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109 スパイス 満点 いい香り

私も程よい辛さが好みです。

 前回辿ったルートを進み、出入口方面へと足を進めます。

 何はともあれ、早めにログアウトしてお休みなさいしないと明日の朝が大変です。

 日曜日だからと言って寝すぎてしまうと時間が勿体無いですからね!


 主にゲームプレイ的な意味でですけれど。平日はあまり時間が取れないと思いますし。


 未だに混み合っている出入口前の順番待ちの列を横目に、生産用スペースの建物を出ます。この時間帯にプレイしている人たちは土曜日もお仕事だったりする方々なのでしょうか。大変ですね。


 表に出ると案の定、日が沈んであたりは薄暗くなっておりました。

 道の両脇に等間隔で並んでいる街灯にも光が灯っております。

 うーん、いつか夜の冒険とやらにも挑戦したいものですが。


 明日のお出掛けの道程で時間が掛かるようであれば、意図せずにゲーム内夜間プレイを敢行する事になるとは思うんですけれどね。


 流石に太陽の昇っている時間帯だけで往復できるほど、簡単で短い道のりではないと思うのです。


 そもそも新しい魔物とやらを拝見しに行く目的があるので、そのせいもあって余分に時間が掛かると思うのですよね。ええ、もうフワフワな魔物を仲間に出来るかどうかは後回しです。


 まず存在するのかを知りたいのです!

 むしろ、カイムさん辺りならば魔物を仲間にしたりする手段があるのかどうか、きっと確実にご存知なのではないかと思っているので……聞いてみれば万事解決! すっきり把握! だと思うのですよ。


 もしかしたらカイムさんの対魔物思考が『魔物=敵』といった物だったりして『仲間にするなどありえんわぃ!』とか言い出す可能性も、若干ですが否定できませんけど。

 若い頃のカイムさんのお話しを聞くに、魔物に対しても色々無茶をしていたんだろうなーと想像できるので。笑いながら魔物をボコボコしてたんでしょうし。敵に回すと恐ろしい。


 まぁ明日の朝ゲームにログインした後、カイムさんに運良く出会えると良いんですが。


 一応お出掛けする前に、毎度の日課となっている素材採取とポーション作成は、きっちりばっちり済ませておくつもりですし。採取終了後は作成作業をするために、迅速に公園へと足を伸ばす手筈になっております。

 素早く終了させないと、山へお出掛けする時間が足りなくなって危険ですし。


 でもポーション作成を怠ってしまうと、私の所持金がヤバイ事になってしまいますから仕方が無い。

 まさに貧乏暇なしと言った所でしょうか。


 ああそうだ! 明日の朝カイムさんに会えたら、ラティアちゃんの事をシステマさんにお願いして運営さんの方から手をうって貰ったという事を、しっかりとお知らせしておきましょう!


 次になにか違反っぽい事をしたら、ID消去の刑を処されてしまうとの事でしたし……流石に噂のコッソリ隠れていた怪しい人物さんも、もう悪さは出来ないのではないでしょうか。


 ラティアちゃんの愛らしい姿を眺めたいのであれば、隠れたりしないで公園のベンチにでも座ってノンビリしていれば良いと思うのですよ。

 日向ぼっこしてる位の気の持ちようで、まったく問題ないと思うのです。


 やっぱり下手に変な事をしようとすると、碌な事がないのですよ。運営さんに怒られます。


 明日の予定について、その様な感じの無駄な考えを垂れ流しつつ、何時も通り噴水前でログアウトしようかなーと思って、移動しつつアイテムボックスからポコ豆を取り出して摘みます。何やら中央通りの両脇にも、ポツポツと露店が出ているのを見掛ける様になりましたね。


 噴水周りは人でミッチリ状態になっているのでしょう。人が少ない時間帯でも結構な量の露店が乱立しておりましたし、この時間帯だと場所の取り合いが超激化していそうです。

 うーむ、そう考えると……やっぱり私は迂闊に露店とかに手を出すべきじゃ無さそうですね。

 何て事を改めて思いつつ、ポコ豆をポリポリと咀嚼します。うん、美味しい。


 通りを行き交うプレイヤーさん達に、ゲームプレイ頑張ってくださいねー等と心の中で応援を送りつつ、ゆっくりとした速度で歩きます。

 左右を眺めながら移動中、ふと視界に入った露店に表示されている文字に目が留まりました。


『 素材買い取ります ラビの毛皮歓迎 まずは査定から! 』


 ……ふむ? あそこは物を売っているんじゃなくて、逆に買い取りを専門にしてるお店なのかな?


