始まりの風
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ー奏夜、大丈夫?
雷。うん、平気。
えっと、次は雲井 月光。
こいつは男なのに何かふわふわしてて、どっちかっていうと男の娘みたいな。顔立ちも優しい感じで。
月光と話してると心が覗かれてるような気がするんだ。嫌な感じはしなくて。当たり前になりつつある。
兎尾崎 愛はすっげえ無口。澄んだ水みたいで、側に居てくれると安心するんだ。優しくて暖かい。
少しだけ、淋しがりなんじゃないかな。
最後に赤崎 紫雪。
いつもテンションが高くてしゃべり続けている。語尾に必ず『です』をつけてるって気付いた時、思わす笑っちゃいそうになった。
まあ、なんだかんだで結構話し相手してくれた。
皆、いい奴らなんだ。
ーそれは、いいことだね。
ああ。
でもな、雷。俺はお前が居なくて辛い。雷はやっぱり俺のことを恨んでいるのか?
ー恨む? まさか! ………………………
恨むだけじゃ物足りない。憎んでいる
よ。
そうか。今、雷がどんな顔をしているのか見なくても分かる。
謝っても許されるもんじゃない。それでも、言わせてくれ。
「ごめん。助けられなくてごめん。俺だけ、のうのうと生きててごめん」
ーそれで許されるとと思ってるの?
思ってなんかないさ。でも、言わないより、ずっといい。
ゴホッ!
ーもう、首絞めていいよね? 連れてつて
あげる。
最後に、一つだけ。
「こんな俺、と、最初、に、…友達になって、くれて、あり、が、…とう………」
眩しい。
何? 雷⁉︎
ーソーヤ。何かもういいや。ホント、
ソーヤは正直なんだから。
雷?
ー待ってるよ、無理には連れていかな
い。
え?
ーホントは憎んでもないし恨んでもない
から。
そうなのか。
だったら、俺達友達で入れるよな?
ーうん。でも、また未来での話ね。
わかった。今度こそ、もうちょっと立派になってるようにするよ。
ーほら、もう時間だから、先にいくね。
おう…。
またな。
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急に目が覚めた。
たくさんの煙。
壊れた戦艦。
くすんだ空。
焦げた匂い。
「何が」
体にかけられた網。何だこれは?
もしかして、寝たまま戦ったのか、俺。
いやいや、ちょっと待て。
そんなメルヘン的な話があるか。ありえないだろう。




