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第5話 ~術式発動!~

 二週間が経ち、いよいよ実技演習が始まった。アルファリード社では魔物に対抗するために術式による戦闘方式が採用されている。

戦闘方式には二通りあり、人が術式を自ら制御して戦う直接的戦闘と術式兵器により戦闘を行う間接的戦闘がある。

術式兵器に関しては主に防衛施設へ備え付け付けの防衛兵器や、討伐戦闘時に使用する討伐兵器に分けられており、防衛兵器を傭兵部門が、討伐兵器を討伐部門により管理されている。

 アルファリード社では、全ての社員が基本的な術式を身に付けることが事が義務付けられている。理由は術式を使うには資格が必要であり、その最低限の資格を研修期間中に習得する事がアルファリード社で働くための条件である。ちなみにその最低限の基本的な術式というのは自己防衛の術式であり、今日の演習の内容でもある。

「では、まず各自支給された零式TSスーツのサイズを確認して下さい。サイズが大丈夫であれば着用してみて下さい。」

TSスーツとは術式起動スーツの事で、零式から壱式、弐式と段階があり各段階により使用可能な術式が増えていくらしい。新入社員はまず零式TSスーツで基礎的な術式使用に慣れていくとの事だ。

「着用出来ましたか?ではまず手本を見せますのでしっかり見ていて下さい。」

そう言うと講師は指先を前方に構えた。

「術式の零!」

そう叫び自分を軸に回転し円を描いた。

「セイフティ!」

すると、そう唱えた講師の周りを淡い水色の光が囲った。

「この光の中には魔物は入る事が出来ません。アルファリード社で仕事をしている限りは危険と隣り合わせと考えて下さい。それはどの部門に配属されても同じです。従ってアルファリード社では、全社員に自身を守るための術式「セイフティ」を必ず習得していただく事となっています。本日はこの術式を新入社員の皆さんに覚えていただきます。発動の条件は簡単です。皆さんまず前方に指先を突き出して下さい。」

皆が指先を前方に構えた。

「そして大きな声で叫んで下さい。「術式の零!」」

皆が続けて叫んだ。

「術式の零!」

「そのまま自身を囲う様に体を回転させてこう叫んで下さい。「セイフティ!」」

「セイフティ!」

すると自分の指先で囲んだ範囲を淡い水色の光が覆った。

「これで発動は完了です。簡単でしょ?新入生の皆さんは一年目で魔物と戦う事はありませんし、戦う事は禁止されています。始めは先輩と一緒に回り先輩の仕事の仕方を見て学んで下さい。では、次は解除方法を教えます。指先を構えて!」

皆が前方に構えた。

「セイフティ解除!」

「セイフティ解除!!」

すると周りを囲っていた光が消えた。

「本日はこの術式を滞り無く行えるように繰り返し練習して下さい。ちなみに術式発動は条件を満たさなければ発動しません。先ほどの術式の言葉と動きがセイフティの発動条件ですので体に染み付くまで練習して下さい。魔物と対峙した時に発動出来なければ「死」に繋がります。各自その事を十分に理解した上で練習するように。」

そうだ、術式を初めて発動し気持ちが浮かれていたが、この術式は自身の命を守るための術式なんだ。いざという時に発動出来なければ講師の言う通り死んでしまうかもしれない。しかし、講師のそんな言葉にどこか自分とは関係の無い話しだという顔をしている同期が多いことに、俺は少し腹が立った。


*次話投稿予定は6月7日(水)です。

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