2話 「天師連盟」
「たえよこふえむにくわつ」
「・・・紫?」
そこには、
赤黒く染まり、横たわっている
―――同級生の姿があった。
「え、な、なに、してるの紫」
動揺が止まらない。
心が奥底で悲鳴を上げている
視界が黒く歪む
「は?え、な、なぁ、頼むから、嘘だって。」
自分の中の霊力が沸騰する
背筋に鳥肌が波立つ
黒い気配が雄叫びを上げている
「嫌だよ、紫」
...カチッ
「ん!ちょっと待って!」
突然紫は飛び起きた
「は?」
情報処理が追いつかない、
紫は確かに血を流して倒れてた
「もしかして、」
「救難要請、・・・押しちゃった?」
「あ!え?」
僕は無意識のうちに緊急事態用の要請ボダンを押していたらしい
「というか!頭の血は大丈夫なの⁉?」
「あ~、ちゃんと霊力で止血したし、生命力も霊力で補ってるから、」
「というか、そう仕向けたというか、」
「・・・。」
イラッ
「そうゆう冗談マ ジ でやめて!(早口)」
「この仕事そうゆうシチュエーション本ッ当にあるから!(早口)」
僕は心に溜まってたことを霊力と同時に発散した
「すいませんでした。」
「ったく、・・・ていうか、」
「川越の巫女様がこんな事やっていいの?」
「うっ」
紫はいかにも図星っぽい反応をした
そりゃそうだ、『五星大社』の一角の巫女がこんなふざけたことやってて良い訳がないし
紫も僕と同じ19歳の「主天師」
天師連盟内でも中間上位くらいの立ち位置だ
「はい、もうしません。」
「とりあえず、あの死靈片付けよう」
「お詫びとして私がやるから」
僕は少し離れて「はいはい」と片場雑な返事をした。
「グガ、ヴァザグヱ」
死靈が絶妙に聞き心地の悪い声を出す
「じゃ!やりますか!」
「『大国主』。」
紫の霊力が湧き出てくる。
「【極眼司術】」
紫の左目が淡白く変色する。
死靈の足元に白い霊力の円陣が出現する
『綱伐』
紫がそう告げた瞬間、死靈の体表に紫の霊力が走り
「ヴァザグベルゼヴァ!」と死靈が悲鳴あげ
その怪物のような姿の霊は3枚の輪切りにされた。
「お仕事完了♪」
紫ご機嫌そうに言った。
そのに僕がず~んと睨むと
「わざとじゃないんですよ〜」と言ってるような顔をした紫が目を逸らす
「・・・まぁいいや。」
「とりま天師連に帰ろう」
日本天師連盟
通称「天師連」
世界中の天師活動の要となる組織。
何故か神が力を与える殆が日本人だけど。
「なんで日本人ばっか天師になるんだろう。」
「そりゃ色々事情があるのよ」
僕の目の前にいる白衣を着た三十路のおっさん、「篠宮 旭」は
天師連盟の主勢力に所属する天師の「医者」だ
ここは天師連盟本部の医療室、天師連内での医者は希少なため、無所属の天師や他勢力、研修生も
大抵この人のお世話になっている。
「天師の力の継承は『家系』が重要になってくるからね、」
「必然的に日本人に天師が多くなるのは仕方ないんだよ」
こう見えてこのおっさん、この巨大勢力の中でNo.10に入るらしい、
「ゆうても日本人にも天師少なくないですか?」
「昔は結構な数いたらしいんだけどね。」
「何百年前の話してるんですか。」
「僕とタチの天師なんか今まで紫くらいしか会ったこと無いですよ。」
「紫は会ったことある〜?」
奥で休んでる紫に問いかける
「私もあんまないかな、でも私、家柄が家柄だから全くないってわけじゃいよ」
「どんぐらい?」
「・・・4人くらい?」
「少ねぇじゃねぇか」
「俺は結構いるけどね。」
旭さんが自慢気に豪語すると
僕は「はぁぁぁぁぁ〜」とため息を漏らした。
「・・・どうしたんw?」
「いや、僕ってそろそろ研修生も卒業じゃないですか?」
「僕もそろそろ所属勢力決めなきゃなぁって」
「いや、知ってるよね?決めるって言っても今の天師連の勢力って」
「4つしか無いんだよ?」
「・・・知ってますよ。」
「その上で悩んでるんですよ。」
僕は机の上に顎をおいてまたため息を漏らした
「赤牙郡とかは?」
「王道過ぎません?」
「かと言って『白尾衆』で生き残れるとは思えないし。」
「『天界組』は論外」
僕がそう告げると
「・・・じゃあ、霊英団?」
僕の耳がピクッっと動く
「・・・なんかノリ違いません霊英団?」」
「うちの団長『擬神天師』だよ?」
「それ言ったら赤牙郡だってそうじゃないですか。」
「文句が多いなぁ。」
旭さんがそう言ってめんどくさそうにため息を付いた。
「ていうか、いつまで医務室にいるつもりだ!」
「さっさと働け!」
そういって旭さんは僕を医務室から締め出した。
「・・・どうしようか、天師連」
最近寒くなってきましたね。どうも戌主です。
第2話「天師連盟」いかがでしたでしょうか?
天師連盟の4大勢力の「赤牙郡」「白尾衆」「天界組」「霊英団」のどれに属することになるのでしょうか?
次回もどうかお楽しみにしててください!
それではまた、バイナラ〜




