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始まりを告げる全校朝会

7月16日 天気雨


 ジメジメとした空気が、制服に染み付いて気持悪い感覚だ。学校に着いたが、みんな口数が少ない。昨日の校内放送で告げられた【争い】とは何かを考える。しかし全く意味が理解できない。

 学校の前には数台のトラックから学校に荷物を運んでいた。小野は、それを少し見てすぐに教室へ向っていった。

 教室内もじめじめしているが、みんな無言なので更に空気が重くなっている。現在は8時25分。チャイムがなるまで後5分ほどあるが、全員学校に来てそれぞれの席に座っている。こんな光景は初めてだ。5分という時間がとても長く感じる。

「(そういえば、部活に入っていない30%の生徒は何にも関係ないのか?)」

 考えてみれば、70%は争う意味が少しわかる。だが、残りの30%の生徒は全く争う意味が無い。仮に争いに参加して、勝ち残ってもメリットは何にも無いはずだ。それでも、部活にはいっていない生徒も無言のままだった。


 キンコンカンコン

 チャイムの音だ。

 少しドキッとしたが、すぐに心を落ち着かせる。周りには フーッと深呼吸をする人も居た。チャイムがなって約1分後に担任が入ってきた。日直が「起立 きょうつけ おはようございます」をリズムよくいったあとにみんな座った。担任は全員の出席を確認する。今日も休みはいなかった。その確認が終わると、ポケットから変なヘッドバンドを取り出した。

「今から、このヘッドバンドを配る。そして、コレを頭につけてもらう。」

 担任はダンボールを教卓に置く。ドスンと音が響き、ガムテープを剥がす。みんなヘッドバンドが何を意味するのかわからないまま、まわってくる。すると、一人の女子が立ち上がった。

「先生! 争いって何です? 部活に入っていない生徒はどうなるんです? このヘッドバンドはなんですか?」

 みんなが考えているであろう質問を全てきいた。彼女は、副生徒会長であり、女子バスケ部主将【泉 葉月】だ。この学校でも5本の指にはいる顔。さらに、完璧な運動神経と学力を備え持つ文武両道の生徒だ。こんどの生徒総会では、生徒会長に立候補して会長になると誰もが納得している。彼氏もいないので男子も努力している。

「答えられる範囲で答えます。一つ目、意味は私にはわかりません。二つ目、部活に入ってない生徒は帰宅部として参加します。三つ目、これは魂を電脳世界に送る装置です。何人かの生徒はこれでゲームなどをやったことがあると思います。現実世界でなく、電脳世界で争いを行うので現実世界では全く傷などはつきません。」

 納得したのか、泉は席に座り、配られたヘッドバンドを装着した。それをみてみんなヘッドバンドを頭に装着した。バンドは、伸びるので頭を締め付ける違和感は無い。

「では、廊下にならんで体育館に向ってください」

 そういえば先生は無表情だった。自分のクラスの生徒が強制的に争うのに、何にも感じないのかと考えるとむしゃくしゃする。が、体育館にむかっていく。



 ~体育館~

 全校生徒が、クラスごと縦に並んでいる。ここまでは、普通の全校朝会だ。ただし、異様な雰囲気と、全校生徒が全く同じヘッドバンドを付けている。一年生の中には泣く声も聞こえる。さすがに二年生三年生は泣く人はいないが、不安な顔の人が多い。逆に楽しそうな人など、一人もいなかった。

 全員並び終わったところで、教頭が「これより・・・」と言って全校朝会がはじまった。そして昨日テレビの中で理解不能の発言をした、校長がステージに登って一礼した。本来ならここで生徒も一礼するのだが、数名は礼をするが、残りは校長を睨みつけていた。軽い咳払いをして校長は、話し始める。

「全校生徒の諸君。これより部活動の部費を争う戦争を始める。ルールを説明する。まずみんな電脳世界に飛んでもらう。電脳世界はこの学校と全く同じ姿だ。ただし、電脳世界には部室が設けられているので、各部活生徒はまず部室に飛ばされる。そして始まりの合図と一緒に戦争をはじめてもらう。なお・・・」

「「ふざけんな!!」」

数名の男子が叫び、それに続いて一人、また一人と叫びほぼ全校生徒が叫び始めた。それもそのはずだ。いきなりコンナ状況にさせられれば叫ぶのも無理は無い。 

 校長は生徒を上から眺め、他の先生たちの中では生徒を落ち着かせようとしている。だがしかし、そんなの無視して叫ぶ。そして前の方の列に居た数名の三年生は、ステージに向って走り始める。それを数名の先生は止めようとするが、それを振り切ってステージへ登ろうとする。

 生徒がステージに上がってきたのを視線で追うと、ゆっくりとポケットからリモコンらしきものをとりだした。それを登ってきた生徒に向けてボタンを押す。

 女子生徒の悲鳴と一緒に、ステージにいた一人の生徒は力が抜けたかのように倒れた。近くにいて、ステージに上ろうとしていた数名の生徒は、手を滑らせ落ちる人や、逃げようとする人も居た。その人たちにもリモコンを向けボタンを押した。数名の生徒は、力が抜けたかのように倒れていった。残りの生徒が、ざわつきはじめると校長は再び軽い咳払いをした。

「静粛に!! 本来の全校朝会のように静かに話を聞きなさい。ちなみに、今倒れた生徒は一足先に電脳世界におくっただけだ。・・・先ほどの続きを話す。合図がなったら殺し合いをしてもらう。ただし、同じ部活内の生徒同士は禁じる。また、初期武器は各部活で使用する道具を基本とする。他の部活の生徒を殺した場合、その生徒の持っている道具を自由に使用することを許可する。また、電脳世界の玄関に購買を設置しておく。食料および、装備の売買ができる施設だ。また、他の部活と同盟を結ぶことができる。同盟は、各部活の半数が同意した上で、主将同士が結べる。それにより、同盟同士の殺し合いは不可能となる。戦争の負けは、主将の首がとられたらだ。戦争の終了はこちらが合図する。なお、放送部は、戦争の状況を校内放送にて伝える仕事をしてもらう。範囲は学校とグラウンドと駐車場のみだ。戦争の状況は放送以外に生徒手帳を見れば、残りの人数などがわかる。なお、電脳世界で死亡した場合、ゲーム終了時まで、現実世界で昏睡状態になる。そして、このゲームの許可は下りているので訴えることはできないので注意してくれ。以上だ。みんなの健闘を祈る。」

 生徒の半分以上は反論したいだろうが、先ほどの倒れた生徒の事を考えると、ただ歯を食いしばることしかできない。中にはバンドを外そうとする人もいたが、外れない様子だった。

「では、ゲームをスタートする。」

 校長がボタンを押すと同時に、目眩がする。体が揺れているのか世界が揺れているのか、わからないまま力が抜けていく。ゆっくりと瞼が重くなり、足からも力が抜けていく。そして膝が、カクンッ と曲がり、体育館の床へ倒れていく。体を動かそうとしても動かなく、ただ目をつぶることしかできない。そして完全に意識をうしなった


 こうして部活対抗の戦争がはじまるのだった。

ついに次回戦争が始まります。 書いていて思ったんですが… 横書きだと目がいたくなるorz

縦書きで読んだほうがいいですね^^;

今後の展開に期待w

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