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011 チュートリアル終了? 『無茶振りフワモさん』

ようやくチュートリアル終了?


※ チュートリアルなのに長い! チュートリアルも作品の味! という二つのご意見を頂きました。

思案した結果、ここまで進めてしまいましたのでこのままのノリで続けていこうと思います。

申し訳ありません。

※ 16・4・25 追記

読者様のご指摘より生産中に使えるステータス増加手段の加筆いたしました

『ではお待たせいたしました。生産中でも器用さ増加の効果を切らさずにすむ方法をお教えいたしましょう』

「よっ、待っておりました!」


 テレビ番組のノリでパチパチと拍手喝采。

 一体どのような方法があるのでしょうか? 魔法で駄目ならアイテムとかかな?


『それは特定の食材、または料理を食べたときに発生する『食事効果』を使う方法です。器用さが上がる食べ物は主にフルーツ系統ですね』

「フルーツのデザートですか!」


 コレは、朗報なのではないでしょうか!? いや、お肉とかお野菜でも美味しそうだなーと思いますし、大量に食べても太らないから問題はないのですけどね。

 いやぁー苦かったり酸っぱかったりする食材じゃなくて良かったぁ。


『この『食事効果』は支援魔法を十とすると、大体四割程度の効果になっております。持続時間がとても長く設定されておりますし、生産前や冒険に出発する時に、しっかりと食事を済ます事をお勧めします』

「万事把握いたしました!」


 果物の盛り合わせを摘みつつ生産活動開始ですね! 流石に無茶があるかな?

 取りあえず事前に食べておけば良いんだし、問題なさそうだね。


 自分で料理は……冷凍食品であれば何とかなるんだけどな……この世界には無いよね?


『それでは、戦闘時に関する必要なチュートリアルは滞りなく終了いたしましたので、これにて全過程終了とさせていただきます』


 ふむ? これで基本的なチュートリアルは全部終了したみたいですね。


 久しぶりに沢山運動した気分だけど、疲れた感じは全然無いです。

 ダイエット効果とかもありません。現実では部活に所属しておりませんし、運動も控えめなので二の腕辺りはぷにぷにして来てるんですよね……がっくり。

 まぁなんというか……チュートリアルと言うより行動の確認作業をしながら、お喋りしてた時間のほうが長いような気がするけどね。むしろ女子会?


「はい、有難うございます、お疲れ様でした」


 感謝の意をお伝えする為に、相変わらず【ガイド】さんが何処にいらっしゃるかよく判らないので……声の聞こえてきたと思われる方向へ、ペコリと頭を下げます。


 その時ちょっと違和感を感じたので、うん? なんだろう? と首を傾げつつ考えたのですが。


 数秒考えて気がつきました。

 そう、いつの間にか声の聞こえてくる方向が頭の上じゃなくて、正面からになっていたのです。


 最初は顔を上に向けて返事してたからね! 首が痛くなる訳じゃないけど、無茶な体制だったから場所変えてくれたのかな。断然正面で向かい合った(?)ほうがお話しやすいですよね。


『それでは転送前にフワモ様が居ました座標へお送りいたします。帰還転送の終了時に、フワモ様のアイテムボックスに初期所持金である5000ゴールドを配布させていただきますので、どうか後ほどご確認を』


 【ガイド】さんのお言葉と共に、私の身体が足のほうから徐々に発光していきます。

 何というか特に眩しくは無いですね……光ってる! って把握してるのに眩しくない、っていうのも奇妙な体験です。


『それでは、また何処かでお会い出来ることを願っております』


 と、お別れの挨拶を始めた【ガイド】さんの声に、そういえば生産の仕方はどうするんだろ? と疑問が持ち上がります。むしろ私的にはそっちが本番じゃなかったっけ?

 すっかり忘れて妙なお喋りしかしてないよ! 楽しかったからそれはそれで良いんだけど。


 いや、むしろ全く【ガイド】さんは悪くないのか、色々と適当すぎる自分のせいだった!


「あのっ! 生産に関してのチュートリアルはここでは行なわないのでしょうか?」


 ひざの辺りまで上っていた光がピタリと停止します。うわぁ、私輝いてる! じゃなくて!


『も、申し訳ございません、えー生産に関するチュートリアルですが、各種生産スキルを取得すると『練習クエスト』が自動受注されます。そちらのクエスト内容を確認しつつ、順番にこなして行きますと、スキルの基本知識を得ることが出来るようになっております。成功報酬としてスキルで使用する素材も入手することが出来ますので、是非ご活用くださいませ』


 あっ、これは【ガイド】さんも忘れていたんじゃないかな? そういう反応っぽい。

 これはお話が楽しかったからだ、と喜んでいいのか【ガイド】なのにお仕事放棄とはどういうことだ、と突っ込んだほうが良いのか。それとも両方?


 可哀想だし見てみぬ振りをしておきましょうか……恩を押し付ける生産職がココに。

 と思案しつつ周囲に何となく視線を向けて。


 ふと、今唐突に思いついたことに関して、ついでに聞いてみる事にしました。


「わかりました! ……で、ですね? 少しお願いというかお聞きしたいことが一つだけ」

『……はい!? なにかまだご質問等、残っていましたでしょうか?』


 ちょっと焦ってるぞ? お仕事終了したと思ってて気が抜けてたりしたのかな?

