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りあるR・P・G  作者: 吉本ヒロ
旅の仲間たち
2/12

始まりの村

勇者のやる気が出た所でようやく画面がブラックアウトする。

ドンドンドン、と扉を叩く音と共に、「う~ん」、と誰かが寝苦しそうな声をあげた。

「やるんじゃないのか! なんで初っ端から寝てんだよ!!」

「何でもない日常風景から始まる、なんて展開はよくあるだろ? 雰囲気から入らないとね。……という寝言……zZ」

「器用な寝言だな、普通口でゼットゼットまで言う奴いねぇよ!」

「寝言だからこそ、普段は言わないおかしな事も言うもんなんだよ……zZ」

「とりあえず会話が成立してる時点でおかしいからね、それに二度目はもういいよ! いいからさっさとやらせろよ!!」

「おいおい、朝からやらせろよ、とか、これってまさかの主人公がいきなり貞操のピンチってやつ? こういうのはヒロインの役だと思うんだけどな……zZ」

「笑えない冗談はそこまでにしとけよ? キレやすい世代みたいだからさすがにあと一歩で本気でキレるよ?」

「キレて一番損をする人間はキレた本人……zZ」

「よし、やるか」

 勇者の言っている事は痛いほどに正論だ。たしかにここに来るまでに費やされた労力や買ったばかりのゲームができなくなるのは辛い。しかし時には不条理とも闘わないといけない事もある。そして今がその時なのだ!

「……………………」

「完全に寝たことにしやがった!」

僕の本気を悟ったのか、完全に無視の方向できやがった。

「…………はぁ」

削がれた気勢をため息と共に気分を入れ替える。

勇者とのやり取りをしていた間に再びドンドン、と扉を叩く音がする。

大方、少しガサツだけど実は主人公の事を好きだけど素直になれない幼馴染でも起こしに来たのだろう、なんて思っていると一際大きなドンッ、という音と共に勢いよく扉が開き大きな足音と共に誰かが近づいてくる。

さて、RPGで最重要要素の一つといえるヒロイン候補の顔でも拝ませてもらうか。

製作者側もそこは考慮してくれていた。そうキチンと、アップで、画面に映されたのはフライパンだった。

「おいぃぃいいいい! なんでそこでフライパン!? そこは普通幼馴染だろ!」

幼馴染のかわいい女の子、なんて幻想(ゆめ)は早くも()め、現実ではフライパンを振りかぶった中年の女性がいるだけだった。

手心が一切加えられないままにフライパンが振り下ろされる。

ゴン、という音の直後にジュウウゥゥ、という何かが焼ける音がした。

「ぎゃあアぁぁアアああああ!! 顔が、顔が焼けるううううぅぅ!! 俺の、俺のハンサムで二枚目な顔がああああぁぁ!」

「悪いがそれはない。同情するけどそれはない」

勇者への先程の怒りは霧散し、本気で同情してしまう。しかしなんで開始早々、一度もRPGらしい戦闘を行っていない日常風景で死にかけるのだろうか。

あんな事を言えるくらいだからまだ余裕はあるのだろうが。

「ようやく起きたわね、このままずっと寝た切りなんじゃないかと思ったわ」

「誰かのおかげでそうなりそうだったんだけど……。それにもう少し睡眠はとりたかったけど、永眠するよりは、ね。まだまだやりたいことはいっぱいあるし」

あの一撃をもらいながら、未だにどこか眠そうな声で皮肉を告げる。が、そんな勇者の抗議など聞こえていないかのように女性は窓のカーテンを開ける。

「まだ寝たいならそれでもいいわよ? それが嫌ならいい加減に起きてさっさと朝ごはんを食べに来なさい、アアア。先程王宮から使者の方が来られて勇者として魔王を倒してくるように、って言っておられたわよ」

「……………………」

「……………………」

予想していた事とは言え、本当に「アアア」と親から呼ばれるのは哀しすぎた。他人から見れば親の正気を疑われることだろう。あれだけ傍若無人に振舞っていた勇者でさえも黙りこんでいたせいか、呼ばれた瞬間に周囲の音がすべて消えるような錯覚を覚え、嫌な沈黙が訪れた。

