面接試験
「もちろんあなたのことも良く知っているわ、
怪物の手助けをしているんでしょ?」
パリスが不気味な笑みを浮かべながら
デイビッドに問いかける。
「そうだとも、パリスさん
確かにオレは怪物の手助けをしている、
そしてその怪物の悪事を取り締まるあんたが
何でこの仕事をやりたがっているのかは
オレにはわからない」
デイビッドが聞き返す。
「実は私、ある怪物と契約を結ばされたの」
パリスが回想をする。
「あれは、三日ほど前のことになるわ
私はコヴェントリーで覚せい剤の
密売を牛耳っていたフレディという男に
警察への見せしめとして
潜入操作をしていた刑事の夫を殺されたの」
パリスが淡々とした口調で続ける。
「実はフレディは魔法使いとしても有名な男でね、
悲しみにくれていた私にこんな電話をしてきたの」
その電話を録音したテープを
パリスが再生する。
「お前の夫を生き返らせてもいいだろう、
我々は元々殺人をしないというのがルールだったからね、
ただしそれには条件があるんだ、
一つはお前に警察官をやめてもらうこと、
そして我々に関与しないこと、
最後に、我々魔法使い達の手助けをしてもらうこと」
パリスがテープを一時停止する。
「これが今回あなたの元にやってきた理由よ」
デイビッドがパリスを抱きしめる。
「辛い思いをしたんだな」
「それで、パリスさんは魔法たちにどんなことを
手伝うように言われたの?」
アビーがパリスに話しかける。
「おいアビー……」
「実は私はフレディのことなんか信用してはいない、
彼らは私に警察組織に麻薬事件のことを
黙らせるように言ってきたの、
でもそれをした時点で彼は夫を生き返らせはしない」
パリスが涙を流す。
「で、あんたはここへ何をしに来たんだ?」
デイビッドがパリスにコーヒーを
差し出しながら言う。
「ここの従業員となってフレディを助けるフリをして
彼に復讐をしてやりたいの」
パリスがコーヒーを飲みながら言う。
「そうか……
そういうことなら仕方ないな」
デイビッドが考え出した。
「今日の面接はここまでにします、
結果は後日お知らせいたします」
デイビッドはそう言うと、コーヒーを
飲み終えたパリスをカマロでパリスの
家まで送ってあげた。
翌日、パリスは自宅アパートで
新聞を読んでいた。
すると、家の電話が鳴った。
「はい、パリス・クラークですが……」
「やぁパリス、こんにちは」
声の主はデイビッドだった。
「今回、君をオレの後継者にしようと思う」
「そう、ありがとう……」
パリスが礼を言う。
その日の晩、パリスは「ウィリアムソンの店」に
入り、アビーと出会った。
「こんばんは、アビー」
「待っていたよ、パリス」
パリスがカウンター席に座る。
「デイビッドはそろそろ来ると思うけど……」
アビーがそんなことを言っていると
店の置くからデイビッドの姿が現れた……