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■第五話 考察とこれから

前回は特別編を挟みましたが、今回から本編スタートです!お楽しみください!

地面から出てきた怪物を倒した後、俺と愛莉以外の三人が「怪物はどうなった!?」と聞いてきた。

「ああ、愛莉が倒してくれたから大丈夫だよ!どう倒したかは後で話すとしようか。」


俺達は報告をしに、体育館へと行こうとした。すると

「え〜!体育館に行くの!?絶対だるいよ!

だって、なんで外から来たとか、怪物はまだ居るのかとか、怪我はないのかとかさ!

倒したって言っても、でかい音がしないだけじゃ多分信じてもらえないし、色々聞かれるぞ!」

「そうだそうだ!サボるのがいいと思う!だるいし!」

と井口と速水が反対してきた。だるいからかい!


「そしたら、これからどうするよ?」俺はそう聞いた。

「う〜ん、体育館に行かないなら、私は外の人たちが心配だな〜。あちこちで煙上がってるし」

愛莉の言葉を聞き、外を見る。目の前の怪物を倒すのに集中していて外をあまり見てなかったが、確かに煙が出ている。


この学校は少し高台に位置しているので、外が見渡せるのだ。

これは街を見て回ったほうがいいかもなぁ。

「確かに、愛莉の言う通りかもしれない。街を見に行こうか。」


全員の意見が一致し、街を見に行くことになった。この日、俺達は初めて学校をサボった。

そして、波乱な大冒険の始まりだった。


歩きながら話をした。

「まずわからんことが多すぎるから、整理して神に聞けるか試してみるか」と俺が提案した。

「うーん、そーだよねー、まず金銭面じゃないかな?

 今までのお金が使えるか聞かなきゃだよねー」

柳はしっかりしてるなぁ。お金が使えるかなんて気にしなかったわ。


「ほっほっほ。各地の対応が終わったので、個人的にきてやったぞよ。」

どこからともなく、声が聞こえたので、俺達は身構えた。

「そう身構える事はない、質問に答えにきたのじゃ、話は聞かせてもらった。では、答えるとしようかの。」

そう言って神は続けた。


「えー、突然失礼する。人間諸君、君たちの今後の金銭のことじゃが、今あるものは全て私が回収した。

君たちの今までの通貨は今日を持って終わりじゃ。

今後は、新しく『ルヴァ』という単位のものを使ってもらう。それは能力表示で左上に記載されておる。

金銭についての説明は以上で終わりじゃ。

また質問のあるものはわしに聞きにくると良い。

では、さらばじゃ。」

そう言うと、神の声はあっさりと消えた。


喋り方からして、説明については俺たちと言うより、世界全体に向けて話しかけていたのだろう。俺達はすぐさま確認した。

左上には『一万五百ルヴァ』と記載されていた。

なるほど?多分全体に『一万ルヴァ』与えられていて、俺らはさっきの怪物を倒したから『五百ルヴァ』増えているということか。


「結局、なんで異能を与えられたのか聞けなかったな.....」

まあ、さっきの怪物を見る限り、あいつみたいなのが出るようになるから異能を授けたんだろうな。

というか、あの神、わしに聞きにくるといいって言ってたけどあいつどこにいるんだ?などと考えていると……


「そんなことはいいから、街行こうぜ!」

「お、いいな!俺も昨日井口からオススメしてもらったプロテイン探したいんだよな!」

と、るんるんな井口と速水。


「……あ、プロテインで思い出した。俺、能力について分かったことがあるんだよね!」

「「「「今なんだ!?」」」」

流石にちょっと速水の発言が急すぎて困った。


「なんか、戦闘前に自分の能力値見てたらさ、最初に見た時より保有してる魔力量が増えてたんだよ!」

「それで?どうやって増やしたんだ?」

速水の能力について気になったので聞いてみたところ、さっきまでの嬉しそうな様子から一転、少し落ち込みながら話を続けた。

「そ、それが.....プロテイン飲むと増えるみたい...」


みんなで笑った。

「速水!めっちゃ似合ってるじゃん!!!」

「俺もプロテイン飲んだらパワーアップとかがよかった!!」

「へー、速水、お似合いじゃ....ぷふぅ」

「あー!柳ちゃん!笑ってる!いいじゃん!速水くんらしくて!お似合いの能力でよかった...あはは!」


似合いすぎてずっと笑っていたが、「まと、お前は能力ないから笑えないよな」と速水がニヤッとした。

「はい、おっしゃる通りでございます。」頭をこれでもかというぐらい下げた。


「僧侶なのにプロテインで筋肉がすごいって、おもろいな!」

改めて井口が口に出していた。改めて聞くと面白いな!

「速水、今日から筋肉僧侶って名乗れば?ぷふぅぅ!」

柳が自分で提案して笑ってる。ツボに入りすぎだろう。

「筋肉僧侶!?なんか新しいな!?」

速水は驚きながらも笑っていた。


「あ!そーだ!速水の能力もそうだけど、俺、多分愛莉の『形態変化』の条件が分かったかもしれない」

「え!?わかったの?私まだなんで『形態変化』したのかわかってないのにー!!

あの時井口くんが庇ってくれて、そのあと、カー!ってなって、気がついたら目の前が燃えてて、火事になっちゃう〜!って思ってー」


愛莉は戦闘してたし、すごく感情が昂っていたから気が付かなかったのかもしれん。

「あの炎の鎌はなんで変化したかわかるか?」

そう聞くと、「「炎の鎌ってなんだ!?」」と井口と速水が噛み付いてきた。


「ああ、話さなきゃな。

井口が吹っ飛ばされた後、愛莉がそれにブチギレて『怒』ったんだよ。そうしたら、武器が炎を纏った鎌になって、そのまま怪物を切り裂いたんだ。」

……その後火事になりかけたけど。


「愛莉ちゃんってブチギレるんだ....怒らせんとこ。」と速水。

「俺のために怒ってくれたのか〜!照れ.....ぐはっ!」

「調子に乗んな。」

井口は喋っている途中だが、柳に殴られていた。

「愛莉は優しいから、みんなのことが大事だもんな〜」とフォローを入れた。


「あ、本題から逸れたな。それでだな。

愛莉の武器が変化したのは、皆で戦っていて『楽』しいと感じた時。そして、井口が飛ばされて『怒』った時。

つまり、愛莉の感情の変化によって武器も変化しているのかもしれない。」

と俺の想像だが愛莉の能力について語った。


「変形すると、攻撃力が上がるんだろうな。

最初は切れなかったのに『楽』しいと感じたら切れたし、『怒』った時はもっと攻撃力が高いように見えた。

多分だけど、今のところ愛莉の変形のベースは『喜』『怒』『哀』『楽』なんじゃねぇかなと思う。

だから、この仮説が正しければ、最低でもあと『喜』と『哀』の二個も変形が残ってる。

多分だけど。いや、流石に強すぎないか?あの火力があと二個だぞ?」

淡々と考察を語りながら、内心俺は震えていた。強すぎんだろ。俺、能力ないのに。


「それに気がつくまとちゃも流石だね〜」

愛莉はぽけーっとして、他人事のように話していた。

今日起こった様々なことをみんなで歩きながら話していると、街についた。

しかし、そこにいつもの街の景色は無かった。

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