平凡な午前中2
授業と言うのは本気でやるものでは無い。
目立ちたく無いし、何より面倒だ。
それに俺は被験者第1号だから、特別な魔法を秘めている。
学校で習うものよりはるかに上の話を習ってきた。
だから、学校に来ている意味すら無い。
ずっとそう思っている。
だから授業は適当に聞いていた。
「おい、奏夜ァ! 聞いているのかぁ⁉︎ 」
先生から言われたけど、一応聞いていた。
「はい、聞いていますが問題でもありましたか?」
仏頂面で答える。
他に表情というものを知らないからそうなってしまうだけだ。
それはやはり気に食わない先生の方が多いのだろう。
結局、こうやって居残りで反省文を書くはめになってしまった。
「ったく、大人なんだから察しろよ」
小さな声で悪態をつく。
隣で俺の作業を見ていた雷が小さく笑った。
「だめだよ、ちゃんと謝らなきゃ。あれはただの口答えだよ」
そういうものか。
覚えておこう。
今後のために。
つまるところ先生に反抗するなと言いたいのだろうが、俺にとって先生はいい存在とは決して言えない。
魔法のスキルも魔力もはるかに俺の下だし、勉学もたいしてできていない。
いよいよ学校にくるのが謎だ。
帰るころには1人になっている。
雷も先に帰った。俺といると大変なんだろう。
何故、雷は俺といるのだろう。
考えても分からなかった。
帰り道。
いつも立ち寄っている店に入る。
1番奥の目立たない席に座り、道路を眺める。
前まで使われていたであろう道路は歩く人しかいなくてさびれている。
しばらくしてからいつもと同じ紅茶を頼む。
アールグレイだ。香りが高く、アイスティーにしても美味しい。
今日はホットで頼んだけれど。
腕時計を触ると空中に画面が表示される。
届いているメールを確認し、すべて削除する。
それからニュースを眺める。
お茶とセットでついてくるお菓子を機械が運んできた。
美味しい。
ほんの少しの幸せが口いっぱいに広がった。




