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8.憔悴


 傷ついた女は簡単に落とせるって言うけどそうみたい。

 エリアを失って悲しみにのあまり、食欲も減り、周辺にかなり心配をかけているみたい。

 そんな私に、「俺が悲しみを埋めてやる」とスイッチ陛下に言われ、アッサリ体を許してしまった。数日間にわたり陛下に癒されていた。

 しかしながら、エリアを失った悲しみはそんな簡単に埋まるものではない。


 クレッシェも憔悴していて、王弟殿下が必死で慰めていると聞いた。


 私達3人は特別仲良かったもんなぁ。あ、また涙が…。その度にスイッチ陛下に拭われる。

「あの男にはただの殺人では済まない刑で償ってもらおう。何がいい?」

 私はスイッチ陛下に聞かれて一番に「あの男を去勢してください」と言った。そもそも、浮気なんかをするからエリアを失ったんだ。一番にあの男が男としてもう機能しなければいいと思った。

「なかなか、エグイ刑を…。でもあの男にぴったりだな」

「そして、手足の爪を全部剥いでください」

「生きながらの拷問刑か?」

「さらに喉を潰して声を出なくし、その上で、終身鉱山夫として働かせてください」

 私はボロボロと涙を流しながらスイッチ陛下に懇願していた。

「わかったよ。そのように部下に伝える。あとクレッシェ嬢にも伝えよう。どのような刑になるのか、君が望んだ。と」

 私は陛下の胸に抱きつき涙が涸れるまで泣いた。


 陛下に「アレックスもリックもサンドラも心配してるよ」と言われて、自分が『親』であることを思いだした。

 子供達には「心配かけてごめんね。母様のすごく大切な人が殺されちゃったの」というと。

 アレックスは「俺が仇を!」と言い、リックは「俺が魔術で骨も残らず焼き切る!」と言い、サンドラは「そんな物理的じゃなく、社会的にその男の家を抹殺するわよ!」と言った。

「三人とも物騒よ。ちゃんと司法が刑を下すから大丈夫(私が陛下に懇願した刑)」

「「「母様の目が腫れていて心配です」」」

 あらそうなの?本人は気づかないものね。

「気づかなかったわ、ありがとう。あとで侍女になんとかしてもらうわよ。クレッシェ叔母さまも私と同じよ。行ってあげてくれる?」

「「「わかりました!」」」

 3人は元気にクレッシェの方へと行った。クレッシェも少しは元気になるといいな。

 

 あ、エリアの子は孤児になりそうだったけど、クレッシェが「引き取る」と強く言って引き取ることになりました。三つ子は従兄弟が増えると単純に喜んでた。引き取る条件に、その子に王位継承権はないって話だったけど、そんなのは持ってる方が逆に迷惑だからない方がいいのよね。女の子だから、サンドラは女友達が出来て良かったんじゃないかな?



 それから数日たって私は前と同じくらい食事ができるまで回復したと思うんだけど……お城の侍女さんはまだまだ心配してくれてるんだよなぁ。なんだか申し訳ない。

「母様!母様の公務で私ができるところはやっておきます!」

 と、サンドラが言ってくれる。とても心強い。ほろりときてしまう。

「ああっ母様っ!またお泣きになって……」

 サンドラをオロオロさせてしまった。

「違うのよ?立派に育ったなぁって感動したの。母さんなんかより有能じゃない!」

「『母さんなんか』なんて言わないで下さい!この城の皆は母様を慕っているのですから!」

 有難い話だなぁ。弱った心に染み入る。

「じゃあ、もうちょっとだけゆっくりさせてもらおうかな?なんだか最近怠いのよね」

「母様……もしかして、義兄上と何かありました?」

 スルドイ。でもなんで陛下の事が出てくるのかしら?人払いをしてるので、サンドラも陛下の事を義兄上と呼ぶのです。

「もしかしてなんですけど……母様、妊娠していませんか?」

 はいぃぃぃぃぃぃぃ?




ミシェルはなかなかエグイよ…。でも悲しい。

あ、めでたいのかなぁ?喜んでいいのかなぁ?なんか複雑です。

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― 新着の感想 ―
そっか〜ミッシェルとクレッシェにとっては、親友のエリアの死は受け止め切れないよね。それがきっかけで王様陛下との関係が親密になってしまったのも、仕方がない気がするよ。今回の出来事は、一人では、抱え切れな…
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