 そういう所まで表現されてるのか……流石『最新AI搭載 会話も可能!』と豪語するだけはあります。凄い有能ですね開発さんチーム!


 とりあえず開発への賛辞を心の中で済ませた私は、先ほど思いついた提案を【ガイド】さんに伝えます。


「いえ、そうではなくてですね。この訓練場って、柵の外側にいってみたり、周りのお花とか採取したりしても良いのでしょうか?」


 初めて訪れた場所。自生する植物。見たことの無い色合いの石。たんまり落ちて(?)ますし!

 すぐに何かしらの反応があるかなーと思って数秒……訪れる沈黙と静寂。


 あれ!? 反応がないぞ? 【ガイド】さーん!?


『え、ええと、少々お待ちください、この場所での、散策と、採取行動、でございますか?』


 一語一句区切って力強く、私に向かって問いかけてくる【ガイド】さん。


 実際目の前に居たら、メモ帳かなにか手元にもってペラペラめくって内容確認しつつ、こちらの様子をチラチラ伺っているような……そんな雰囲気。

 あっ!? なにかマズったかな!? やらかしましたか!?


「いえ、あのー……お花も大きさとか色とか沢山の種類があるし、良く見ると落ちてる石とかもキラッキラだったりするので、物作りの材料として使えるかもと。持って帰れるならーと思ったんです……が……」


 少々不安が残る反応でしたが、説明しない訳にも行きませんので、私が思いついた今後の行動予定の様なモノを提案してみましたが……

 数秒の静寂の後、猛烈な勢い(見えてないけど雰囲気で)【ガイド】さんが稼動を始めました。うおぅ! 何事!?


『基礎アルゴリズム検索……拡張AIデータ照合……合致無し。メインフレームで情報集積中の【※ ラーサクアース ※】にアクセス、全【ガイド】(レプリカ)の情報から他プレイヤー様のチュートリアル情報を取得、ご質問の解決方法を検索致します……』


 わあ! ネットで大きな検索エンジンを使って情報検索してるような単語が羅列され始めた!


 所々に聞いたことの無い単語や名称が混じってるけど、ネタバレとかじゃないよね? 大丈夫かな!?


『……申し訳ございません、フワモ様がご希望されている採取行動、または接触行動については【ガイド】の権限では事の合否判断を行なえませんので、少々お時間を頂きます』

「うわわ、無理なら無理で大丈夫ですので! 何ともお手数おかけします!」


 これって『ワタクシどもでは対応できかねますので上司に問い合わせます』ってやつだよね?


 うう、なんだかちょっと大事になってしまった。でもこういう反応が来るとなると提案した採取とか散歩はスミマセン駄目でーす! ってなりそう、かな?


『いえ、迅速に対応できず申し訳ありません……では数分お待ちいただきますね』


 そう言って恐らく上司? 運営さんかな? にお問い合わせっぽいことをしているご様子。


 暫く待つことになりそうだし、待ってる間に一番ボール君の椅子的活用法を確認しておこう。よいしょっと、んー? 硬くは無いかなー? でも形状の通りにボールの上にグイっと座ってる、って感じだね。体育の時間、ボールを使う授業でヘバって座り込んでた時を思い出すよ……


 そして安定感悪い!そりゃ丸いもんね、安定しないよね。


『……お待たせいたしました。質問回答の仲介を要請した【※ GM ※】(ゲームマスター)から連絡が参りました。サービス初日ということで直接【黄昏の大神】(プログラム主任)様のほうからご指示をいただけた模様です』


 なーんて事を思い出しつつ、地面から50センチ位の高さに設置した一番ボール君へ腰掛けていたら、とんでもない台詞が私の耳に飛び込んで来ました。神様からご指示!?


 あっ! いま完全に狐耳ピーンってなった。ビックリしたのに反応したかな?


 感情がトリガーなのでしょうか? 交感神経と副交感神経?

 だめだ、聞きかじりの知識じゃよく判らない。


 などと狐耳を触りつつ、返って来た答えがどうなったのか聞いてみます。


『「運営が自ら千差万別、多種多様のプレイを謳っている以上、初日早々に起きた異例の事態とはいえ『チュートリアルだから』と突っぱねるのは夢が無さ過ぎるし、なにより楽しくない!」と』

「と、ということは……?」

『はい、【黄昏の大神】(プログラム主任)様のお墨付きでOKサインが出ました』

「本気でまったくこれっぽっちも期待していなかったのに、まさかの了承!?」


 えええ、本当に良いの? 実は無理したりしてないよね!? 売り言葉に買い言葉?

 毒を食らわば皿まで? いや、コレは違うか。


【※ GM ※】(ゲームマスター)からの伝言を受け取った【黄昏の大神】(プログラム主任)様はフワモ様の提案をお聞きになった後、お腹を抱えて笑いながら『どんだけ持ってくつもりだよ! 生産がんばれ! うはは!!』と非常に楽しげだったそうです』

「うひゃー凄い頑張ります!」


【黄昏の大神】(プログラム主任)様信仰に目覚めそう!おお神よ。中の人いるけど。

十一話以降、投稿間隔があいてしまうかもしれません。

一日 二日程度になると思われますが、ご勘弁の程を。

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