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始まりの朝
目の前に倒れているのは、愛しかった友人だった。
共に戦った、良きライバルだった。
そして、俺の腕の中で血を吐いているのは、何よりも大切な恋人だった。
不思議と涙は出なかった。
だけど、今俺がどうするべきか、それは分かっていた。
…戦わなくちゃ。
漆黒の翼を羽ばたかせ、敵軍に立ち向かった。
大切な人を、魔界を、守る為に。
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いつもの朝。
心地よい朝日が降り注ぎ、登校した生徒を照らしていた。
なんの変哲もないこの中学校に通うのが、俺は楽しかった。
だけど、今日は気分が優れなかった。
「はぁ〜…変な夢見ちまったぜ…」
思わず溜息ついてしまうほどだが、まぁ仕方ないだろう。
いつもの様に3年2組の教室に入る。
それが俺、神杖亜季の1日の始まり。