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探偵白書  作者: キンシタマゴ
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2.先生

大きな校門をくぐり、校舎に向かう。私が通っていた学校とはまるで違う。豪邸だというのが初め意見だった。校門から校舎までの距離は遠く、その道のりには部活動で使用するであろうコートがいくつもあり、放課後が始まったばかりの生徒が準備をしていた。校舎に入る玄関先にスラッと背と鼻の高い男が立っていた。女子校にいる男なら先生だろうと予想を立てた。案の定、生徒から「先生、サヨナラ。」「またねー。」と声をかけられて手を振られていた。人気のあるその男はニコっと笑いながら「気をつけて。」と答えながら手を振り返す。手を振り、生徒の帰る先にいた私たちと目が合った。私は自然に目を逸らしてしまう。気まずくなってしまう思ったが、雷門良太(らいもんりょうた)

「おい、久しぶり、急にわるかったな。」

と大きな声で話す。さっきまでニコニコしていた顔が一気に無くなりながら

「生徒の為だよ。答えるに決まってるだろ。」

と先生が返す。先生の名前は風間開成かざまかいせい、この女子校で国語を教えているという事を雷門からの紹介で教えてもらった。風間との挨拶を終えて、部活で使ってない空き教室に通される。そこには依頼者の早川愛莉(はやかわあいり)もいた。


「風間、森久保の住所は調べてくれたか。」

「あぁここに書いてるよ、彼女の住所は貧困街でもかなりディープな場所にあるみたいだね。そこにお母さんと2人で住んでいたみたいだよ。」

「工業地帯かぁ、拳銃を持っていく必要がありそうだな。」

「使う機会がなければいいけどね。」

と淡々と会話が進んでいた。私は2人を知り合いというよりは友達じゃないかと思いながら会話を聞いていた。その間、早川は暗い顔で俯いていた。心配に思う気持ちは日に日に増えていく。

「早川さん、彼女の家に行ってやってくれないか、僕も一緒に行くから。」

と風間に声をかけられて早川はコクっとだけ頷く。それを確認した雷門達は探偵と先生、生徒に二手に分かれて車に乗り込んだ。


「雷門さん、あの先生とはどこで知り合ったんですか。」

2人になったので何気なく聞いてみたが、雷門は気まずそうな顔をしていた。

「昔の同僚だよ。」

「探偵の前になんかやってたんですか。知らなかったなぁ。」

それ以上に雷門は話そうとしない。

「何をやっていたんですか。」

とカナは雷門が話したくない雰囲気を出しているにも関わらずズケズケと質問をしていく。

「なんだよ、警官だよ。」

と少し荒っぽい口調で雷門はカナに話した。しかし、それでもカナは気にせずに

「へぇー、なんで辞めちゃったんですか。もったいない。」

と話すと

「なんだっていいだろ、うるせぇな。」

と会話を終わらした。

「別にいいじゃないですか。」

と会話を続けようとするカナを雷門は無視して車を走らせた。


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