表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/27

22 訓練


 ふう、訓練終了、と。


 今日もいい汗かいたよ。


 フルリもだいぶ動けるようになってきたかな。



 実は、フルリはあまり強くないのです。


"つくも神"としての素の実力は、元となった器物の能力次第とのこと。


 つまり、量産品の片手剣だったフルリは、強さもそれなり。



 それでもご主人様のお役に立ちたいと、頑張ってくれているのは分かるんだけど……


 アリシエラさんの理論通りなら、強くなるにはフルリ自身がもっと頑張んなきゃいけないんだよ。


 でもなあ、見ていて危なっかしくてさ、どうしても甘やかしちゃうんだよな。


 甘々ご主人さまで甘々お父さんなんですよ、俺。



「汗で濡れ濡れなので、早くお風呂したいのです」


 うん、お風呂しよっか。



 えーと、鍛錬が終わったら一緒にお風呂、これも日課なのです。


 もちろん家族一丸となって説得しましたが、フルリもなかなかの頑固さん。


 あらゆる手段を使ってでも一緒にお風呂しようと忍び込んでくるフルリに根負けしまして、


 お互い水着着用での混浴でと妥協した次第。



 安全闘技場にある大浴場は、本宅から温泉の湯を引いてきた本格仕様。


 むふー


 がっつり体を動かした後の温泉、たまらんっ。



「ご主人さまのお役に立てるよう、フルリはもっと頑張ります、です」


 湯船に一緒に浸かるフルリ。


 今日も頑張ったね。


 でも、あまり無理してみんなに心配掛けちゃったら、お仕置きだぞ。



「ご主人さまのお仕置き、楽しみ、です」


 あー、そんなとこは似なくていいんだけど……


 お父さん、ちょっと心配だよ。



 お風呂に浸かりながら、今まで剣として過ごしてきた頃の思い出を楽しそうに語るフルリ。


 俺ですら忘れかけていたような事まで、全て覚えている。


 そうだよな、ずっと剣としての人生を送ってきたんだもんな。


 この娘にとってはそれが全てだったんだよ。


 これからはフルリとしての人生を送れるよう、俺たちが楽しい事をいっぱい経験させてあげなくちゃな。



「……」


 おや、なんか静かだな、って、


 うわっ、のぼせちゃったのかよっ。



 フルリのちっちゃな身体を慎重にお姫様抱っこして、慌てて脱衣所へ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