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102 棒で 叩いて 毛皮 強奪 

棒で叩く(シンプル

 北門へと到着した私は、毎度毎度色々とお世話になっている門番の方々にペコリとお辞儀して挨拶をしますと、毛皮採取を敢行する為に門外へと旅立つのでした。


 ざっと辺りを見回して誰とも戦っていないラビ君を見つけると、戦闘を行なう前に毎回使うのを忘れる支援魔法を武器にかける事にしました。

 昨日今日と魔物相手に本腰を入れて戦う事が全然なかったので、魔法のスキルレベルが全く伸びていないのです。

 ついでに防具に対しての付与魔法も発動させて【支援魔法 付与・劣化】スキルの成長を促していく感じにしましょう! さぁしっかり成長してくださいねー!


 腰に提げていた棒に魔法をかけた後、引っ張り出して構えます。

 うん、棒にふんわりと光が宿っているのを確認しました。ちゃんと効果発動してるみたいですね。


 狐人の特性のお陰でマナの残量はまだまだ大量にありますので、魔法スキルを成長させられる様に、ラビ君に手のひらを向けて【風の刃】を発動させます。

 こうやって、攻撃魔法もどんどん使っていきませんと成長しませんからね。


 少しはなれた所で【風の刃】を受けたラビ君が短い叫び声を上げた後、私の事を認識してピョンピョンと跳ね寄ってきます。

 何時も通り勢い良く体当たりを私に向けて繰り出してきた所に、カウンター気味に棒を振り下ろしてめまいを起こさせる感じで攻めて行きます。


 そしてなんと【風の刃】と普通の攻撃一回で『グェァァァ!』と相変わらず怖い叫び声を上げつつ、ラビ君が光になって昇天してしまいました。むむ? いつの間にか私って大分強くなりました?


 ……いや、これは頂いた武器のお陰かな?

 攻撃がヒットした後に出たダメージ表記の数字が40という、そりゃもう始めてラビ君と戦闘を行なった頃からは、全く考えられないくらいの数値になってましたし。


 ここはカイムさんに感謝ですね! この調子でドンドン倒していきましょう!


 ノンビリ地面に腰を下ろしつつ、近辺に出現したラビ君のみを倒していく、という方法でラビの毛皮集めを進めていきます。


 それにしても、まだまだ北門周辺でラビ君達を相手に戦闘を行なっているプレイヤーさんが多いですねぇ……おっとラビの魔石がおちてる、忘れない様にしっかりと拾わないと。


 細々と休憩を挟みつつ、ラビの毛皮を20枚程集めました。

 一緒にラビのお肉もモリモリ増えていきます……これどうにかしないと……


 アイテムボックスの中身が毒キノコとお肉に侵食されて、視覚的にも物凄い事になってきちゃったよ。

 ……キノコは加工する予定があるけど、ラビのお肉はどうしよう?


 い、一応生のまま食べても大丈夫! っていう説明があったのは覚えてるんだけど、ね。

 せめて食べるのであっても、何かの手段で熱を通してからにしたい! 気分的な物ですけど!


 お鍋みたいなのでグツグツ煮込むとかなら私でも出来るかな。

 美味しく焼いたりするのは私個人のイメージなのですが、凄いお料理テクニックが要るような、そんな風に感じるのです。

 実際問題、自宅でお肉を焼いてお料理したら炭が生産された事があるのです。

 アソコまでコゲると人体に悪影響が出るラインだと思います。


 強火すぎたのが原因だと思うんですけどね……お料理難しい。


 ええい、とりあえずお肉の進退についての脳内議論は後回しにしておきましょう。


 今はこの取れたてホヤホヤのラビの毛皮を使って、念願のフワフワなクッションを作成するのが先です!


 大量になめし革を作らないといけませんし、ここは二度目になる生産用スペースの使用を考える時ではありませんでしょうか!

 ついでに作業中に匂いが出ると聞いた、赤キノコを材料とした毒液の作成にもチャレンジしてみましょう! 間違って自分で飲んだり、他のプレイヤーさんにぶつけたりしない様に気をつけないと!


 等と考えつつチマチマとラビ君を狩り続けて……さて、十分材料も集まったしそろそろ切り上げようかなー? と立ち上がったタイミングで。

 丁度目の前に現れた白ラビ君が、毎度お馴染みジャンプからの先制頭突き攻撃を繰り出してきたので、飛びずさるように大きく動いて回避。ふふふ、その手はもう食らいませんよー!


