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第1色

 とある世界――……穏やかに見えた地が、ある日突然()()した。否、()()()()()。世界からすればごく僅かな点である、黒き花の存在に、世界一つが飲み込まれてしまった。しかし、すべてが飲み込まれる一歩手前、辛うじて抜け出した光が二つ、寄り添うように闇から飛び出していった。光は直後に、星の大海へ一瞬にして消えていった。


「……逃げた、逃げたな……せっかく、――――と思ったのに……逃がさない。どこまでも……どこへ行っても見つけ出してやる……」


 闇に覆い尽くされた世界はその後、跡形もなく塵と消えた。その場には、小さな黒い光が妖しく輝いている。しばらくすると、その黒光も瞬時にしてその場から姿を消した。

 後に、幾年、幾千年もの間、転々と世界を巡った光と闇の逃亡劇が繰り広げられる。いくつ目かの世界でようやく、光は落ち着くことができ、今までの逃亡から学んだ知恵の限り、闇が簡単に触れられない(すべ)も身につけていた。土地も安定し、平和な世界を築くことに成功し、再び穏やかに民が生活できるまでに成長していった。

 しかし、運命には抗えない。また年月を経て、後の子孫たちが闇を討つ役割を担うこととなる――。



 かの世界に付けられた名は『フルール・ミロワール』。『花鏡』の名を冠する幻想的な世界。生花に限らず、精巧にできた硝子や宝石の花々。金や銀細工の蝶の群れ。風と共に四季を告げる、空を舞う花……それらが自然現象として存在している。あらゆる美しいものをかき集めた宝石箱のような、その名に相応しくまさに理想郷の地と言えた。

 世界は潤沢な魔力で満ち溢れ、動植物たちの生命を維持していた。人も同じく、ある程度の魔力を持ち合わせることで、不老不死にごく近い、美貌と長寿を得ることができた。「死」という概念すらも、現代とは大きく認識が異なるものとなっている。

 至極平和に思える世界。しかし近い未来、それを脅かす災厄が降りかかって来るなど、誰も知る由もなく、刻一刻とじわり迫っているのであった。


 ――是れは、永い(とき)を経て紡がれた世界と愛の物語……――

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