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クラスメイト 福田春菜

そして次の日。

次の日だから当然曜日も変わって日曜日。

前日とは打って変わって天気は非常に悪い。まだ雨は降り始めていないが、午後の降水確率は80パーセントということ。

ようやく梅雨に入ったということだ。

「今日は雨が降りそうなんで、捜査のほうは中止ということで」

『ダメ』

昨日勇さんから携帯番号を教えてもらって、かけたのだが……返ってきたのは非常に非情な言葉だった。

折角勇気を出してかけたのに……鬼だ。

『雨が降ったって変わらずに捜査できるじゃないですか!』

トモに代わりやがった。

「でもめんどくさいじゃないか」

『そんなことを言っている場合ですか!?被害者の家族は事件の解決をいち早く望んでいるというのにです!』

「いや、被害者の家族には既に自殺ということで伝わっているし」

『ぶー!ああ言えばこう言うですね!』

「いや、やるよ。ちゃんとやるけどさ……ただ雨が降っている中わざわざやらなくてもさ」

『まだ降ってないです!』

「ぶー!ああ言えばこう言うですね!」

『真似しないでくださいです!!』

「はいはい。ごめんね。真面目にやりますよ。わかったよ、今からいく。また神社の前で待ち合わせで」

『はいです!待ってるです!!』

そして電話が切れる。

はぁ~。

「やっぱり今日も行くんですか」

横で電話の会話を聞いていた柚子が訊いた。

「うん、今日も行くよ。柚子はどうする?」

「私も行きます。お兄ちゃんが行くのなら」

「柚子……」

柚子は優しいから、必ずそう言うと思った。

「別に無理してついてこなくてもいいんだよ」

「え?」

「勇さんはこの事件を四人で解くといったけど、柚子がついてこなきゃいけない道理はないんだよ。僕は僕の意思でこの事件を解くと決めたけど、柚子は違う。嫌ならばここで降りても……」

「降りないですよ」

「……」

「私は……私だってこの事件のこと気になっているんです。それにまだお兄ちゃんと一緒に遊びに行ってないです」

「そうだったね……事件を解き終わったら、一緒に遊びに行こうか」

「はい」

そうして僕らは出かけた。



「それで?今日は何からするつもりなんだ、少年?」

会って挨拶もせずにいきなりこれだから、普通じゃないよなぁ。

「とりあえず、おはようございます」

「おはようです!真君、柚子ちゃん!」

「おはようございます。今日も小さくてお可愛いですね」

「そんなに小っちゃくないです!」

なんか、このやりとりも慣れてきたよね。

それに勇さんとトモを比べると、トモの方が一般常識があるようだから驚きだ。

「おはよう、少年。それで何からか決めたか、少年?」

「……だから何をそんなに急いでいるんですかってあれ?竜花さんは?」

「ん?惚れたか、少年?」

「惚れてません」

「あいつはこの事件には関わらせない。そういう約束だろう?」

「いや、それは勇さんが勝手に交わした約束でしょう?僕は別に構わないのですが」

「俺が構うの。一度交わした約束を破る奴は最悪だ。それに、あいつはこの事件に必要ないしな」

「必要ない?」

「気にするな。どうでもいいことだ。それで決めたのか?」

どうしても何から行うかが気になるらしい。

これは、先に応えてしまうのが正解だな。

「決めてありますよ」

「ほう、それで?」

「今日はとりあえずまず、第一の被害者……えっと誰でしたっけ?」

「ちょっと待て」

勇さんは手帳を取り出してその名前を確認した。

「福田冬菜だ」

「その福田さんのお宅から伺おうと思います」

「ほう。しかし昨日飯田岡宅に行ったときは何の収穫もなかったじゃないか?同じ結果に陥るのがオチなんじゃないか?」

「そうかもしれないですけど、そうじゃないかもしれないでしょ」

行ってみなければわからない。

全てのことはやってみなければわからない。

予測は出来てもわからないのだ。

「そう言えば、勇さんはこの福田さん宅は行ったんですか?」

「ん?行ったよ」

「そうですか」

どうでしたかと訊くのは無粋な話だ。

僕は、僕は勇さんの意図がわかっている。だから、だから僕は訊かなかった。

ただ、僕のなかで一つ決まったことがある。

「それじゃあ今回も勇さんは盗聴していてください」

「えー」

不満げに言ってもダメなものはダメだった。


この事件は何かがおかしい。

事件を調べてまだ一日しか経っていないのだけど……何か釈然としないものを感じた。

犯人の手がかりが全然つかめていないから、だろうか?

