転生したら異世界の街にいた件
ああ・・・ここまでか
目の前に広がる血溜まり。何もかも"この世界"で生きた証が俺がいたという存在が失われていく。何もかも何もかもが・・・
「ゲホッ・・・血かよ・・・」
手にあるものを見える見える。血が・・・吐いた血が俺の手にかかっていた。なんでこうなった。なんでそうならないといけないんだ
俺が何をした・・・分からない分からない・・・
「おい!これはどうなってんだ!?」
「やばいぞ!助けないと・・・」
「背中に包丁だぞ!下手に抜いたら更に出血するぞ!救急車だ!はやく呼ばないとまずいだろ!」
「えっと・・・110だっけ?」
「119だわアホ!警察を呼んでどうする!いや間違ってねえけど!」
「言っている場合ではないだろうが!早く電話しろばかもん!!」
「はっはい!!!」
聞こえる嫌な声。聞こえるが雑音とじゃじゃ馬の声が耳に・・・鼓膜に響く。周りを見ると誰かが数人がかりで押さえつけられていた
何があったっけ?分からない分からない・・・俺はどうしてこうなったんだ。背中から猛烈な痛みが来るのは遅くなった
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて
それでもなお、誰も助けてくれない・・・痛い痛い痛い・・・アレ?なんか感覚が失っていく痛い!倒れるだけでこんなに痛いのかよ・・・
助けてくれ・・・痛いのは嫌・・・
「おい、やべえぞ!」
「やべえじゃなくて何かしろよ!おい、小僧!大丈夫か!呼吸を整えるんだ・・・チッ!刃物が最悪なところに刺さっている・・・!肺に刺すなんて・・・!!どうしればいいんだ・・・」
「救急車と警察を呼んだ!」
「どれくらいで来るんだ!早く言え!」
「ひっひぃぃ〜・・・10分くらいには来るって言っていた・・・」
10分・・・無理だな・・・痛いのは慣れていないんだ俺・・・
少しずつ少しずつ声が聞き取れなくなった。何を離しているのか分からないし、呼吸するごとに痛みが起きる。みるみると血がどんどん流れていく感覚がある
刺された時は感じなかった痛みが時間を経てば経つほどに痛みが強くなる
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
助けてくれ・・・・・・アレ?痛みが無くなった?
なんで・・・・・・出血は止まっていないのに・・・
アレか?感覚が無くなるだけってやつ・・・
死ぬのにそう時間が掛からない。死が近づいていく。そんな予感が感じるーいや、残る血で頭の回転を回す
なんともいいことがあったと誇れなかった人生
生まれながら病を持ち、入院し続けて2歳の時にようやく家で普通の人と変わらない生活を送れたと思ったら長い間の病院生活のせいなのか誰かと話す機会が少なかったのか人見知りで幼稚園児の時には人と話すことが好きではなかった
イジメに近いことをされた。されたはされたけど俺と話してくれる友達がいてくれてイジメてくる奴らは時間をかけて友達になった。それだけなら良かった
でも、小学生に上がって特別学級に行って学校生活を送っていたところから変わった。俺が人見知りでありながら4年生で普通の学級に行かされ・・・その日から人と関わることが増えた
楽しかった・・・でもいじめられて死にたいと思う日に経ってから学校というのが嫌っていた。嫌嫌嫌と言いながら学校に行って高校生になる頃には限界を迎えた
何度も何度も死にたいと思いながらの生活に耐え抜くことができず、自殺に走って・・・失敗した。自殺の失敗で死ぬことが怖くなった。それでも死にたいと心の中で思っていた
なんでこんなことが思い出すのだろう。分からない分からない・・・意識が・・・
「おっ俺はーーー」
次は
「今とは」
違う人生を送りたい
次の瞬間ー今田琴春は死亡した
「・・・・・・はっ!」
目を開ける。なんで目が開けられるんだ?助かったのか俺は・・・ん?
目を開けた先にあるのは
「どこだよここ・・・」
見たことがない建物が並んでいる場所だった。なんて言うか異世界って感じのところ・・・日本では見ないような建物ばかりが並んでいた。あり得ないこと
どこなんだここ・・・俺は確か、後ろから刺されていたはずだ。病院にいるんじゃなくて別の場所?どう言うことなんだ
「異世界系アニメで見るような建物ばかりだな・・・」
日本では見ないような光景・・・まさか俺
転生した?
「なわけないだろ」
と謎の声が聞こえる。うん、気のせいだな
「お前は何をしているんだ?」
気のせい・・・ん?耳に違和感あるような・・・
「お前聞こえているだろ!」
とどんどん声が聞こえる。うん、気のせいだな
「聞こえているでしょ!」
痛い痛い!耳を引っ張らないで!
「痛い痛い!何!?」
と横を向くと女性がいた。水着に近い服・・・露出の高い服を着ている金髪の女性
「やっと聞いてくれた」
「誰なんだあんた・・・」
何やら俺に声をかけているし、誰なんだろうこの人
「えっと・・・誰ですか?」
「2回も言わなくてもいいわよ。ここで名前を名乗るのはあれだから少し場所を移しましよう」
腕を掴まれて引っ張られる
どうして?
「いや、なんですかこれ!?」
「黙って私に引っ張られなさい」
分からない分からない。一体どう言うこと?
「さて、ここまで来たから名乗っていいね」
「ええ・・・」
どうしてこうなったのだろうか
「私の名前はアイラ・フォース。フォース領のお嬢様よ!貴方を異世界から連れてきた張本人でも言おうかしら」
ってことは
「そうか、お前のせいで俺が死んだってことなんだな?」
「え?ちょっと待って何をしようとするわけ?」
指をポキポキと鳴らす。目の前にいるこの人が元凶なら潰す必要があるな
「あの犯人はお前がやったのか?」
「ちっ違う!死ぬように操作しただけ!」
それはそれでもう駄目なんだわ。お前のせいで死んだとなれば
「悪いが・・・殴らせろ」
「えええええぇぇぇ!?待って!話を聞いて!」
「聞く必要ないだろう。安心してくれ、俺は力には自信がないんだ。問題ない」
「問題ないじゃないでしょ!!!」
「残念だな。お前がやったことは犯罪なのだ」
「待ちなさい待ちなさい!何をーギャァァァァ!!!」
「成敗成功!」
よし!これで帰る・・・どうやって帰るんだ?異世界に来たってことは帰る方法が俺にはないと言うこと。生きていくのに方法がないとなればやばい
「俺どうやって帰ろう・・・」
これからどうやって生きていくんだ俺・・・