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あれからかなりの日にちが経ちましたが、
未だ戻らぬ『ゼファーシルエット』
俺に出来ることは日々の鍛錬のみ。
時々、特使公爵として式典出席もしていますけどね。
もちろん『読み聞かせおじさん』も健在ですよ。
『ゲートルーム』配備以降、仲間たちも我が家の安全闘技場を利用してくれております。
弾けるように舞うように、汗をきらめかせて鍛錬する乙女たちの雄姿、
たまらん。
闘技場を建てて良かったと、最近心底思っちゃうよ、俺。
そしてフルリも頑張っております。
自分に合う闘い方を試行錯誤してたどり着いたのは、
セシエリアさんの徒手格闘術と、
ミナモさんの東方流護身術を組み合わせた、
小柄なフルリ独自の護身格闘術。
教えたふたりも驚くほどの上達っぷり、
すでに俺ごときでは、うかつに近付くと投げ飛ばされるのが関の山。
こんな風にな。
「大丈夫ですか、アランさん」
すみません、アリシエラさん。
フルリはお手当ごっこしたくて、遠慮なくぶん投げてくるんですよ。
って、アリシエラさん!
もしかして、アレが完成しましたか。
「お待たせしました、アランさんっ」
「もしかしなくても完成ですよっ」
その手に輝く、漆黒なのにツヤッツヤのソレが、
「そう、コレがアランさんの新たなるチカラッ」
「現時点での『ゼファー』シリーズ最高傑作っ」
「その名も『ゼファーシルエット・改』!」
「『ゼシカ』と、お呼びくださいっ」
手渡された瞬間、ビビッときちゃいましたよ。
この手に馴染む極上の触り心地と持ち塩梅、
この『ゼシカ』は紛れもなく、
俺のために作られた、俺専用の逸品!
じっくりと見つめて、満足いくまで撫で回してから、
モノカさんから教わった槍の演舞で、
しばし無言で身体を舞わせてみる。
……
すげぇ。
一体感どころじゃねえぞコレ。
槍に導かれるかのごとく自由自在に身体が動くこの感じ、
たまらんっ!
「アランさんの身体の負担にならない程度に、身体制御をサポートする能力を付与しましたっ」
「アランさんが鍛錬すればするほど、サポート強化も向上する仕組みとなっておりますよっ」
つまりは俺次第でもっと強くなれるってことだな。
ありがとうございます、アリシエラさん。
最高の相棒になれそうですよ。
「とんでもハップン歩いて10分ですよっ」
「『ゼシカ』の真のチカラは、まだまだこんなもんじゃないのですっ」
「さあ『ゼシカ』を高く掲げて」
「『アラアラ ウリウリ エッチッチ!』と、大きな声でっ」
ちょっと待ったっ、アリシエラさんっ、
そのアレなセリフは『アライヤン』の召喚魔法の呪文!
「その通りっ!」
「『召喚魔王アライヤン』でもあるアランさんには、当然これ以外のキメゼリフはあり得ませんっ」
マジか……
えーと、それじゃ、覚悟を決めてっと。
「アラアラ ウリウリ エッチッチ!」
ぼふん
うわっ、なにこの黒いケムリ、
って、ケムリの中から現れたのは、
セシエリアさん!?