「………………なんか……ゴメン」

「………………いや、分かってくれればそれでいいんだ」

自分も勇者も、気まずい空気の中でぼそぼそと喋る。これが初めて、勇者と心が通じた瞬間だった。

「まだ寝ぼけてんのかい? なんなら目を覚まさせてあげてもいいんだよ」

「それ以上は永眠コースだから全力で遠慮する!」

勇者はこれ以上余計な攻撃をもらわないように、急いで布団から出る。

「アアア、引きこもりになる前に言ってたわよね? もし魔王が出たらちゃんと勇者になるからそれまでは自由を満喫させてくれ、って」

「ええと、多分それは気のせいか似たような紛らわしい発言で、もういい歳なんだしちょっと耳が遠くなりかけてたから聞き間違えたとか?」

「言ってたわよね?」

「もちろん言わせて頂きました!!」

画面いっぱいに広がる中年のおばさ……もとい麗しのマダムからの圧力に勇者と共に、自分まで耐えきれずに思わず背筋を伸ばして踵も揃えた敬礼をしてしまう。

「それならいつまでも引きこもってないで、さっさと魔王を倒してきなさい」

「いや、ちょっと近所までお使いに行ってこい、みたいな軽い感じで言われても内容は軽くないからね。そんなヘビーな内容、田舎に住むただの引きこもりには荷が勝ちすぎると思うんだ。具体的には旅立って1時間後には魔王に辿りつく前にそこら辺の雑魚に殺されちゃう位に。だからちょっと冷静に考えてみようか。ただの引きこもりに倒せるようならさっさと倒せるようなら誰かがもう倒して…………」

 勇者のささやかな抵抗は、マダムの一睨みで封じられる。

「今すぐ、ちゃちゃっと倒してきます!!」

今までの気だるげな行動が嘘のようにきびきびした動作ですぐさま服を着替え、渡されたマントをはおり、そのまま居間に用意してあった、恐らく旅に欠かせない道具が詰まった革袋を肩にかける。

そして家族に別れの挨拶を――

「親父ー、いつも壁に飾ってある剣をくれよ。このまま飾ったままだと宝の持ち腐れだし、武器がないと王宮に着いた時にカッコつかねーしさ」

「お前の事だ。街に着いたら直ぐに武器屋へ売るのだろう? 今までお前と暮らしてきたんだ。お前の魂胆が読めないとでも思ったか!」

「まっさかー、そんなことあるわけないじゃん。……武器屋じゃなくて質屋だよ」

「さっさと出て行け、このバカ息子!!」

――することもなく、勇者のお父さんが手に持った斧を振りかぶるのを見て、勇者は慌てて家を飛び出した。背後では扉を閉めた音とほとんど同時にバキッ、といった音がし、木製の扉から鈍色の刃が顔を覗かせていた。


       ◇


「さて、と。困ったな」

と言った勇者の足取りは軽く、近くを散歩するといった雰囲気で、軽快な口調はまったく困ってなさそうに勇者がぼやいた。

きっとこの素振りでは反省も後悔もしていまい。

ふざけ過ぎたことが原因でほとんど着の身着のままで家を飛び出した勇者は、どうやって王都まで行くのかを考えているようだ。

王都までは歩いて半日はかかるらしい。普通に物語を進めれば貰えたはずの装備品はないから雑魚モンスターともまともに戦えないだろう。かと言って辻馬車で行こうにも金銭的に論外。

つまり開始直後から万策尽きた状態になってしまった。

最悪、『逃げる』が成功するたびにセーブ、失敗すればロードの繰り返しで王都まで行く可能性もないわけではないが、最近まで引きこもっていたらしい勇者が戦闘で『逃げる』、を成功する可能性はきっと低いだろう。それを実行したらどのくらい時間がかかるかなんて想像もしたくない。

それにしても引きこもってた勇者が出てきたことが珍しいのか、さっきから随分と村の人にチラチラと見られている。中にはバカにしたような態度をとる者もいるし、勇者もその視線には気付いているはずなのだが、全く意に介さずに堂々と歩を進める。

「まあこうなった以上しょうがない。『おなべのふた』は諦めて、とりあえず『ヒノキの棒』でも拾ってから王都まで歩くしかないだろ」

「ププッ、バカだ、バカがいる。んなただの木の棒が本気で戦闘に役に立つと思ってんの? 魔物相手にまともなダメージなんか与えられねえよ」

「うるせえよ。つーか何も持たずに出たお前の責任だからな」

「現時点で何も出来ないと諦めたお前と俺の格の差ってやつを教えてやるよ」

「なんだ、スライムにでもやられるのか?」

「え、何? お前スライムが弱いと思ってんの? バカだ、バカがいるよ。もうこの時点で大人と赤ん坊くらいの差がついてるな」

「え、なんで僕がバカにされてんの? 挑発も分からないのか? ……いや、それっぽいこと言って騙そうとしてもそんな手段通じないからな」

言わずと知れた雑魚の代名詞とも言えるスライムに苦戦するわけがない。それこそどこにでも落ちている木の棒辺りでも勝てるだろう。

「おっと、あそこにいるのは……」

「いや、もういいけどさ。もう少し自然な誤魔化し方しろよ」

勇者の視線の先にはこれから行く場所、つまり王都の方角から歩いて来た旅装束に身を包んだ少女だ。

「助けて~、ドラ○モーン」

「誰が未来から来た、全く猫に見えない猫型ロボットよ!」

勇者の一言に素早く、そして的確なツッコミをいれたのはその少女だった。ただ離れた場所から駆け寄り、勢いのあまり飛び蹴りをお見舞いしていたが、勇者も予測していたのか難なくかわす。