 そういうのも有るんですね……そっかそうだよね、その辺を歩いているプレイヤーさんの肩をガシっといきなり掴んで『必要なんだ! 毛皮を売ってくれ!』とお願いするとか、どこからどう見ても完全に凄い怪しい人ですものね。


 ああいった露店なら、売りたい人が訪れて交渉出来るでしょうし、悪くないですね!


 そんな事を思いつつ買い取り用露店を見ていたら、さっそく一人のプレイヤーさんが近寄って、アイテムボックスからバサバサと毛皮を取り出していました。うわぁ!? 凄い量!?

 やっぱり戦闘が上手い人は、物凄い勢いでラビ君を昇天させているのでしょうか。弱肉強食。


 私は素材系となると、ついつい溜め込んで自分で使う方法を模索してしまうタイプですので。

 多分ですが、ああいった買い取り露店さんを利用する機会は無さそうな気がします。

 自分で買い取りしますよー露店を設置! なんて言う可能性ならある……かな?


 おっといかんいかん! こんな風に露店を冷やかしていたら何時までもプレイしてしまう!


 ゲームが楽しいという証拠なので悪い事ではないのですが、予定があるのにこんな事をしていると絶対酷い目に会うよ! というのが私の経験則として存在しておりますので。ダメダメ迂闊ですよ私。


 さあ急げー! と滑るような急ぎ足で噴水横まで移動した後……毎度の場所に例の串焼きお兄さんが居ないか、つい確認してしまいました。

 アイテムボックス内部に食べ物はまだ残っているのですけどね! ついつい! えへへ。


 そして、何時もの所にありましたよ串焼きお兄さんの露店。本当に何時お休みしてるの!?

 あれでしょうか、私とゲームプレイするタイミングが被っているとかでしょうか?

 それはそれで非常にありがたい。美味しいご飯をいつもありがとうデス!


 露店に顔を向けてクンクンと匂いを嗅いでみますと……何やらスパイシーな香りのする食べ物を販売している様でした……ええ、まったく我慢出来ずに覗きに行ってしまいましたよ。あー良い匂いですー誘われるぅー!


 露店に近寄って周囲の方々が食べている物をコッソリ拝見……しようと思ったら、屋台横で食事中だった見覚えのある男性プレイヤーさん達に先制攻撃で発見され、ワイワイとフレンドリーな挨拶をされまくってしまいました。ひえぇ! 完全に常連さんですか私!? いやまぁ別に良いんですけどね!?


 『みてくれよ! カレーだぜカレー!』と言って、非常に見覚えのあるガッチリとした鎧姿の男性が、私に食べている最中のお皿を見せてくれました。尻尾アタック被害の男性ですね。

 ……うわぁー! 本当だ本当だ! 完全にカレーですよ! 見るからにカレー!


 私カレーライス好きなんですよ! お子様ーとか言われた事がありますけど、カレー美味しいですよね?

 私が鼻息も荒くカレーの存在を確認できて興奮していると、お皿を見せてくれた男性が笑顔を浮かべつつ、スプーンでカレーをモグモグ食べながら『俺はもうちょっと辛い方が良いけどな! ははは!』なんて感じの事を仰っておられました。


 私的に辛いのは苦手という程でもありませんが、辛すぎるのは口への被害が激化しそうなのでご遠慮したい次第です。水筒が空っぽなので、辛さを水分で紛らわす事も出来ませんし。


 豪快にカレーを食べている男性を見てもうどうにも我慢出来ず、ポコ豆の袋をアイテムボックスに仕舞った私は、その魅惑の食べ物を購入する為に順番待ちをしている列がある方向へと、素早い動きで移動します。

 思わず鼻歌交じりですよ。ふんふふーん♪ おーいしいーカレーですーよー♪ 


 なんていう感じで、もう非常にご機嫌状態で列に並んだ……私だったのですが?


