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愛しの師匠  作者: 正太郎&シン・ゴジラ
181/222

番外編 ある領主の回想

すみません。

超手抜きです。


 私の偉大なる祖先は、およそ二百年前に、ある蛮族を平定した。

 今では農奴として大人しくしている彼らだが、当時はまるで魔物の如く振舞っていたとのことだ。

 

 詳細な記録によれば、かつての彼らは腰布一枚と棍棒を片手に、領地を荒らしまわる下賤な輩だったらしい。

 多くの領民たちは畑を荒らされ、女子供を奪われたとされている。


 そこで騎士たちを率いた当時の領主は、その蛮族共に戦争を仕掛けることにした。


 いや、戦争などと言う表現は正しくないな。

 よりふさわしい単語は、そう。


 懲罰だ。


 非文明的で無秩序極まる連中に対し、神に代わって制裁を加えることとしたのだ。


 これまた詳細な記録によれば、騎士五百人からなる部隊を率いて、領主自らが蛮族の住処に赴いたのだと。


 早朝の山の麓。

 獣や魔物が跳梁する林の中で、領主らは蛮族の集落を見つけた。


 勿論これは戦争ではなかったので、領主は即座に魔法による先制攻撃を仕掛けさせたそうだ。

  

 木の枝だの葉っぱだので造られた寝床は容易に破砕し、中にいた連中を巻き込んで崩れた。

 

 ・・・いや。

 やはり蛮族が相手とはいえ、これはちょっとやり過ぎかもな。

 

 まあ、とにかく。

 それを生き延びた戦士階級の者どもは、怒り狂って反撃に打って出た。


 ここからようやく、戦闘らしい戦闘になった訳だ。

 

 こちらは高度に訓練された軍隊。

 対する蛮族は、文字通りの野蛮人の群れである。


 機先を制し、数で圧倒していたこともあって、領主は完勝を確信していたようだ。

 まあ結論から言えば、そう簡単には済まなかったようだが。


 どうにもその蛮族は、魔法によらない超常的な力を持っていて、その能力を使って抵抗して見せたのだそうな。


 こちらは遠距離から次々に魔法を放ったが、蛮族共はお構いなしに突撃をしてくる。

 体中に“火球”やら“電撃”やら“氷角”を受けても、倒れることなく棍棒を振り回したのだ。


 恐ろしいことに、蛮族共が持つ能力は、一時的にでも身体能力を劇的に向上させるものであるらしい。本来なら致命傷になる魔法にも耐え、常人離れした膂力で殴りつけてくる。


 あっという間に肉薄された騎士たちは、鋼鉄の甲冑の上から滅多打ちにされ、鎧ごとぺちゃんこになってしまったそうだ。


 ・・・ぺちゃんこだぞ?ひしゃげたとか、へこんだとかじゃあないんだぞ?

 まったく恐ろしいよ。


 だが如何せん、数が違い過ぎた。


 奮闘していた蛮族たちも、徐々に数に押されて一人、また一人と倒れていった。

 結局五十人ほどだった戦士たちは残らず死に、領主は残った女子供だけを鎖につないで持ち帰ったらしい。


 それが、今日の私の財産となっているわけだ。 


 今でこそ従順な態度を見せる奴らだが、その血はまだ受け継がれている。

 反乱を起こす素振りはないが、もしそうなったらと思うと震えてしまう。


 厄介なことに、そいつらの見た目は我々とさして変わらない。

 野蛮ではあるが、同じ人間としての容姿なのだ。

 

 悍ましい力を持つというのに、容易に化けられる。

 それ位の知恵は回るようで、最近脱走者が出た。


 後に続く者を出さないためにも、探し出して必ず殺さなければならない。

 

 蛮族共の顔などいちいち覚えてはいないが、見分ける方法がない訳ではない

 

 それは、髪だ。


 この大陸中を余すところなく探しても、これ程特徴的な髪の色はない。


 染めたところで、怪しいと思った奴の頭を洗ってやればよいことなのだ。



 



 燃える様な、赤い髪。




 こんなものは、一目見れば子どもだって分かるだろう。

明日は急な飲み会になったので、投稿できません・・・

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