いや、そういうことではないと思う。

第一の被害者、第二の被害者……共通点は何だろうか?

同じクラス、同じ性別、同じ年……何故彼女たちは殺されなければならなかったのか?

理由が不明。

両方とも異常者ではないと思う。そういう情報を勇さんから聞いていないから。

同じクラスだから?このクラスが何かを起こしたのだろうか?

……一般的に考えるとそうなるのだろうが、しかしいったい何をしたというのか?

そして何故この二人だけが狙われたのか?

いや、実はこの事件はまだ続いていて、次の被害者が出るのかもしれない。

……第三の被害者が出れば捜査も楽になるという話しだけど、そんなことを願うのは人間として間違っているだろう。

まあ僕は人間としては間違っているのでそうなることをちょっとだけ願ったりする。

つまり、他人の不幸なんて知ったこっちゃない。

身内の不幸なら、それはもう大騒ぎではあるけど……

所詮人間なんて自分勝手な生き物なのだ。

第一の被害者、第二の被害者、第三の被害者……

着目点はそんなところじゃないなぁ。

何だろう……何か、僕は何か決定的に間違っているように思える。

「まあいいや。解けなくても問題はない」

犯人がわからないならわからないで問題はない。

犯人に会わなければ、直接対決はすることないし、僕らの安全は確保されるのだ。

ただ勇さんの財布の中身が寒くなるだけだ。

こうして事件が解けなかったとしてもポジティブに考えられるようにしながら、福田さん宅に向かった。


福田さん宅は大きくもなく小さくもなく、まあ中堅ぐらいの、飯田岡さん宅とあんまり変わらないぐらいの大きさの家であった。

庭もあって、僕らと同じ年ぐらいの女の子が花に水をあげていた。

これから雨が降るというのに……

……ここであげる問題はそこではない。

つまりは、いきなり被害者家族とご対面であった。

「あれ?どなたさま……あれ?あれれ?綾瀬君?」

しかも知り合いだった。

そういえば顔を見たことあるような……

確か、同じクラスの……

って、福田さん宅に訪れているんだから、この花に水をあげている子は福田さんに決まっている。

だから僕としては珍しく、大して面識のない相手の名前を一発で当てることに成功した。

「えっと、福田さん。だよね?」

「あ、うん。そうだよ。同じクラスの」

「知ってるよ。でもどうしてここに?」

「だって、ここ私の家」

そうだった。なんて質問をしているんだ、僕は。

ちょっと状況を整理しないと……

えっと同じクラスの福井さんはどうやら第一の被害者福田さんの家族らしい。

つまり……僕ら福田冬菜さんの友達ですという設定は早くも崩れ去ったというわけだ。

え?それどうするの?

「あの後ろの二人は?」

「え?ああ、紹介するよ。僕の妹の綾瀬柚子と友達のトモだ」

「どうもはじめまして」

「何で私だけフルネームじゃないですか!?」

あ、嘘つくの忘れた。

でも、もう嘘ついても無駄だしなぁ……どうしようか?

まあ後で考えよう。

「トモの方はクラスのほうにたびたび来ているから、福田さんも面識あるんじゃないかな?」

「そうなの?うーん?ごめんね。よく思い出せないよ」

「そう?」

あれ?何か引っかかるけど……まあいいか。

僕はそれほど福田さんと親しくもないし、トモのことを知らなくても何らおかしくはない。

「はじめまして二人とも。私は福田春菜です。よろしくね」

にこりと笑い挨拶をする福田さん。

なるほど名前は春菜というのか。忘れないようにしておかないとまた失礼なことになってしまう。

「それで……綾瀬君。私の家になんのようかな?」

……全く厄介なことになってしまったなぁ。

どう切り抜けようか?

