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ヒーローストーリー!   作者: ミツヲ
8/9

8話「急展開」

ハイルは家に着いた。シャイルは家には居なく置き手紙があった。


『用事ができた。家を少し離れる。』


机の上に置いてあったその手紙を見てハイルはより不安が募った。先ほど戦闘に巻き込まれ自分が狙われているかもしれないので、レノ達の様にシャイルの身に何かあるかもしれないと考えた。

なのでハイルも置き手紙を走り書きで書いてのこした。内容はこの手紙を読んだらできるだけ安全な方法で王都に向かってほしいと。州兵に入る事は触れなかった。そして王都に向かう準備をし始めた。しかし大変なことになったものだとハイルは思った。数時間前レオン達に村まで送ってもらった、その時にハイルはレオンに王都に来てもらうことになると言われた。


「事は重大になった。魔導兵、魔術憲兵隊を王都に帰還させてくれ。今回の報告も早急に頼む。」


「しかし、ハースブルク殿は??」


「今回の任務は僕が引き受ける。憶測だけど嫌な予感がするんだ。とにかくできるだけ早く、団長に伝えてくれ。」


「了解しました。では」


魔導兵とレオンが焦って話をしていてハイルは全く話に着いて行けなかった。ただレノ達が戦闘で負傷してこの村じゃまともな治療ができないのはわかっていたので王都に急いで帰さなければならないのはわかっていた。そんな不安そうなハイルにレオンは


「勝手に話を進めてすまないハイル。今の国勢は少し不安定で外交間でも小競り合いが起きてるんだ。それよりもずっと大変な問題もある。でもハイル、君はそんな中の希望なんだ。色々と分からないことがあって混乱してるだろうけど、今は時間がない。」


と言い国や外交やらハイルには縁のない単語が出て来た。そんな中の希望?混乱しない訳がない。それに今説明してくれる様子はなさそうだった。


「本当わけわかんねぇよレオン。何が起こってるんだよ、俺はどうしたらいい…?」


レオンは改まった様子で


「…すまないが、君には強制的に王都へ同行してもらう。」


ハイルは更に混乱した。元々州兵入団の為、村で準備をしてから普通に王都へ戻るつもりだったが、レオンから"強制的に"と言われると不安があった。やはり自分に何かあるのかと思い続けるたけだった。そうしてる内に魔導兵は王都へ無事な車とバーダーでレノ達を乗せて出発してしまった。


「強制的って、今レノ達と王都に向かった方がいいじゃないのか??」


「いや、危険だ。君は村で準備をして待っていてくれ。」


おそらくレオンも気づいたのだろう。途中で襲撃して来た雇い主の目的はハイルである事に。

トロールの襲撃で班に負傷者を出して本来の任務に支障が出る所をレオンが一人で行き、他は王都に急いでハイルを連れて報告するため帰還するだろうと考えた未知の敵はそこを狙うと考えた。

危険なのはハイルもだが、もしもそこへ同行した場合の班の事だった。ハイルが居ないとなれば相手も深追いはしないだろうとレオンは考えハイルを村に留まらせた。


「クソ…何で俺が…、この村に居て村の人達はどうなるんだよ!?」


そう、そして班に同行しない場合は勿論この村が危険になる。ならレオンと共に行動すればと思ったがブルーフォレストには魔の癪気という古くから退魔戦争の跡地の一部で漂う魔の空気がある。それを長い時間吸い続けると癇癪を起こし命を落とすと言われている。おそらく常人のハイルには耐えられないだろうから同行は無理だ。


「一緒に行けないのに狙われたままここに居たら村が危ないだろ!?」


「ああ、その通りだ。だから念のため君には隠密術を施しておいたよ。でも僕のは効果が弱いうえ長持ちはしないからできるだけ目立たないようにしてくれ。それにほら、これを」


レオンは手に黄色に灯る丸い真珠の様なものを渡してきた。


「なんだこれ?魔鉱石か?」


「そうだ。それは強力な電撃を発生させるように王都で特別改良された魔鉱石だ。もしもの時はそれを相手に投げて足止めができる。」


普段は人々の生活で使われる魔鉱石だが、改造すれば武器にもなるのだ。話では聞いていたが実際に見て触るのは初めてだ。なので上手く扱えるかわからない、もしもの場合は来て欲しくないものだ。


「本当に色々急ですまない、王都に着いたら全てを教えるよ。明け方には迎えにくるから待っていてくれ、それじゃあ」


ハイルにはどうする事もできないので従うしかない。レオンはレノ達の車を引っ張っていた青いバーダーに乗って背を向けて行ってしまう。


「わかった。レオン!お前も気をつけろよ!」


「ああ!すぐに終わらせるよ」


そしてだんだん遠ざかっていく。

色々な事があったり伝えられたりして少しイライラしながら準備をし終えたハイルは少し眠りについた。眠れるような状況ではないが少しでも休まないと頭が爆発しそうな勢いだった。


「じいちゃんもこんな時にいねぇし、いやむしろ居なくて良かったのかな…」


ベットで横になり目を瞑り明け方まで眠りについた。


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