勝気な瞳に肩にかかる程度で切りそろえられた髪。防具は籠手と脚甲、胸当てだけの動きやすさを重視した装備スタイル。そんなシンプルな防具とは反対に、背中には身の丈ほどもある大仰なまでの意匠を凝らした弓を背負っている。

しかしながら、揃いも揃ってナチュラルに現実世界に対して干渉したり知識を持っていたりするのだろうか不思議でならない。

「解説どうもありがとう。感謝を述べたついでに困っているから俺を助けろ」

「……はぁ、帰ってきて最初に会ったのがアンタとはアタシもついてないわ。それにしても相変わらずね」

仲の良い知り合いなのだろう。勇者の不遜な態度に呆れたような溜息をつくが嫌ってはいないようで、気安さも感じられる口調で話しかける。

「しかし珍しいわね。ここ何年かほとんど引きこもりだったアンタが家を出るだけでも滅多にないのにましてや村を出るなんて……」

思い当たる節があったのか、一度言葉を切った後、確信めいた口調で尋ねた。

「……とうとう、来たの?」

それは疑問ではなく、確認に近かった。

そして平静を装う勇者も僅かばかりの緊張を滲ませる。

「アタシも職業柄、王都で幾度ともなくその話題は聞いていたわ。それに魔族の侵攻の場にも何度か立会ったし戦闘もした。大丈夫なの?」

勇者の反応から確信を得たのか、返事も待たずにそのまま話を進める。

「お前が俺に喧嘩で一度でも勝てたか?」

「確かにそうだけど、でもそれとこれとは勝手が……」

「同じだよ。雑魚と戦う必要はない。隠れて、逃げ回って、不意を打って魔王と闘い、そしてどんな手段を使ってでも最終的に勝てばいい」

「でも……。もしアンタがまだあの事を――」

「なんてね。ま、最悪尻尾巻いて逃げればいいし、俺なら大丈夫でしょ」

まだ納得出来ていないような、不安が隠せないような顔で続けようとする少女の言葉を勇者が一際明るい声で強引に打ち切った。

「何、その根拠のない自信……。それにお前って本当に喧嘩強いの?」

いくらゲームとはいえ、特別に体格が良いわけでもなく、しかも引きこもりをしていたような人間が実戦経験を何度も積んでいるこの少女よりも強いとは思えなかったからだ。

「……あれ、今どっかから声聞こえなかった?」

 勇者の親には聞こえてなかったみたいだけど、どうやらこの女の子は僕の声が聞こえるんだな、と思い、自己紹介をしようと思った矢先に――

「実は俺が旅をするきっかけになったのがこの御方でな。どうも神様のようで圧倒的な力を以って魔王を始めとするほとんどの敵はこの御方が打ち滅ぼして頂けるみたいだ」

――勇者が先手を打って大仰な紹介を始めやがった。

口の端がヒクついている辺り、いたずらをする子供そのままの楽しそうな顔を抑えきれていない。

「…………え、ええーっ!? それならそうと早く言いなさいよ! 申し訳ありません、神様! あぁ、アタシ何も粗相してないよね……」

が、あまりの事態に理解が追い付かず、自分の事に手一杯な少女はその事に気付いていないのだろう。一瞬悪ノリしようと思ったが、慌てて身だしなみを整え、跪く少女を見て、さすがにこれ以上慌てさせるのも可哀そうに思えたので正体を明かす事にする。

「ええと、はじめまして、僕はプレイヤーと言って勇者を操作……はあんまりさせてくれないし……まぁ勇者の相談……もしてくれないけど相談役みたいなのをやってる者です。決して神様とか魔王を倒せる圧倒的な力とかはないんで、姿の見えない同年代の人間だと思って普通にお願いします」

「つまんねぇな、ノリが悪ぃぞ。もっと付き合えよ」

「…………え? 神様じゃなくて普通の人間?」

「姿がみえないしちょっと特殊な立場ではあるから普通じゃないかもしれませんけど、一応普通の人間です」

少女が僕の言葉を理解した瞬間、ひそかに後退って距離を置いていた勇者を弾かれた矢のように追いかける。

さすがに動きやすさ重視なだけあってか、見る間に勇者へと追いついき跳び蹴りをくらわせる。

「俺の予想ではあの距離であのタイミング、間違いなく逃げ切れる筈だったんだけど……リーゼ足速くなった?」

「アンタのデータは古いのよ! ずっと旅をして鍛え続けた私と引きこもりのアンタを比べるな!!」

地面に倒れた状態で背中を踏まれているのに、尚も往生際悪く逃げようとする勇者に、より体重をかける。その場所からミシミシと骨の軋む音が聞こえ、勇者が声にならない悲鳴を上げていた。

