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midnight quest  作者: ヨコワケデュガリー
ジョージ・レスコット 27歳
12/18

にんにくアレルギー

遊園地に入ると「リチャーズ」という

犬のようなマスコットキャラが現れた。

「ねぇジョージ、写真撮ろうよ」

マギーがはしゃぐ。

「うわぁぁぁ」

ジョージが叫ぶ。

「リチャーズ」のお腹には小さな

十字架の絵があった。

「怖いよー」

ジョージが目を伏せる。

「何で? かわいいじゃん」

マギーが強引にジョージの手を引く。


近くの係員にカメラのシャッターを押してもらった。

出来上がった写真には笑顔で写真に写る

マギーと青ざめた表情のジョージが写っていた。

「ねぇ、何でこんな表情なの?」

マギーが笑う。

「もうだめ、これメッチャ怖い」

ジョージが震えている。


その後、ジョージとマギーは

「スカイフォール」と呼ばれる

ジェットコースターに乗った。

「いやぁぁぁ、怖いー」

マギーが絶叫する横でジョージは

「イヤッホー!」

誰よりもはしゃいでいた。

こういう絶叫マシンはジョージにとって

血の次に好きなものだった。


「ねぇ、今の怖かったよね?」

コースターを降りたマギーがジョージに尋ねる。

「全然、楽しかったよ」

ジョージが大はしゃぎで言う。

「さっきのマスコットには凄くビビッてたのに

あのコースターが楽しいなんて……」

マギーはジョージを不思議に思った。


ベンチで昼食をとることになった。

「お弁当にしよう」

マギーが座る。

「ちょっとトイレいいかな?」

ジョージが近くのトイレまで走る。


「なぁ大将、昼飯を食べた後はどうしよう?」

ジョージが個室から電話する。

「そうだな、やっぱ観覧車で告白だろう」

デイビッドが答える。


その頃、デイビッドはコミックコーナーで

同人誌を買っていた。

おそらくはじめて会うはずの人なのに

「あの作品、入荷しましたよ」と

笑顔で言われた。

おそらくジョージは前回もこの姿で来ていたのだろう。


ベンチに座ったジョージとマギーが

ランチボックスを広げる。

「早起きして作ったんだ」

マギーがサンドイッチを手渡す。

ロースとビーフの挟まったサンドイッチは

とても美味かった。

「美味しかったよ、このサンドイッチのレシピって

どうなってるの?」

「実はあんたの嫌いなにんにくを入れたんだよ」

マギーが笑いながら水筒の紅茶を飲む。

「ぎゃあああ」

ジョージが叫ぶ。

ものすごく具合が悪くなってきた。

トイレへと走り去ってしまった。


トイレでジョージはサンドイッチを嘔吐した。

「大将、オレにんにくを食っちまった、

どうすりゃいいんだ?」

「ガムを噛め、あと牛乳がいいらしいぞ」

デイビッドが応える。

「臭いの心配じゃないんだよ!」

ジョージが怒鳴る。


その頃デイビッドは茶道コーナーで

お茶会をしていた。

抹茶の苦さはデイビッドの口には合わなかったらしく、

「ダメだ、ゴブリンの吐き出した毒みたいな味だ」

など呟いて、失笑を買った。


「ごめんね、アレルギーだったりした?」

マギーが心配そうにジョージに聞く。

「大丈夫……」

ジョージがげんなりとしている。

「あぁ、これガム……」

マギーがジョージにミントガムを差し出す。

「ありがとう……」

ジョージがガムをかむ。

ミントの味で少し気分が良くなってきた。

マギーがガムをかみながらジョージに

「ねぇ、ドラキュラ城に行こうよ」と

誘ってきた。



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