「福田、冬菜さんって……君のお姉さん、だよね?」

年齢的には確かそのはずだ。

福田冬菜さんは西宮高校二年で、春菜さんは僕と同じクラスなのだから、計算すれば一年向こうが上だ。

「お姉ちゃんが、何なんですか?」

「確か一週間ほど前、電車に飛び込んで自殺を……」

「お姉ちゃんは自殺なんてしていない!!」

強い怒りがこもった声。

こいつは厄介だ。飯田岡さんの母親とは違う。

怒るということは愛情があったという証拠。

愛情を交し合っている家族。

それだけに聞きだせる情報は大きいだろう。

「でも世間的にはそうなっている」

「そうだけど。でも、でも違う!自殺じゃない!あれは自殺なんかじゃない!」

「そうだね。僕の知り合いの刑事もそう思っている」

「え?」

「実はね。僕は高校生なんだけど、ある刑事の手伝いをしているんだ。ほら漫画とかで良くいるだろう?刑事の手伝いをして事件を解決する高校生。あんな感じ」

我ながら凄い嘘でいったな。

「え?え?ええ?でもそれって漫画の中の話じゃ?」

漫画の中の話です。

「実際にも何人かいるんだよ。数は少ないけどね。若くてもコネと実績があれば捜査を手伝うことが出来るんだ」

「そうなんだ……びっくり」

僕もびっくりだ。

「僕の知り合いの刑事は、この事件は自殺ではないと考えている」

「ほ、本当に?」

「本当さ。嘘なら僕はここにいない」

大嘘ですが。

「どうも、現場の状況から推測するに自殺ではないようだと。そこで僕に冬菜さんのことについて何か聞き込みをしてこいと頼んできた。ほら、僕春菜さんとクラスメイトだからさ。どうもうまく聞きだせると思ったみたい」

「そうだったんだ」

そんなわけない。そんなわけがない。

もっと現実を見ようよ。春菜さん……

「ちなみに柚子とトモも僕と同じだ。よく三人で事件を担当している」

「す、凄いね。みんな」

もう、言われるがままですね。春菜さん。

「身内の方が亡くなって悲しむ気持ちはよくわかる」

本当によくわかっている?

「だけどね、この事件を解決するにはどうしても君の協力が必要なんだ。話を、きかせてくれないか?」

「……わかったよ。お姉ちゃんが自殺ではないということが立証されるのなら、そしてお姉ちゃんを殺した犯人がわかるなら……協力するよ」

……何か嘘のようにあっさり協力してくれた。


「私とお姉ちゃんは双子なの」

僕らは生前の冬菜さんの部屋だという場所にあげられた。

冬菜さんは綺麗好きなのか、それとも亡くなった後に片付けられたのかはわからないが、部屋は綺麗に整理整頓されていた。

少女チックな部屋で、ぬいぐるみがたくさんおいてある。

柚子や小鳥の部屋に近い。

……そんな部屋の説明はどうでもいい。

今、春菜さん凄いことを言わなかったか?

春菜さんと冬菜さんは双子?

そんなバカな?

「ちょっと待ってもらえるかな?冬菜さんは……確か西宮高校の二年生だよね?」

「うん、そうだよ」

「僕ら東北宮の一年生だよね」

「うん、そうだよ。当たり前じゃない」

「年齢が合わないじゃないか?」

「私の誕生日が四月一日で、姉の誕生日が三月三十一日なの。十五分違いだったとか」

うわぁ、非常にややっこしいなぁ。

双子なのに学年は一つ違いか……

「普通そういう場合はどちらかに合わせたりするらしいんだけどね、両親が『それも運命だって』言って、違う学年になったらしいの。おかしいよね。同じように成長してきたのに、向こうは一年早く学校に通うなんて」

「確かにおかしな話ではあると思う」

双子なのに違う学年。

姉は死んで妹は生きている。

途中まで同じように育ってきたのに……それを分けたのはいったい何だったのだろうか?

