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戦闘開始

 陸上部主将の菊池が、来たのはそんなに遅くなかった。陸上部の上、中距離選手である菊池にとって学校を端から端まで走ることは、毎日行っていることだからだ。

 部室の前に待っていた小田と、数名の部員が見た限り、他の部活の姿は全く見ていないのだった。考えられることは、お互いに作戦を考えていたりしているのだろう。先ほど殺された人達はきっと勝手に行動したもの同士の殺し合いだと考えられる。

 菊池と小田の話し合いは5分ほどで話がついた。こうしてお互いに同盟を結ぶことに成功した。


「これでお互い有利な状況になったわね…。でも弓道部は、勝手に行動した人がいるんでしょ?その人達はどうするの?」

「同盟を結んだし、こちらも行動を開始しようと考えている。そしてあいつらにあったら、これまでの話をしようと考えている。」

「そうね… こちらの部には、結構有効に使える武器も多いから少し譲るわ。お互いの部室が端同士なら避難所としても使えるし…」

 菊池は座っていた椅子から立ち上がり、部室を一通り見ている。どうやら、陸上部の部室と同じらしく、特に変わった点は無いらしい。

「それじゃあ俺らは、武装をする。 全員用意しろ。」

 小田の合図とともに、部員たちは不満無く着替え始めた。もちろん女は、部室にある布の仕切りの中で着替えている。

「こっちはもう準備を終えてるわ。電話も今は部室に置いて来たから指示も出せるわ。」

「じゃあ、何処から狙う?」

 この学校内で強い部活はわからない。ただ、同盟を組んだ今一番有利と考えてもいい状況だった。現時点ではかなり良い段階で作戦が進んでいる。



 キンコンカンコン


 チャイムの音が、学校内に響いている。この戦争が始まってからこの音は地獄の音色と化した。


 『現在9時33分 弓道部永野君、弓道部~君、~君が、野球部【長谷川】君に殺されました。』


 部室に衝撃がはしった。いきなり波乱が起こった。「永野が死んだ?数分前に出て行ったやつが?」部員が殺された弓道部、小田と数名を除く全員が叫んで発狂した。それを見ている菊池は、口を押えていた。その目からは美しい粒が出ている。永野は一番最初に、細かいところを発見して、説明してくれた。永野がいなかったらきっと同盟を結ぶのに、今以上の時間を費やしたと思う。

「・・・長谷川って、きっと・・・【長谷川 文也】だよね? たしか4番キャッチャーの・・・」

 菊池が、震えたような声で問う。長谷川は4番キャッチャーなので、力も強いはずだ。その上、長谷川は部活以外の時間では不良のような一面がある。煙草を吸ったりしているが、教師は見て見ぬ不利をしている。

「ああ・・・。俺が考えるに、あいつは目がいい。投手の速い球を普段からうけているからな。それに四番のちからがあれば・・・」

「人を殺すことは簡単ってことだネ?」

 小田の言うことを、先に読んで三浦は理解していた。その三浦の顔はこれまでに見たこと無いほど起こっているように見えた。

 しかし、波乱は波乱を呼んだ。


 キンコンカンコン 『現在9時35分 野球部長谷川君が、空手部【土門】君に殺されました。』


 なっ!?

 

 『引き続き連絡します。帰宅部の43人が、ラグビー部28人に殺されました。ラグビー部が30人以上を殺したので、ラグビー部にボーナスとして、【ビッグシールド】を支給されます。』


 「43人って、ほぼ10%近い人数が殺されたのか?」「支給ってなんだ?」「つか、長谷川が殺されたのか?」やはり部室内は、ざわつく。小田と菊池は一分一秒でも早く行動しないといけない。弓道部の死者は三人だが、弓道部の6分の1が殺されたことになる。タダでさえ少ない人数だから、大切にしなければならない。

