ミミャはいま・・・
ミミャのエピローグ:超ショート
ミミャはレシルが居なくなってから旅に出ることになった。
広大な荒野に、冷たい風が吹き抜ける。砂混じりの風に耳をピンと立て、ふさふさの尻尾を揺らしながら、一人の旅人が道なき道を進んでいた。
砂漠のような荒れた大地の上を、彼の小さな足が一歩一歩踏みしめる。足跡はすぐに風にかき消されてしまうが、彼は立ち止まることはない。遠くに見える街の灯りを目指し、ゆっくりと、だが確実に進んでいる。
「あと少しだ……。」
目に宿るのは疲れと決意だった。数日間、ほとんど食べ物もなく、水もわずかしか残っていない。だが、この旅には意味があった。
やがて、夜の帳が降り、空には満天の星が輝き始める。少し立ち止まり、周囲を見渡す。遠くには街の輪郭がぼんやりと見え、灯りがちらちらと揺れていた。鼻をくんくんと動かし、風に乗って運ばれてくる微かな街の匂いを感じ取る。疲労は限界だったが、その匂いが希望をもたらした。
「街まであと少し……そこで休めば、きっと食べ物も水も手に入る。」
自分に言い聞かせ、再び歩みを進める。靴底が擦り切れても、足の裏が痛んでも、彼は止まらない。道中で出会った危険な生き物や、冷たい夜風に耐えながら、決して諦めなかった。
ついに、荒野の果てに街の門が現れる。灯りが近づくにつれ、うさぎの目は少しずつ輝きを取り戻していった。
ヒュー、ヒュー。
冷たい風の中も木の杖を突いて歩いた。
あの日いたメンツを集め、そしてーー。
ーーレシル。