「あの……福田冬菜さんの遺品を見させてもらってもよろしいでしょうか?」

「あ、うん。いいよ、妹さん」

「……ありがとうございます」

「あ、でも綺麗に扱ってよ。お姉ちゃん綺麗好きだったから」

確かに部屋もそしてここに在る物も全てがまるで新品のようだ。

「それでは私も漁るです!」

「ちょっと待て、トモ」

この娘だけは止めておかなければなるまい。

「な、何ですか!?真君!どうして私の前に立ち塞がるのですか!?」

「トモ……お前は、お前だけは動くな」

「な、何でですか!?」

「何か壊されると困るから」

「ちょ、直球で言うなんて酷いです!鬼です、真君は!」

「いいから黙って座ってなさい」

「うぅ~。はいですよ」

まあ、トモも自分のことはよくわかってきたようで、黙って僕の言うことに従った。

これで自分のことをちびっこと認めれば話も楽なんだけどなぁ。

……さて?何が楽なんだろう?

「それで、何かあったか?柚子?」

「……えっと、日記帳がありました」

「お姉ちゃんは毎日日課として日記をつけてたから。えっと確かそれは一番新しい物だと思うよ」

「確かに綺麗だね。その日記帳」

まるで新品のように綺麗だ。あまり使っていないのではないだろうか?

「この日記……見てもいいかな?」

この日記を書いた者はもうこの世にはいないのだけど……これもやはりプライバシーの侵害というものになるのだろうか?

「どうぞ……と言っても私のじゃないけど」

「春菜さんの許可も得たから、見させてもらうか」

「そうですね。では開きますよ」

柚子がページをめくった。


一月一日 晴れ

今日は春菜と一緒に初詣に行った。

おみくじを引いた。『吉』という結果だった。

『吉』というのは正直良いのかどうかよくわからない。はっきりしない。

『大吉』なら幸運だ。『凶』なら不幸だ。

これらははっきりしているのに、他のははっきりしない。

でもそのはっきりしないのが、また味があるのかもしれない。


「……」

「……」

「確かにそうです!『吉』ははっきりしないですよ!おみくじはもっとわかりやすくすべきなんです!!私はこの意見に賛成です!」

そんな討論していない。

「えっと、変わったお姉さんなんだね?」

「えっと、多分日記の書きはじめだからちょっと調子に乗っているだけだと思う。次の日からは普通だと……」

そう言うのなら……僕は一月二日の日記に目を通した。


一月二日 晴れ

今日は一日中家でごろごろしていた。春菜と。

寝正月だ。ゴロゴロ。


「……」

「……」

「私も今年のお正月は寝正月だったです!お兄ちゃんがいなかったから一人でとてもつまらなかったです」

……他人の日記を見ると、どうしてこうも罪悪感が沸いてくるのだろうか?

「なんていうか……個性的なお姉さんだね?」

「でも人間ってそういうものだよね」

「え?」

「同じ人間なんて一人もいないんだもん。個性的で当然だよ」

そうだろうか?