「小田君。とりあえず陸上部を全員この部室に呼ぶわ。大丈夫、みんな学校の構図は完璧に理解してるから安全にくるわよ。」

 いつの間に連絡したのかわからなかったが、小田も同意した。部員たちも落ち着いている上、全員が着替え終わった。そして、足音が外で響く。声で陸上部とわかった。しかし、遠くで悲鳴が聞こえる。

「柔道部が全員で攻めて来たぞ!接近戦に持ち込むな!!」

 小田は素早く全員に指示をしようとする。

「弓道部!全員外に出て6列に並べ!!遠距離から射撃する。」

 小田の合図と同時に行動をはじめ、すぐに廊下にでた。この戦争が始まって初めて出た廊下だ。よく見ると柔道部の腰には、【短剣】があった。部室の前に居た陸上部は、槍やら剣やら棘のついた棍をもっていた。そして菊池も部室から出てきた。

 この弓道部の部室は学校から一番奥。そして、通称Dホールと呼ばれる広間的なものが部室の前にある。大人数が動き回るのには支障が無い大きさだった。

「弓隊かまえろ!!」

「槍隊は、ガードしつつ攻撃!まずは安全を優先してアタック!」

 弓隊の指揮は、小田が行った。だが、陸上部の指揮は菊池で無い。【土川 神】3年だった。少ない3年生だ。去年は、副主将を務めており、棒高飛びで全国に出場する権利を得たがその後に交通事故にあって足を怪我して辞退。今年は、県大会に出場するので練習に着ている。

「小田先輩!柔道部の奴らの後ろに更に大群がいます」

「っち。藤本よく見つけてくれた! 弓隊撃て!!!」

 舌打ちをした小田は弓を打つように指示した。その指示と同時に何十本の弓が空を舞った。それはまるで鳥の大群が凄いスピードで空を飛んでいるようだった。弓隊は打ったらすぐに新しい弓を構えて撃った。止まることの無い流れる弓は次々に柔道部に刺さっていく。刺さった部位からは出血がしてない。だが代わりに、あたった部位から黒いエフェクトが表示されてHPゲージが減って行っている。それをお構いなしに弓道部は弓を撃つ。その本心では、仲間を殺された恨みが含まれていた。柔道部が殺したわけではないが、責めなければこちらの仲間が─いや、自分が殺されてしまうからだ。

「槍隊突撃!棍隊は、槍に続いて一気に攻めろ!同盟どうしの弓ならすり抜けるらしいから安心して行け!!」

 同盟同士の攻撃は無効化されるのは知っていたが、すり抜けるまでは菊池と小田は知らなかった。たしかによく見ると弓が陸上部の頭を貫通している。あまりに自然に貫通しているので気がつかなかった。土川かそれを一目見て理解したと考えると、ぐうの音もでない。

 しかし柔道部も黙って弓を受けるだけでない。背中に付けている小さい盾で最小限に攻撃を抑えている。それでもHPは少しずつ減っている。そして前衛にいた柔道部のHPが0になりそうになった。そして一人の柔道部の前衛は腰にあった短剣を力一杯投げつけた。短剣はまっすぐ奥に居た菊池を捕らえていた。菊池はそれに気がつかないで弓で攻撃をしていた。

「菊池!!」

 小田が叫び、菊池は我にかえった。その時にはもう避けられない距離に短剣が飛んできていた。残りの柔道部も、腰の短剣を抜いて一直線に投げていった。

「っく!」

 菊池が、腕をクロスさせて顔を守ろうとした。

 

  ガキン!!


