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第2話 ~研修開始~

「ナン・スターレンです。よろしく。」

同室の同期だ。体重は俺の倍はあるだろうか、大柄な体型の奴だ。

「リグゼット・シーナです。こちらこそよろしく。」

新入社員はまず二ヶ月間の研修期間があり、そこで計2回の試験を受け適正を見極められて配属が決められる。その期間中は新入社員寮で二人一組になり生活をしていくのだが、同室の同期は研修期間中ペアになるため研修を進めていく上で重要なパートナーになる。

「ナンは何故この仕事を選んだの?」

「特に理由は無いよ、とりあえず大手だし。まぁなんとなく。」

これから一生の仕事になるかもしれないのにそんな適当な考えでいいのだろうか?と、心配になる反面、競争相手が一人減ったなとも思った。だが、大事な研修でパートナーになる相手として不安を感じていた。頼むから、俺の足だけは引っ張らないでくれ。



研修開始

 いよいよ研修が始まるというのに俺は憂鬱な気持ちになっていた。

理由は、ナンのイビキだ。その威力はすさまじく、道路工事の真っただ中に布団を敷いて寝ているようだった。これが二ヶ月続くかと思うと先が思いやられる。

「本日はまず、アルファリード社とはどういった会社なのかという事を皆さんに知っていただきます。」

研修初日は座学だった。試験は筆記と実技の二つあり筆記試験では座学の内容から主に出題されるため聞き逃さないようにしないといけない。

「アルファリード社は、街の安全を脅かす魔物に対処するために設立された会社です。ただ、私たちは何もボランティアで行っているわけではありません。街を守る事と引き換えに利益を得ています。例えば、魔物からの侵略から町を守るための防衛費、防衛施設のメンテナンス費、魔物を討伐する討伐費などを契約者様から頂き収益としています。そして、その運営を潤滑に進めていく上で当社では営業・特殊専門・傭兵・討伐専門・改修の主に五部門で役割分担をし業務を進めています。皆さんがどの部門に配属されるかは、これからの研修の結果で決められます。成績上位の者は自分の希望する部門を選択することも可能ですので、日々の努力を怠らないようにして下さい。」

 やはり研修の段階でスタートラインに差が出るようだ。出世するにはこの研修で上位の成績を収め、存在感を残さないといけないだろう。すでに競争が始まっている事に気付いている同期がこの中に何人いるのだろう。いづれにしても今後の人生を左右するであろうこの研修に、憂鬱だった俺はもう一度気持ちを入れ直していた。



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