僕には人間が同じに見える。他人は全て同じに見える。

「しかしうまい具合に一月一日から始まっているんだね?」

「お姉ちゃんは几帳面だったからね。一年に一冊のペースで日記を書いていたみたい」

「じゃあ、これは一番新しいやつということだから……ちょうど今年のやつか」

「うん。だから綺麗でしょ?」

……綺麗だけどね。

柚子がペラペラとページをめくった。

当然と言えば当然なのだが、やはり日記は事件の前日で終わっていた。

「事件の前日に書かれている内容も変わったものではないようですね……やはり事件は自殺ではなく他殺だったのでしょうか、お兄ちゃん?」

柚子が演技に合わせてくれた。

こういう相方だといろいろと楽で助かるなぁ。

「うん。そうだね。やはりその方面で調査をすることにしよう」

「私もハヤシライスよりカレーライスの方が好きです!気が合いますですね。冬菜さんと!」

「春菜さん。一応他の日記帳も見せてもらって構わないかな?」

「あ、うん……いいけど、去年の日記帳までにしてもらえないかな?」

「どうして?」

「……実はね。お姉ちゃん中学生の時までいじめられてたの」

「え?」

「お姉ちゃんは私と一緒に産まれたのに私より一年早く学校に行ったでしょ。だからね、他の子よりも身体が小さかったんだ。身体が小さいだけでいじめられる原因になるかって思うかもしれないけど、いじめられる原因は何が原因でもなりうるよ。お姉ちゃんの場合はそれだったの。小学校のころからでね、中学に入ったらそんなに周りと変わらない身長だったけど、それが引きずってね……中学までいじめられていたんだ」

「そうだったんだ」

「だからお姉ちゃんは無理をしてでも西宮高校に入ったの。誰も自分のことを知らないであろう高校に……そのかいがあってか、高校ではいじめはなくなったみたい」

「……」

「去年までの日記ならおそらく暗いことも書いていないと思うの。だけど、それ以前は……きっと私は読めないよ。読んで欲しくないよ。誰にも読んで欲しくないと思うよ」

「それは……」

いや、やめておこう。

いじめ……いじめか。

果たしていじめるほうが悪いのか、いじめられるほうが悪いのか?

「……わかったよ。去年の分までしか読まない」

「ごめんね。何か捜査の邪魔をするようなことを言っちゃって」

「気にしなくていいよ。こう見えても僕は優秀でね」

嘘なので、少しぐらい自分を過大評価してみた。

「それで、去年の分はどれかな?」

「あ、うん。これだよ」

春菜さんは一冊の日記を取り出した。

前と同じようにそれはとても綺麗に保存されていて、とても一年半以上の年月が経っている物だとは思えないものだった。

「四月までは……ちょっと見せられないけど」

「うん。わかっている」

去年の三月までは、冬菜さんも中学生だった。つまりこの日記も見られたくないところが存在するということだ。

四月からの日記の内容は、さっき見たものとなんら変わりはなかった。

まるで毎日が同じように、書かれていた。

「冬菜さんはいつごろから日記を書いていたの?」

「確かだけど、小学校五年生ぐらいから、かな?」

五、六、一、二、三、一、二……全部で七冊か。

日記が置かれていた棚をみると、確かにそこには残り五冊が置かれていた。

やはりこちらは年月を感じさせる。

「ねえ、冬菜さんってどんな人だった?」

「どんな人って言われても……それは人によって印象が違ってくるものだと思うけど、私にとっては優しいお姉ちゃんだったよ」

何かを思い出すよう幸せな笑みを浮かべる春菜さん。

「仲のいい友達とかわかるかな?」

「うーん。わからないよ。高校に入ってからはみんなと仲良くしていたようだから……特定の親友、みたいな人はいなかったみたい」

「ふーん」

それじゃあ、どうしようか?

まあ、いいか。

こんなもので。

「ありがとう。参考になったよ」

「本当に!?参考になった?じゃあお姉ちゃんの事件は……」

「それはまだわからない。よく調査しないとね」

「……」

「それじゃあ、また学校で……あ」

「ん?何?」

「くれぐれも友達には僕が刑事の手伝いをしているなんてことは秘密にしてくれよ」

「くす。わかってるよ」

「頼むよ」

本当に頼むよ。

クラスのみんな騙すのは骨が大変折れるのだから。

……そうして僕らは福田さん宅を後にした。

勇さんと合流すると、盗聴していた勇さんは僕の予想通りあることを訊いてきた。

「なぁ。日記にはいったいどんなことが書いてあったんだ?」

「それはプライバシーに関わる問題なので教えられません」

「ケチ」

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