対魔物に壊されちゃうよね。

 ログアウトしている間とかそれは確実に。


 うん……今は【調教】スキル取得は断念かなーと心の中で考えていると、最後の【従魔】スキルの説明にはいるアルシェさん。最後のは名前から想像すると、文字そのままで魔物を従えるスキルなのかな?


「最後に【従魔】スキルの説明ですが。ある程度の知能を有する魔物を餌で手なずけたり、戦闘で弱らせた事によって服従させたり、特定の条件を満たす事によって従えたり出来るスキルです」

「ある程度の知能……といいますと、どれくらいの物なんでしょうか?」

「簡単な意思疎通が出来る程度、でしょうか。明確な線引きは無いのですが【従魔】スキルが効果を及ぼすか否かで判断すると良いと思います」


 確認したい場合は、取りあえず条件を満たした状態で【従魔】スキルを使ってみて下さい、って事ですね。ちなみにラビ君はダメらしいです。そうなのか……ちょっと残念。

1話から10話までをチョコっと改稿しました。

行間を整えたり、改行したり、簡単に表現の追加変更をした感じです。

内容の変更はありません。

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