反撃のためか逃走のためか、必死にあがき、のたうち回っていた勇者が突然動きを止め、急に目を細めたり頷いたりする。

しばらくの沈黙の後で、世の(ことわり)を知りつくした賢者のごとき雰囲気で語り始める。

「黒……か、個人的にはお前は無難な白か水色当たりだと思うのだが。予想以上に大胆だったな。ごちそうさまでした」

そう言って、うつ伏せになっている状態で、深々と頭を下げる仕草をする。

「…………何の事よ?」

「お前が良いなら構わないけどパンツ見えてるぞ」

「――っ!!」

勇者が何か言っていたが、その瞬間踏まれている部分からボキッといった音と勇者のギャッ、という短い悲鳴が聞こえてきたが聞かなかったことにしておこう。

一時間もしない内に雑魚ではなく味方に殺されたようだった。

崩れた文字で『くろ』とダイイングメッセージを書いていたが、まさか下着の色だとは誰も思うまい。

「ええと、それでコイツって本当に強いの?」

再起不能になった勇者は放っておいて空気を変えるためにも先程抱いた疑問を口にする。

少々顔が赤くなってはいたが、緩くなった空気を払しょくするためか蒸し返すことなく話題に乗ってきた。

「ええと、コイツの場合は強いというよりズル賢いって言うのかな。罠を張り巡らし、利用できるのなら自分さえも囮に使う。力が強いだけが取り柄でコイツに負けっぱなしの奴は卑怯者って罵ってたけど、少なくとも今までコイツに勝てた人間は大人でさえいなかったわね」

まぁコイツの両親だけは例外だけどね、と目を細めながら小さく苦笑する。

思わぬ所で勇者の意外な一面を知ってしまった。しかし、性格と言い闘い方と言い『勇者』と呼ぶには程遠いようだ。

「っと、このバカのせいで自己紹介遅れたけどあたしリーゼ。不本意ながら同じ村にいるし、家が隣だからこのバカとも幼馴染みたいなものかな。よろしく!」

 正直もう少し物怖じすると思ったけどそういった事に頓着しない性格のようだ。

「僕は――」「『アアア』だ」

……根に持ってやがった。

コイツ回復していたのにまだ倒れているフリを続けてやがったな。大方リーゼの隙を窺ってたんだろうけど、復讐の方が優先のようだな。ここぞとばかりに復讐しやがった。

「……ぼ」「『アアア』だ」

「」「『アアア』だ」

まだ何も言ってないのに!?

しかしどうあっても名前を言わせてはくれないようだ。

「分かった! 分かったから、プレイヤーと呼んでくれればそれでいいよ」

仕方なく諦めて、ため息一つ()きながらプレイヤーで妥協する。少なくとも『アアア』よりはマシだろうし。

リーゼが視線でどことなくご愁傷様、と告げた気がした。

「それで、何で困ってるの?」

「ああ、家を追い出されてな。王都に行けって言うのに金もなければ武器もないから行くことも出来ないんだよ。酷い話だろ?」

「どうせまたアンタが何かやらかしたんでしょ?」

即答で言い当てる辺り、さすがに昔から勇者の幼馴染をやっているだけはあるようだ。

気まずそうに目を逸らす勇者を見てリーゼが小さく溜息を吐く。

「まぁいいわ。それじゃあ辻馬車の代金くらいは貸してあげるから、その後は王様にでもたかりなさい」

「さっすが、話しが分かる。やっぱ持つべきものは幼馴染だね」

「あくまで貸すだけなんだからね。ちゃんと返しなさいよ」

「分かってるって、そんなに心配すんなよ」

「アッ、アンタの心配なんてしてないわよ! お金がちゃんと返ってくるか不安なの! 期限は設けないけど必ず返す事、いいわね? 必ずよ!」

お金を渡す時に、少しだけ勇者の手に長く触れたのも、くどいくらいに念を押すのも、やっぱり勇者が心配だからなのだろう。

「いや、始めから金の事なんだが……」

「――ッつ!?」

が、そんな気遣いなど勇者には通じていない。リーゼは自分のミスに気付いたのか、赤面して視線だけでなく顔ごと逸らした。

「……辻馬車だけじゃなくてご飯とか宿代とかも必要だろうから少し多めに渡しておくわ」

「……いや、助かるけどこれだけあれば一ヶ月は余裕で過ごせるぜ?」

「旅の始めは色々と物入りなの、先輩の言う事は聞いておくものよ!」

この世界の相場は分からないが、勇者の言葉と金額から推測するに直ぐには返しきれないだけのお金を渡してきたのだろう。

それを半ば強引に押し付けた後、用は済んだと言わんばかりにお礼さえ言う暇もなく走って村へと帰っていった。


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