 体勢を崩している白ラビ君と私の間に魔法で【風の壁】を呼び出し、武器を構える時間を稼ぎます。


 もっとこう『見切った!』っていう感じの達人っぽい最小限の動きで回避する様な、かっこいいプレイが出来れば楽なのでしょうけれど……

 あのサイズのウサギさんが突っ込んでくるのを見てしまうと、どうしてもグワーっと大きく動いて避けてしまうんですよね。仕方ないですよね、当たると痛そうですし。


 【風の壁】を破って再度飛び掛ってきた白ラビ君の頭頂部を、毎度お馴染みになった棒の振り下ろしカウンターでポカリと一撃。

 コレだけ戦うと、ラビ君達がどういった感じで攻撃してくるのか! みたいなのが、なんとなーく……そう、なんとなーく判っては来ているんですが。


 それを戦闘に生かせるかと言われると……うん、まぁ何といいますか。


 少しはなれた所で戦闘を繰り広げていらっしゃる、恐らくパーティを組んでいるっぽい方々が羨ましいですね。なれた感じで、仕事を分担しつつ安定した戦い方を披露しておられます。


 あれですね……一緒に戦ってくれるペットみたいな生き物が私には絶対に必要ですね。急務ですね。

 主要なお仕事は、私の心を癒す意味合いが強いと思いますけど……うん、重要度は非常に大だと思います。


 でも、それっぽい動物を引き連れて歩いている人とか見た事がないんですよね。

 良くゲームとかでモンスターを仲間にして一緒に冒険! とかあると思うんですけど。


 スキルにそういう感じの物ってないのかなぁ……少しスキル一覧を調べて確認してみようかな。

 毛皮も大分集まっておりますし、急いで生産用スペースに向かう事もないですよね! うん!


 そう決意した私は北門横の壁際まで歩いて戻りますと、メニューを開いてスキル一覧を確認する作業に入ります。っていうかこの大量に表示されているスキルの中から、私が望んでいる内容のスキルを探し出すのはちょっと厳しすぎる気がしてきました……


 せめてスキル名称みないなのが判明して無いと、まず無理じゃないですかねコレ!?

 ……そうだ、掲示板! 掲示板で単語検索して何か情報が引っかからないか確認しよう!


 そう思いついた私は、スキル一覧を閉じますと『コミュニティ』のメニューから掲示板を開いて、空中に表示された透明なキーボードを、素早くポチポチっとやって検索用の単語を打ち込みます。


 ひとまず『魔物 仲間』という二つの単語で検索してみましたが……

 出てきた検索結果が多すぎて絞り込みになっていない感じです。ぐはー!


 例えば『○○っていう魔物に仲間がやられた』のような書き込みも全部拾ってしまっているようで。

 そのほかに『仲間があまり見かけたことのない魔物を○○辺りで見つけた』のような、ガルドスさんが仰っていた『新しい魔物が出現している』っていう言葉を裏付ける感じの書き込みも大量にヒットしております。


 うぁぁ……この中から私が望んでいる情報を見つけるのは厳しすぎるよ! どうしたら良いんだぁ!

 掲示板の内容を目で追いながら、先ほど購入した【ヤキソバ】をアイテムボックスから取り出して、フーフーモゴモゴと咀嚼します。うん、ソースの風味が良くて美味しいなぁ……


 壁際に座って食事をしつつ色々と試行錯誤しながら、動物や魔物と仲良くなる方法をアレコレ調べていた私でしたが。

 一向に有用な情報が見当たらないので、ひとまず諦めることにしました。


 ああ……こういう時に、町の生きた案内板であるガルドスさんがいたらなぁ……

 何か私の悩み解決に結びつくような、素晴らしく有益な情報を授けて下さったかも知れないのに。

 残念な事に、今日ガルドスさん非番でお休みですものね。仕方ないデス。


 毒液となめし革作成を進める為に、生産用スペースへと向かう事にしました。

 ああー、これは今日もなんだかんだで北の山岳地帯にお出掛けは出来なそうですね。


 少し日が落ち始めておりますので、そろそろ夕方と言っても差し支えない時刻では無かろうかと思われますし……現実時間も大分夜遅くなっていると思います。


 えーっと夕方5時にログインしてゲーム内では朝だったから……

 2倍速度で考えて、現実の現在時刻は夜10時位かな?


 ゲームプレイで夜更かししすぎると、後でお父さんに怒られてしまいます。睡眠は大事。


 今日のプレイはクッション作成&キノコの毒加工で終了させて、北部山岳地帯へお出掛けするのは明日の日曜日へ繰り越しましょう。


 折角ポーション各種10本、自分で使う用に取って置いたんだけどなぁ……

 よーし! そうと決めたら急いで生産用スペースに向かって、生産作業を開始しなければ!

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