 金属同士がぶつかり、高い金属音が鳴り響く。それでもお構いなしに、弓隊と槍隊たちは、柔道部に攻撃を仕掛けている。一部の槍隊が柔道部が近くに来て攻撃されているが、棍が柔道部の腹に突き刺さる。


 カラン カララン


 菊池は、恐る恐る目を開けると、飛んできた短剣は、床に落ちていた。更によく見ると、一人の陸上部の女が、盾を構えていた。

「アタシらはキングとクイーンを守る!攻撃組みは頼んだ!!」

「えっ?ク…クイーン?」

 菊池は目を丸くして盾を構えていた女をみた。彼女は、陸上部に所属しているので誰かは、すぐにわかった。彼女は【遠藤 可菜】二年。菊池と同じクラスメイトだ。普段から仲が良いわけでない。どちらかと言うと悪いに属するだろう。常に、陸上のタイムや、学力、そして胸で競ってくる。タイムと学力は菊池が勝っているが、胸は遠藤のほうが勝っている。

「アンタが死んだら合宿代が入らないじゃないの!ボケっとしないでね!」

 最後に毒を吐いて再び遠藤は前衛に出て行く。菊池はまだ状況をはっきりしていない。が、土川が肩をポン と叩くと、菊池は再び集中した。

 飛んできた短剣は方向性がしっかりと定まっておらず、すぐに盾でガードされて床に落ちた。柔道部は何人か死亡したらしく、残りの人数は8人だった。柔道部の連中は、人数が減るに連れて勢いが減っていく。主将さえ倒せば柔道部は、戦うことができなくなるので主将の姿が見えない。さらに藤本がさっき見つけた大群の姿が見えない。

「とりあえず、この連中を潰せ!」

 土川がさらに追い討ちをかけると、菊池が、柔道部の短剣を拾って陸上部の足を生かして凄いスピードで、柔道部に向っていった。右手に構えた短剣で柔道部の横腹に切りつけた。さらに背中にまわって切り上げ、斜め切り、横切りを繰り返した。HPゲージがどんどん減っていき、0になった。まるでガラスを割ったようなエフェクトが出た。

 小田は、自分の持っていた弓で柔道部の一人に狙いをつけて、弓を放った。現実世界ではありえないほど真っ直ぐ飛んでいき、弓は柔道部の心臓を貫いた。本来黒いエフェクトが、今回はオレンジだった。相手のHPは一気に減少し、0になった。

 残りの柔道部も、三浦や藤川の弓で止めを刺した。こうして、柔道部との戦闘が終わった。あいては20人近くいたはずだった。それが0になると、とても静かになった。こちらの同盟─連合軍は、陸上部が、二名死亡した。まだ被害が少ない方だったのかもしれないが…。

 いつの間にか、永野と一緒に出て行った部員も帰ってきてスッカリと残った部員と雑談をしている。菊池と小田はハイタッチをした。


 キンコンカンコン 『現在10時11分 柔道部二十一名人美術部四名が、弓道陸上同盟軍に殺されました。柔道美術同盟は残り九名です。なお、弓道陸上同盟の死亡者は二名です。弓道陸上同盟にはボーナスとして、毒ビンと、ダッシュシューズが支給されます』


「毒ビンはまだ、わかるがダッシュシューズってなんだ?」

「ボーナスは部室の倉庫に入るらしいわよ。同盟を結んだ場合、共通金庫になるらしいけど。」

 土屋と、林は主将同士の話を聞いて、先に部室に入った。


 林が金庫をみつけると、土屋が金庫をあけた。正確には金庫と言うより、金属製の箱といったほうが正しい気がする。なかを空けると、ビンに入った紫色の液体が数本と、紙切れが入っていた。林の持っていた紙切れを土屋が奪うと読み上げた

「えっと…。『ダッシュシューズは、各自のロッカーに入れておきます。なお性能は、足が通常よりも少し速くなります。』だってさ。」

 林が、ロッカーを見ると、下のほうに見たことが無い靴がおいてあった。青のラインが入っている。林が靴を履いてみる。

「サイズがピッタリね…」

 林が感動する。


 その後、さらに作戦を相談した。敵を倒したことで多額のお金が手に入ったので購買に行って何かを買うことになった。しかし距離があるので数名が電話を持って買いに行くコトになった。メインとしては食料を買うことに決定した。

数字の統一感が無いですね^^;読みに憎くてごめんなさい><

次からは、何人を漢数字、時間を普通の数字で統一させます。

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