 何だか正面の列が左右に割れまして。

 前にいる人が一歩後ろに下がりつつ、ポンポンと私の背中を軽く叩きつつ押していかれまして。

 いつの間にか最前列、カレーをかき回している串焼きお兄さんの正面に立ってました。あれぇ!?


 『レディーファーストで』『どうぞお嬢さん』『カレーの魔力はすげぇな!』等のお言葉が後ろから。おおぅ!? 皆さん!?

 何という紳士の集団でしょうか。時間が色々と差し迫っているので凄いありがたいです!


 後ろを振り向いて、笑顔で立っているプレイヤーさん達にペコリと頭を下げますと、皆さん右手を突き出して親指をビシっと立てました。私もお返しで右手を突き出して親指をビシッ!


 カレー イズ 美味しい! ちょっと意味不明! 良いんですノリで行きましょう!


「お嬢さん良く来るね! 毎度あり! ……おいおい! 後ろのムサい奴らは落ち着けよ!」


 笑顔でお鍋をかき回してた串焼きお兄さんが、私に笑顔でご挨拶してくれます。

 その後、私の後ろの方に向かって左手をヒラヒラ振りながら苦笑いしつつ首を振ってました。


 『うるせぇよゲンジ!』『役得じゃねぇかクソ!』『カレーには勝てなかったよ』なんていう声が後ろからワラワラと『串焼きお兄さん』に投げかけられますが、そんな言葉を投げかけられるのにも慣れていらっしゃるのか、肩をすくめながら適当に返答しつつ、お鍋をかき回す手を止めておりません。

 流石ですね! もはや露店のプロですね!

 おっと、早く注文して列から出ないと! 皆さん後ろでお待ちですものね!


「あ、あのーえっとカレー一皿下さい!」

「はい毎度! 【カレーライス】一皿120ゴールドだよ! お勘定宜しく!」


 何時も通りワンタッチ清算メニューが出現しましたので『はい』を選択します。

 その後差し出されたのは、ちょっと深い紙皿に盛り付けられたご飯とカレールー。

 んんー! すっごい良い匂い! 今ならお腹が鳴っても納得する!


 ログアウトしたら現実の方でもご飯食べよ! 取りあえずこのカレーを食べ終えてからログアウトしようかな! それにしても串焼きお兄さん、既にカレーを作れる位の香辛料を集め終わったって言う事だよね? それとも売ってるのかな……見た事ないけれど。


 ずっと露店でお料理しているイメージしかないんだけど、材料どうやって集めてるんだろ?

 並々ならぬコミュ力で知り合いとかから入手したりしてるのかな。凄いです見習いたい。


 カレーを両手で大事に保持しまして、後ろで待っていてくださった男性プレイヤーさん達にお待たせしましたーと頭を下げようとして、持っていたカレーにオデコを突っ込む所でした! 何ですかアホですか私!? 危ないよ!


 そんな感じでしたが、ワチャワチャしてた私を皆さん笑顔でお見送りして下さいました。

 皆さんはコレからまだまだゲームプレイを続ける様子ですね。徹夜かな、頑張って下さい。


 人の流れに逆らう感じでゆっくりと歩き、カレーを落とさないように噴水前まで移動します。

 何時も通り噴水横の出っ張りに腰を落ち着けると……さあさあ、お待ちかねのカレーですよ!


 カレーと一緒に頂いた、よく判らない材質で出来たスプーンを使って一口……んー! 美味しいー!

 よーしそれでは急いで、でも焦らず味わいながら良く噛んでカレーを完食いたしましょう!


 現実だとこのカレー量はちょっと胃袋的に厳しいですが、ココなら幾らでも美味しく食べれます!

※追記※ また微妙な誤字を発見したので修正。ぬふぅ

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