表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さんさいうさぎ王子  作者: Magicfactry


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/20

第3話 うさぎのみみのしるし

第3話です。

あさ。


 あめは、すこしだけ、よわくなっていた。


 さんさいのおうじは、ゆびさきを、じっとみている。


 あおいひかりは、きょうも、いる。


 ちいさく。


 でも、ちゃんと。


「……また、でてる」


 ひかりが、ゆらり、と、ゆれる。


 そのしたのゆかに、


 うすく、まほうじんが、うかびあがった。


 まるいせん。


 ほしみたいなてん。


 そして――


 ぴょこん、と、りょうがわにのびる、ふたつのかたち。


「みみ……」


 だいこんが、ずい、と、のぞきこむ。


「うさぎだな!!」


「うさぎですね」


 にんじんが、くすり、と、わらう。


 たまごは、すこしだけ、しずかになった。


「でんか。そのもようを、どこかで、ごらんになったことは」


「うん?」


 たまごは、からだをくるり、と、ほんだなのほうへむける。


「いちばんうえの、あかいえほんを」


 だいこんが、よいしょ、と、とりだす。


 ほこりが、ふわり。


 おうじは、ぺたん、とすわった。


 ぱら。


 えほんが、ひらく。


 やわらかいえ。


 むかしの、おしろ。


 そのうえに――


 かがやく、しるし。


 まるいせん。


 ほしのてん。


 そして。


 ぴょこん、と、のびる、ふたつのかたち。


「……おなじ」


 ゆかのまほうじんが、ほのかにひかる。


 えほんのしるしも、かすかに、あおくゆれた。


「これは、おうけの、ふるいしるしでございます」


 たまごのこえが、ていねいに、ひびく。


「むかしむかし。

 “つなぐもの”のしるし、とよばれておりました」


「つなぐ?」


「こころと、こころを」


 にんじんが、そっとつづける。


「ひとと、もりを」


 だいこんが、うなずく。


「ひとりと、ひとりを!!」


 おうじは、えほんと、ゆかと、じぶんのてを、みくらべる。


 ひかりが、ぴくり、と、はねた。


「……ぼく?」


 しずかなへや。


 あめの音が、とおくにきこえる。


 たまごは、すぐにはこたえない。


 かわりに、やわらかく、こういった。


「でんかのなかに、そのしるしがある。

 それだけは、まちがいございません」


 おうじは、むねにてをあてる。


 どくん。


 ひかりが、ひとつ、みゃくをうつ。


 まほうじんの“うさぎのみみ”が、


 ふわり、と、すこしだけ、のびた。


 そのしゅんかん。


 まどのそとの、くもが、すこしだけ、うすくなる。


 あおいすじが、そらにのびる。


 とおく。


 もりのなかで。


 ちいさなかげが、はっと、かおをあげた。


 みみを、ぴん、と、たてる。


 まるで。


 なにかに、よばれたみたいに。


 おうじは、まだ、しらない。


 その“みみ”が、


 だれかのこえを、きくためのかたちだというこを。

王子を見守って頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