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第16色

 エレンは空中庭園を離れて、施設内の談話室区画に来ていた。交流の場として、利用する人数に合わせた様々な広さの部屋がいくつも集まっている場所だ。比較的小さな部屋から、華やかな茶葉の香りと共にシェリーに手招きされた。


「……いや、それで付き合ってないとか本気……?」

「えっ?」

「何人かは、二人がお付き合いしてると思ってますよ……」

「えぇっ!?」


 談話室にはシェリーだけでなく、もう一人の親友であるセリーナも到着しており、しばらく他愛のない話が続いたが、先程のグラッツの襲撃もあり、空中庭園で起きたことの話題になっていた。


「い、いやいや、あれはグラッツって人が危ないから守ってくれたわけだし……」

「ただの仲間だとしても、そんなすぐに勘付いて駆けつけられるかしら」

「私が狙われているってことは知ってたみたいだし……」

「実際こうやって抱き寄せられてどうだった?」

「……ど、ドキドキした……」

「はい早く付き合えー!!」

「シェリー、落ち着いて……」


 シェリーとの問答に耐えられなくなったのか、エレンは真っ赤になった顔を手で覆い隠し、「無理無理」と首を横に振っている。それをセリーナは戸惑いながらもあやしつつ、あらぬ方向へ手を口に添えながら叫んでいるシェリーを宥めていた。

 その後、シェリーも少し叫んですっきりしたのか、席に戻ると真剣な顔で話を続けた。


「真面目な話、アールさんのことは本気で好きなんでしょ?」

「っ!!……ん……」


 真っ赤な顔で、困ったように小さく頷く。エレンのその反応を確認すると、シェリーは目元を覆いながら天を仰いだ。


「いやホント、アールさんが羨ましい……いや憎いわ……なんでこんな可愛い子をさっさと確保しておかないのか訳がわからない……そうすれば変な虫も寄り付かなくなるのに……」

「シェリー? なんだか話が逸れている気がしますけど……」

「そもそもアールさんのあの完璧具合は一体何? 容姿端麗、頭脳明晰、運動神経も文句無しに抜群に良いとか、あの人の弱点ってどこ?」

「シェリー……? そろそろ戻ってきてください……」


 わなわなと手を震わせながら、シェリーのぼやきの矛先はいつの間にかこの場にいないアールへと向けられていた。セリーナも、彼女がここまで来ると止められないことは分かっていたが、赤面しているエレンのことも見るに堪えなかった。一通り吐き出して満足したのか、シェリーは改めて真剣な表情でエレンに向き直る。


「話逸れちゃったけど。エレンだって、いずれ気持ちを伝えるつもりはあるのよね?」

「で、でも……幼馴染ってだけだし……」

「わたしも応援するわ、エレン。きっと大丈夫」

「あのね、エレン。なんとも思っていない子に対して全力で守ってくれる人なんてそうそういないからね? ど~見ても脈ありにしか見えないわよ。大丈夫、自信持って!」

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