最悪の校内放送
20XX年7月15日天気晴れ
学校の見た目は普通だ。部活動も去年までは普通に行われていた。三年生は、ほとんどの部活が引退している状況である。今年分の部費は各部活に支給され、今年の夏休みにある合宿の準備をしている部活もある。それは、弓道部も同じだった。
弓道部は、18人の中規模の部活。主将は2年1組【小野 俊吾】。この物語の主人公である。
ピンポンパンポン
放送の始まりの合図だ。
今日の昼の校内放送で、校長がテレビに映った。みんな給食を食べながら友人と話をしたりして盛り上がっていたが先生に「テレビを見なさい」といわれたので渋々と黒板の横のテレビに目を向けた。
「全校生徒の皆さんこんにちは。今日の校内放送は、とても重要な発表をします。」
3年1組は、テレビを見ながら隣の人と「なんだ?」と話している。おそらく他のクラスも例外では、ないと思う。
「この学校は、生徒が548人います。そのうちの約70%は、部活動に入部しています。これはこの学校でも他の学校に自慢できることです。しかし、今後部費の支給および、増加を禁じます。」
「「「!?」」」
驚くのも無理は無い。まだ合宿分の部費が出ていないからだ。本来ならば合宿代は合宿の数日前に支給されるものだからだ。
「ふざけんな!!」などの声が他のクラスから聞こえる。もちろん1組からもだ。
「静粛に! 各部活が合宿を行うことは、私も存じてます。しかし来年度は完全に合宿代は出せません。しかし、今年度の合宿代は出せる範囲で出そうと考えております。なので、現在出せる予算を各部活動で争ってもらいます。」
クラスは無言になった。みんな争うってなんだと頭の中で考えているのだろう。
「ルールは明日の全校朝会でくわしく説明します。では…」
微妙な空気の教室で、給食を食べ、昼休みが過ぎ、午後の授業が終了した。