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第22色

「それじゃあ、アンジュはしばらく行動させられないわね……だからと言って、エレンたちの活動範囲をあまり制限させたくないし……」

「私で良ければ、二人の護衛として付かせてください。アンジュに援護追跡を託したのも私の責任ですので」

「ありがとう。もちろん、適材適所でお願いするわ。ただ、全ての任務に付いてもらうにしても、人手不足になってしまうものだから……場合によっては、()を呼び戻すことも考えないと……」


 そう言いながら、軽く頭を抱えながら呟くセラヴィ。彼女のその様子から、「彼」について誰だか大方予測はできていた。その顔を思い浮かべると、目の前の彼女同様に、眉間にしわが寄り頭を抱えてしまう。

 そんな微妙な空気の中、司令官室の更に奥にある別室から、とある人物が顔を出してくる。


「あれ、誰と話し込んでいるのかと思ったら、メリヴァだったのか。珍しいじゃないか」

「副司令官。お疲れ様です」

「お疲れさま、セイロン。状況はどう?」

「今のところ大きな問題は無し……かな」


 さっぱりとした短髪の男性は、そう言いながらテーブルに置いてある菓子を一つつまみ、セラヴィの隣に腰掛ける。そんな彼の言葉に、セラヴィは僅かに眉根を寄せて怪訝そうに返した。


「あなたにしては、随分と曖昧な言い方をするのね?」

「まだあれから数日程しか経ってないからな。何よりグラッツの動向が読めなさすぎる。メリヴァは、そのことで話をしに来たんじゃないのか?」

「ご明察。私と、アンジュも同じ見解だったので、司令官にご報告に、と」


 ティーカップを口元へ運びつつ、端的にメリヴァは答えた。ふわりと昇る湯気と、甘さと微かな苦味を携えたカモミールの香りが鼻腔をくすぐる。(美味しい……)、と感じながら味わえる時間のなんと幸せなことか。表情は変えずとも、思わず頬が緩んでいることを自覚していた。

 すると彼女の返答を聞くなり、「そうか……」と口元に手を当て思案し始めるセイロン。隣に座るセラヴィも思うところがあるのか、重々しく口を開いた。


「何か、あったの……?」

「……六大樹周辺の魔力に極僅かな乱れが生じているんだ」

「!?」

「それは、エデンが関わっているかもしれないってこと!?」

「いや、まだ断定できない。奴らの目的はエレンやアールだ。あれだけ大々的に宣言しておきながら、このタイミングで六大樹に仕掛けてくるとは思えない……」

「アンジュに、至急大樹の方も並行して探ってもらいます。もし大樹に何かあれば、守人である我々が直接影響を受けるはずですから」

「守人……」


 メリヴァのその言葉に、一つの思惑がセラヴィの脳裏を過ぎった。

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