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明日への想い

遥は、恐る恐るLINEの画面を開けた。


そこには、湊先輩からのメッセージが届いていた。


「こんなことがあるなんて……。」


遥は俄には信じられず、先輩からのメッセージを読んでますます驚いてしまった。


私がギャラリーに来ていたことを先輩は知っていた。


そういえば、あの時慌ててギャラリーを出てきてしまったけれど、芳名帳に自分の名前を書いたんだった。


湊先輩は、また私に会いたいと言ってきたけれど……

どうしよう?


とりあえず、まずは返信をしないとと思い、今日、偶然先輩の個展を知ってギャラリーを訪れたことを書いて送信した。


私、また湊先輩に会えるのかな?


先輩の彼女と思われる人にも会ってしまったけれど……。


気まずいなぁ。

何だか……。


でも、私、湊先輩の作品を何も見ないで帰ってきてしまったんだ。


先輩は、今どんな絵を描いているのだろう?


先輩の絵が見てみたいーー。


しばらく迷ったが、湊先輩もまた、会いたいって言ってくれているし、もう一度ギャラリーに行ってみようかなと遥は思った。


『先輩、実は私、今日先輩の絵を全然見られなかったんです。』

こう書いて遥は、湊先輩に送った。


『えっ、どうして?』

湊先輩からの返信が届く。


『ギャラリーに伺ってから仕事場に忘れ物をしたことに気がついて急いで帰ってしまって……。

だから、もう一度ギャラリーで先輩の絵が見たいです。』


『そうだったんだ。

じゃあ、明日は来られる?

土曜日だけど、仕事はお休み?』


『はい。

明日は、お休みをもらっているので伺えます。』


『じゃあ、明日11時頃ギャラリーで待ってるよ。

楽しみにしてるね。』


『はい。

わかりました。

では、また明日。

私も先輩にお会いするのを楽しみにしています。』 


二人はこんなメッセージをやり取りした後、スマホの電源を切った。


明日、湊先輩に会える……。


咄嗟に仕事場に忘れ物をしたなんて言ってしまったけれどおかしくなかったかな?


遥は心配になったが、多分、湊先輩はそんなことをあまり気にしていないようにも思った。


とにかく、明日またギャラリーに行ってみよう。


遥は、久しぶりに湊先輩とメッセージをやり取りできたことが信じられなかった。


そういえば、先輩のLINEのアイコン、昔のままだったな……。


大学時代、遥と動物園に行った時に見たライオン。


あの時のライオンの絵を湊先輩はアイコンにしていた。


先輩、ライオンが好きだったよなぁ。


自分もライオンみたいに雄々しく生きたいって言っていたような……。


その夜、遥は湊先輩との思い出に浸りながらベッドに横たわっているうちにいつの間にか眠っていた。




一方、湊は遥からLINEの返信があったことが嬉しくてなかなか寝つけなかった。


遥ちゃんとついに明日会えるんだ!


こんな日が来るなんて思ってもみなかった。


今日急いでギャラリーから出ていった女性は、やっぱり遥ちゃんだったんだな。


会ったら、まず何て声をかけよう。

自分のイラストを見てもらいながら、色々説明もしたいし……。


頭の中で事細かに明日のシュミレーションを行う湊。


久しぶりに会う遥ちゃんは、どんな女性になっているのだろう?

俺のことを見てガッカリしたりしないかな。


イラストには少なからず自信があるけれど、自分自身にはどこか自信が持てなかった。


会えるのは嬉しいけれど、彼女には今、付き合っている人がいるかもしれないし……。


芳名帳に書かれた姓は変わっていなかったから、まだ結婚はしていないみたいだった。


それだけが小さな希望だったが……。


急に不安に襲われる湊。


湊は、期待と不安が要り混ざった気持ちでますます目が冴えてきてしまった。



こうしてそれぞれの夜は更けていきーー


新しい朝を迎えた。


すっきりと晴れ渡った空が広がっている。


二人の時間が再び交わろうとしていた。


























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